成人した子どもにお金を出すのは正しい?FPが解説

成人した子どもにお金 マネー情報

子どもにお金を出すかどうかについてのご質問です。

保険とか税金とかではなく、漠然と一般常識はどうなのかというご相談です。
私、高校生の時に父を亡くしており、借金も抱えていた家に育ったので、大学進学は諦め高校卒業後就職。
そこで主人と出会い結婚、2人の娘に恵まれました。私は成人式、車の免許、結婚費用全て自分で出しました。
娘達が大きくなり、2人とも高校、大学私立で進学、全て支払っています。
数年後かには出会いがあって結婚するかもしれません。
世間ではよく「結婚費用を出してやった、出さねばならない・・・」等々聞きますが、私は自分の基本理念として、車の免許は《自分の資格》と思っているので、
立て替えて払っても後々返却を約束して払わせています。
結婚も自分の人生選択!自分たちで払うものではないですか?
もちろんお祝いとしては多少出すつもりですが、自分自身が恩恵を受けて来なかったので、見方が厳しいのか判断がつきません。
もちろん、家庭により様々な事情はあると思いますが、世間一般がどうなのか知りたいです。
これまで貯めていた貯金は娘達の学費の支払いですっからかんです。
親はどこまで子供に援助するものなのでしょうか?
老後を見てもらおうとは全く思っていません。お願いします。

伊藤
伊藤

私、伊藤がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で 2020年1月27日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

子供のためのお金は面倒見るのが一般的?

伊藤
伊藤

子供が社会に出るまでは親の責任だということで、面倒を見るというのが一般的に多いかもしれませんね。ただ、相談者さんのように、学生時代に親御さんを亡くされたりして経済的に苦労するというケースは当然あると思います。

実際、相談者さんは大学進学を諦めて高校卒業後に就職されたとのことで、それは経済的な理由が一番であったと思います。

高校以降は義務教育ではないとはいえ、やはり子供が学びたいという気持ちに応えられるのが本当は理想ですよね。

子供が育っていく上でお金はどうしてもかかるものですが、子供自身にそれを準備しなさいというのは現実的ではないと思います。

最低でも子供が働くことができるまでは親自身が周囲の力も借りることも含め、どうにかしてあげられるのが理想かもしれませんね。

ただ、子供が経済的に自立できる状況になれば、基本的には経済的な援助をする必要はないと思います。

教育費だと奨学金を利用する手段も

伊藤
伊藤

特に大学に進学する人の利用する貸与奨学金が一般的ですが、これは、学ぶ学生自らが将来返済していくというというものです。

日本学生支援機構の調査によると、学生の2.7人に1人が奨学金を貸与奨学金を利用しているようです。

利用することが正解というわけではありませんが、少なからず自分自身で背負うものであるため、勉学にもより一層力が入るかもしれません。

実際、奨学金を利用したことがある人に話を聞くと、必死に勉強したという人が多いです。

そして、自分で背負って自分で返済するという経験ができたことは、自分自身の成長のためにも良かったという声が多いです。

子供が頑張れるところは親が援助しない方が良い?

伊藤
伊藤

親の立場としたら子供のためにはできる限り何でもやってあげたいという気持ちがあるのは当然だと思います。

子供の立場からしても、親が全部面倒見てくれたら楽ですし、背負うものもないですから嬉しいと思います。

ただ、そのような環境でずっと育っていざ社会に出ると、困ったら親が助けてくれるだろうという意識がどうしても根付いてしまいます。

実際、私の周りでも裕福な家庭に育って、何でも親が面倒見てくれていたという人がいますが、いざ社会に出て働き始めて厳しい局面にぶつかると逃げてしまったりという傾向は少なからずあるように感じます。

逆に、裕福な家庭に育っていても、大学には親に頼らず奨学金を利用して進学し、自分で背負う経験をした人もいて、その人は社会に出てすごく立派になっています。

必ずこうなるわけではないですが、親が何でも援助してあげるということは子供のためには必ずしも良いとは言えないかもしれませんね。

相談者さんもこれまでご自身でたくさん背負ってこられたようですから、大変な思いはされたでしょうが、ご自身のためになったと実感されているのではないでしょうか。

「結婚費用はお祝いとして」という考えはどうか?

その考え方はとても良いと思います。私の知人で結婚費用数百万円を全額親に出してもらったという人がいます。

結婚費用は進め方によって金額の差はかなりありますが、決して安くはないですよね。自分たちの結婚なのに、自分たちで背負っていないという時点で重みが全然違います。

伊藤
伊藤

ちなみに、その人はお金の価値観の違いで離婚しました。

常に頼れてしまう環境があると、心のどこかで困ったら頼る先があるからどうにでもなるという意識があります。

お祝いとしてであれば、甘やかすほどの金額ではないと思いますし、子供さんも自分たちで考えて自分たちの可能な範囲で進めていくと思います。

伊藤
伊藤

親としても祝福している気持ちが伝えられますし、もらう子供さんも当然嬉しいと思います。

相談者さんの考え方は全体的に良さそうですか?

伊藤
伊藤

私はすごく共感できます。
例えば、車の免許取得の費用も負担してあげるのではなく、立て替えて支払ってあげて後で返してもらうというのは良いと思います。

車の免許取得は決して義務ではないので、自分で取得したいのなら自分自身でどうにかするのが本来だと思います。

あとは、今は約束をしている状況とのことですので、その約束をしっかり守らせることがとても重要です。

約束を反故にしてしまえば、結局は親がどうにかしてくれるというのが染みついてしまいます。

貯金が0で今後大丈夫なのか

伊藤
伊藤

相談者さんの家庭の収入や支出の状況がわからないですので、何とも言い難いところですが、ご自身の老後の資金というのはとても気がかりに感じていると思います。

老後の面倒は子供さんに見てもらう気持ちはないとのことですので、老後はご自身でどうにかしていかなければなりません。

仮に、老後を子供さんに頼ろうと思ったとしても、子供さん自身の生活にも色々お金がかかるためゆとりはないでしょうから、経済的に頼れない状況が想定されます。

公的年金も決してゆとりある金額がもらえるわけではないため、ご自身での準備も必要になります。

今後、貯蓄が順調にできない見込みのようであれば、収入を増やすか、家計を見直して支出を減らすかを現実に照らして実践していくことが必要になります。

もしご自身で策が見つからないようであればお金の専門家に相談されるのも1つの手段だと思います。

ご自身の今後の人生が最悪な状況にならないためにも、早めの対応が望まれますね。お金の運用にお困りであれば、小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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