30代会社員男性の方からのご質問です。
30歳を過ぎて20代の頃よりは収入も上がりお金でそこまで苦労することはなくなりましたが、20代前半の頃や学生だった頃と比べて何かを買ったときに楽しいと感じることも少なくなったような気がします。
車やパソコン程度のものであれば、好きなものは買えるようになっていますが、満足度が低いと言うかすぐに飽きてしまいます。
満足するモノを求めていろいろと買ってしまうのですが、しばらくするとやはり興味が薄れます。
このままお金をどんどん使っていくと貯金も出来なくなるので、使い方を変えようと思いますが、どのように使うと幸せとか満足を感じるのでしょうか?
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年4月26日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
お金で幸せは買えない?
お金と幸福度の関係については昔からいろいろな研究や実験がされています。
その中にヒントがあるかもしれませんので、いくつかご紹介していきます。
まずお金を使って幸福度を上げたいのであれば、モノではなく経験(体験)を買う、ということです。
これは何故かと言うと、モノを買った幸福度というのは時間とともに下がると言われています。反対に経験(体験)の幸福度は時間とともに上がってきます。
人間の脳は過去の経験を勝手に美化していく仕組みになっているそうです。
また何かをやらなかった時の後悔は残りやすくなりますが、モノを買った場合は、買わなかった後悔はしづらく、買った場合は後悔しやすい傾向があります。
モノを買ってはダメということではありませんが、こうやって一度視点を変えてみるのも良いかもしれません。
具体的にはどのような経験?
幸福度を感じやすいのは、思い出になりそうな経験、他人とのつながりが生まれる経験、めったに無いレアな経験などと言われます。
思い出であれば旅行などが正にそうですが、珍しい国や場所に行ったことやハプニングが起こって大変だった、なんていう旅行はいつまでも楽しかった思い出として残っていると思います。
またボランティアやイベントに参加して知人との絆が深まった、とか新しい友人が出来た、といったことも幸せを感じることができる体験ではないでしょうか。
もうひとつオススメは自分の理想像に関係する経験です。
志望大学のキャンパスに行ってみたり、あこがれの人に会いに行く、あこがれの人が歴史上の人物であれば縁(ゆかり)の場所に行ってみる、などです。
実体験ベースの感動や願望と言うのは大きなエネルギーを生みやすいので、ひょっとすると人生を変えるような経験になるかもしれません。
幸福度が上がる買い物の仕方はある?
「ご褒美」にするという方法があります。
先程言われていた、若い時にバイトをして必死にお金を貯め欲しい物が買えた場合など、それがどんな物かは関係なくすごく嬉しく感じたのではないでしょうか?
人間は、素晴らしいものでもすぐに手に入るものは欲しがらない傾向があります。反対に高価な物でなくても、手に入れにくいものは欲しくなります。
それを利用して自分で自分に制限をかけると同じ物を買う場合でも満足度、幸福度が違ってきます。
例えば、一杯のコーヒーであっても「この仕事(や作業)を終えるまでは飲まない」と決めることで不思議なことに100円のコーヒーでも満足感や美味しさまで違って感じることがあります。
このように欲しい物があってもすぐに買わずに何かの「ご褒美」にすることで満足度は変わってきます。
他にも「時間を買う」ことで人間の幸福度はとても上がってきます。
時間を買うとは
分かりやすいのは時間短縮になる交通手段を使う場合です。
一般道でなく高速道路を使う、特急電車に乗る、歩きでなくタクシーを使うなど時間の短縮効果が大きいほど幸福度も大きくなります。
家事で言うとロボット掃除機や食器洗い乾燥機、乾燥機付き洗濯機を使っていわゆる「時短」することです。
他にも職場の近くに住んで通勤時間を短縮することもそれに当たります。
なぜお金を払ってでも時間を作ったほうが良いかと言うと、人間は自由な時間が多いほうが幸福を感じやすくなるからです。
お金をたくさん持っていて自由な時間が全然ない人より、お金はそこそこでも時間がたくさんある人のほうが幸せである場合が多いようです。
何もかもお金をかけていては大変ですが、お金を使う際の判断に時間を短縮できるかどうかの判断基準を入れてみるのも良いと思います。
他の方法は?
これも昔から言われていますが「他人のためにお金を使うこと」は、自分の幸福度をとても上げると言われています。
自分のためじゃないのに、と思われるかもしれませんが、人に食事を奢る、プレゼントする、寄付をする、といったようなことに人間はすごく幸福を感じます。
自分の行ったことで、相手の気分や物事が良くなることに喜びを感じるんですよね。
お礼を言われたり、寄付したお金がどう使われたかなどの状況が分かることで更に幸福度は増します。
結局自分のためだけにモノを買う、と言うことじゃ幸せを感じにくいと言うことですね。
お金のお悩みについてお困りであれば、小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。