相続で遺言に納得できない?対処法や均等に分ける方法をFPが解説

遺言に 納得できない マネー情報

遺言と相続についてのご質問です。

今回ご相談したいのは相続についてです。先月91歳で父が亡くなりました。母は3年前に先に亡くなっています。
私は3人兄弟で兄、私(女性)、弟で全員60代、全員結婚して子供が皆2人ずついます。
ご相談したいのは父が書いた遺言書についてです。遺言の内容は父が住んでいた家・土地は長男が引き継いで
預貯金など約1500万円は兄弟3人で分けなさい、と言うものでした。父の住んでいた家は建物は古いのですが
一等地にあり土地だけでも売れば3000万円くらいにはなります。と考えると本来は兄弟で3分の1ずつもらえるはずなのに
不公平では…と思ってしまいます。
教えていただきたいのは、①遺言書は絶対的なものなのでしょうか、ということと②不公平でない分け方があるのでしょうか、
と言うことです。よろしくお願いします。

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年10月23日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

遺言より優先される遺産分割協議

遺言は基本は優先されるものですが、実は遺言よりも優先される場合が1つあります。

それは遺産分割協議、といって相続人の間で「こういう風に分けよう」といって全員がそれに納得した場合です。

遺言書は亡くなった方(被相続人)の意思の表れですので、一般的にはそれに従って遺産分割される場合が多いのですが、相続人全員が合意・納得すればそちらの方が優先されるということです。

(ただし①遺言によって遺産分割協議が禁止されている場合、②遺言執行者が選任されている場合を除きます)

小宇佐
小宇佐

優先されるのが遺産分割協議、その次に遺言、遺産分割協議がまとまらず遺言書も無い場合は法定相続分で分ける、
と言うことになります。

3人の兄弟全員が納得すれば問題ない訳ですね。

小宇佐
小宇佐

そうですね。ただもし3分の1ずつにしようと言っても今回の場合は土地を売らない限り3分割には出来ないですよね。

相続のときの土地の正確な評価額は分かりませんが、仮に3000万円そのままだとすると遺産の総額は現金1500万円と合せると合計4500万円。3分割だと1500万円ずつですので分けられない、と言うことになります。

不公平でない分け方は可能?

3人で均等に分けることが決まったという前提でお話ししますと、まず家土地を売るという決定ができれば話はスムーズです。単純に現金化して全ての財産を3分割すれば良いですよね。

家土地を売らない場合どうするかと言いますと「代償分割」という方法があります。

代償分割とは特定の相続人が土地などの現物財産を受け取った代償として自分の財産を他の相続人に支払うことにより分割する方法です。

今回の場合で言うと、きっちり3分割に分けると1人に1500万円ずつです。

長男の方が3000万円の土地をもらい、相談者の方と弟で現金を750万円ずつ受け取ったとします。

この後、長男が相談者と弟に現金で750万円ずつ払うことで均等になる、と言うことです。

小宇佐
小宇佐

これは民法の相続法で認められている内容ですので、このお金のやり取りは遺産分割の一環と見られ現金のやり取りにかかる贈与税などを払う必要はありません。

長男が現金を持っていない場合は出来ない

そうですね。長男に資産的な余裕がなければ難しいと思います。

相続が発生してからでは打つ手は少なくなりますが、相続発生前の相続対策としては生命保険を使う方法があります。

父親が亡くなった場合に長男に保険金1500万円が入るようにしておけばこの代償分割の準備となります。

小宇佐
小宇佐

ただ高齢になると保険に入れなかったり、掛金も高くなりすぎて意味をなさなくなる可能性もあるので相続対策はやはり早めに始める必要があります。

早めの対処が大切

平成27年1月1日から相続税の法律が変わり実質増税になりましたが、今起きている相続の問題は実は税金の問題よりも分割に関することでの問題がはるかに大きいです。

調停などになっている件数の約75%が相続税が掛からないまたはほとんど掛からない遺産5000万円以下の相続で起こっています。

理由は日本人の資産の半分以上を不動産が占めていることが主な原因です。

財産の内、自宅も合せた不動産の占める割合が大きい方、子供が2人以上いる方は早目に確認やご相談されることをオススメします。

相続税も発生しないし税理士さんにも相談しにくい、どこに相談すれば良いか迷われる方は、最近は私(達)のようにファイナンシャルプランナーの資格を持っている方も周りに多くなっていると思いますのでまずはそういった方にお話しをされてみるのも良いですね。

相続について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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