60歳の再雇用で年金はどうなる?FPが解説

60歳 再雇用と年金 マネー情報

再雇用した場合の年金についてのご質問です。

来年度60歳の誕生日を迎え長年勤めていた会社を定年退職となります。ただその後も再雇用というカタチで65歳までは同じ会社で働くこともできます。気になっているのは年金のことで私の場合は63歳になると年金の一部をもらえるようになるとのことですが、働いている場合はどうなるのでしょうか?

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年8月28日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

在職老齢年金とは

小宇佐
小宇佐

「在職老齢年金」というしくみをご存知でしょうか?

60歳以降も厚生年金に加入して働く方を対象にしている制度です。

年金や収入の金額によりますが、この制度により実は頑張って働くともらえる年金額が減るかもしれません。

65歳を境に計算方法が変わるのでまずは65歳未満で考えてみます。

65歳未満だと基準額は28万円となります。平均の「月収」と、通常であれば受け取れる「年金月額」の合計がこの基準額(28万円)を上回ると、超過額の半分が年金額から差し引かれることになります。

65歳未満でもらえる年金はどのくらい?

65歳未満でもらえるのは「特別支給の老齢厚生年金」です。平均で約10万円、大企業に勤めていれば12万~13万円程度が一般的です。

さっきの基準額28万円を元に考えると月収が15万~20万円あれば基準にかかってきます。

特別支給の老齢年金額が10万円の人だとどうなる?

月収が38万円を超えるともらえる年金額はゼロになります。

月収28万円だとしても10万円もらえるはずが減額されて5万円しかもらえなくなります。

減らされた分は後からもらえるようにならない

小宇佐
小宇佐

減らされた分は単純に「支給されない」だけで後からもらえるようなことはありません。

65歳以降はどうなる?

小宇佐
小宇佐

基準額が46万円に増えます。

65歳以降も厚生年金に加入されて月収と年金額とを合わせて46万円を超えるような方が該当となりますので(経営者や役員など)収入の高い方は注意する必要があります。

60歳以降は厚生年金に加入せずに働く方がいい?

小宇佐
小宇佐

目先の損得だけならばそれも良いのですが、そうとも言えない部分も多くあります。

「厚生年金に加入している状態」はたくさんのメリットがあるということです。

①退職後にもらう年金額が増える

厚生年金は最長で70歳まで加入できます。60歳以降加入している(働いている)期間の分だけ基礎年金を除いた厚生年金の部分だけですが年金受給額が加算されていきます。

併せて亡くなった時に遺族が受け取る遺族厚生年金も増えます。

②会社の健康保健にも加入できる

健康保険料・介護保険料は会社が原則半分を負担してくれますし扶養家族がいればその分は保険料ゼロで医療が受けられます(配偶者は60歳未満で第3号の場合)。

病気やケガで働けなくなった場合には傷病手当金も受けられますし、大企業の健保組合なら法定外の給付も手厚かったりします。

③「障害厚生年金」の適用対象でいられる

65歳までの加入期間中に初めて受診した病気やケガで所定の障害を負った場合、基礎部分(障害基礎年金)に上乗せして払われますが、実は単に金額が増えるだけでなく基礎年金部分では対象外となる比較的軽度の障害も障害厚生年金では対象になります。

厚生年金は加入しておく価値は十分ある

厚生年金は年金額に影響を与えても、加入のメリットがあります。しかし、それぞれで状況は違いますので定年を迎えられる前にしっかり確認しておくことをオススメします。

年金やお金について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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