自然災害から財産を守るためには?保管方法や注意点をFPが解説!

自然災害から 財産を守る マネー情報

自然災害時の財産の保管についてのご質問です。

 

今年は東日本大震災から10年で震災に備えることを改めて考えさせられる番組をテレビ、ラジオから見聞きすることが多く有り、あの 津波の映像を見ながら自分たちに置き換えて考えてみました。私の住む家は、大きな地震が起きて津波がくればのまれてしまう海抜の低い地域です。
もし、私達夫婦二人ともが死んでしまった時、預貯金、生命保険、その他の保険、ネットでの保険、土地(田畑)を離れて暮らす子どもに残すためにどんなことをしておけば良いでしょうか? 地震だけならともかく、津波は全てを持って行ってしまいます。通帳や証書など全てなくなったとしても、私達が蓄えてきた物を子どもが受け取れる手段を教えておければと思いご相談させていただきました、よろしくお願いします。

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年4月5日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

財産を守るためのポイントは?

小宇佐
小宇佐

現物の財産でなければ原則失うことはないと思ってください。

現物の財産と言うのは、自宅や家具・家電などの家財道具、衣類などもそうですが、金庫などにしまっている現金も現物資産と言えます。

現物でない財産というのは、預貯金や株式、保険など契約によって成り立っているものです。

モノとサービスと考えると分かりやすいかもしれません。

モノを災害から守るのは難しい

小宇佐
小宇佐

そうですね。東日本大震災レベルの地震、特にあのような津波・水害を想定すると完璧に守ることは困難です。

家財が倒れることを防止したり、家が2階建てであれば貴重品は2階に保管しておくなどの予防は出来ますが、災害時はどのような状況になるか予測は出来ないので物理的にこれが完璧な対策と言える、というものはないと思います。

モノに対しては保険に入っておくことで対応すると言う考え方もあります。

地震保険で対応できないものもある

そうです。地震保険はなぜ入るのかと言うと、一般の火災保険、補償対象が建物でも家財でも同じですが、この火災保険では「地震・噴火・津波」を原因とした火災や流失などの被害は補償されないことになっています。

台風や大雨のときは補償されるので、区別が付きにくいのですが、地震や津波のときは地震保険しか適用されないと言うことを是非知っておいてください。

ちなみにこれは自動車保険でも同じで、自動車保険に車両保険を付けておくと自分の車の損害をカバーすることが出来るのですが、この車両保険も地震・噴火・津波を原因とした損害は補償されません。

備えるためには地震車両特約(保険会社によって名称は異なります)を付けておく必要があります。

付けておくことで「車が津波で水没した」「噴火で飛んできた石で車体が壊れた」「車が地割れに巻き込まれた」のような被害もカバー出来ます。

ただ補償額などは各社で違ってくるので入る際は内容をしっかり確認された方が良いですね。

通帳や証書を災害で失う場合に備えられる?

小宇佐
小宇佐

通帳や保険証券などを失ってしまったとしても契約自体が無くなるわけではありません。

きちんと契約していることが確認や証明が出来れば、預貯金を下ろしたり保険金や給付金を請求することは出来ます。

ただ東日本の震災や津波を振り返ると、全ての財産が流されてしまって手元に何もないということも想定しなければなりません。

情報がないと契約確認や本人確認に時間が掛かってしまいタイムリーにお金や保険を使えないことになりかねませんので、少なくとも契約情報は分かるようにしておいた方が良いです。

契約情報とは

小宇佐
小宇佐

口座番号や保険証券番号、念の為に金融機関名も確認しておいた方が良いです。

銀行口座などは頻繁に使っている場合はどの銀行に預けているかを忘れることはそれ程ありませんが、保険などは入りっぱなしになっていると、どこの保険会社に入っていたか思い出せないこともあるかもしれません。

契約している会社が分からないと問い合わせ自体が出来ませんので、最低限どこの金融機関と契約しているのかは覚えておくかメモしておく必要があります。

保険会社や契約情報が分からない場合の調査方法

まず、生命保険会社については、一般社団法人生命保険協会の「災害地域生保契約照会センター」に電話することで、契約している保険会社や契約内容を照会することができます。

損害保険会社については、一般社団法人日本損害保険協会(または一般社団法人外国損害保険協会)の「自然災害等損保契約照会センター」に電話することで、同様に契約照会をすることができます。

小宇佐
小宇佐

実際に災害時に避難する際には、通帳や保険証券などを取りに戻って危険を冒すことがないようにしてください。

現金の保管は避ける

多額の現金を自宅の金庫などに保管しておくことは止めたほうが良いです。

ある程度、生活で使う分くらいはしょうがないと思いますが、現金や貴重品の入った金庫が流されてしまって見つからないと取り返しが付きません。

それでも東日本大震災のときは、半年経たないくらいで流出した金庫が5700個くらい見つかって23億円7000万円以上を警察が回収したそうです。

その時点でその内の96%(約22億7000万円)が持ち主に返還されたようです。

すごい話だとは思いますが、持ち主や持ち主の所在が分からずに変換できないものもあったようですので、やはり極力大金を入れておくことは止めたほうが良いですね。

小宇佐
小宇佐

質問者の方のようにお子さんに残したいと思っても災害などで失ってしまっては元も子も無くなりかねませんので。

相続時の不安がある方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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