退職金専用定期預金についてのご質問です。
もうすぐ夫が長年勤めていた会社を定年退職します。再雇用の制度があるのでまだ数年間は働く予定ですが、退職金は今回受け取ることになります。そんな中で「退職金専用定期預金」 というものがあると聞きました。良さそうであれば利用したいと思いますのでどんなものか教えてください
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年3月27日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
退職金専用定期預金とは
退職金専用定期預金は、大手銀行の他、地方銀行や信用金庫などで取り扱っており、退職金を受け取った人だけが利用できるものです。
銀行によって違いはありますが、退職金を受け取ってから3か月から1年以内に預け入れることが条件で、預入期間は1か月から3か月と短いものがほとんどです。
金利は年率で0.5%~1.0%前後で通常の定期預金と比べると50~100倍の高い金利であることが最大の魅力です。
そのお金が退職金である証明が必要
預け入れのときには「退職所得の源泉徴収票」など退職金の入金を確認できる書類や退職金を受け取った口座の預金通帳が必要になります。
また期限もあり金融機関によっても異なりますが、退職金を受け取ってから1年以内の申し込みに限る、などの条件が付きます。
預け入れ期間終了後はどうなる?
例えば預け入れ期間が3か月のものだと、3か月は特別な金利が付いてそのままにしておくと通常の定期預金の金利になるものが多いですね。
ですので解約する必要はありません。
3か月だと短いですよね?
実は1つの銀行では「1人1回」の制限はあっても、別の銀行の同じようなプランに預け替えることは問題はありません
手間は掛かりますが高い金利を考えると利用した方が得ですよね。
そもそもどんな時に利用するもの?
退職金をもらったけど、まだ使い方や運用方法などいわゆる「セカンドライフの資金繰り」を決めきれていない方などが利用すると良いですね。
退職金は一般的には大きなお金になり、人によってはそのようなお金の扱いに慣れておらず、場合によっては「何か運用しないと損をする」と思ってしまい、よく分からないまま株や投資信託など自分でよく把握していないもので運用してしまうこともあります。
更に今は一旦退職して退職金をもらっても(質問者の方のように)再雇用や時短勤務、嘱託扱いで残る、再就職などさまざまなスタイルを取りますので、退職したからと言ってゆっくりと考える時間が取れるわけでは無い場合も多いですよね。
そんな中で、この退職金専用定期預金などのに預けることで少なくとも数か月間の「考える時間」 が確保できます。
将来のことを考えて運用しよう
ただ退職金の運用という狭い範囲にこだわらずに、そもそも退職以降のセカンドライフをどのように過ごすのか、働き続けるのか、どこに住むのか、下の世代にお金を残したいのかなどをしっかりと考えた上で、退職金以外の資産も含めてどのように扱っていくかを決めるべきです。
ご自身たちで考えた過ごし方に合う運用方法があれば初めて採用すれば良いのであって初めに「金融商品ありき」で考えないようにすることもとても大切になります。
退職金専用定期預金について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。