40代主婦の方からのご質問です。
今年娘が成人を迎えました。1月14日に成人式も終わりホッとしていますが、娘から『国民年金加入の案内が来ているけど手続きしないとダメなの?』と質問されました。『入っておかないとダメだよ』と答えはしたものの娘宛てに送られてきた書類を見ても何故入った方が良いのか、入らないとどうなるのかを分かりやすく説明することができません。
説明できるように簡潔に教えていただけると助かります。
※親の威厳を保つためよろしくお願いします。
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年1月21日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
20歳から国民年金に入る人の割合は?
国民年金の資格取得の届け出を出した人は20歳になった人全体の半数程度です(2018年末総務省資料より)。
20歳の誕生日が近づくと日本年金機構から「国民年金加入のご案内」が送られますが、受け取った人の約半分が届け出を出していません。
加入の届け出をしていなくても年金手帳や保険料の納付書は後日送られてきます。
払わない場合どうなる?
将来年金をもらえなかったり、もらえたとしても年金額が減らされたりします。
未納が多くて保険料の納付期間が(免除期間も含めて)10年間を満たさなければ、老齢基礎年金は1円も入ってきません。
またもらえる額も納付するべき期間の対してどのくらいの期間きちんと納めたかによって変わってきます。納めるべき期間は480か月(40年)なので、例えばトータルで240か月(20年間)しか納めていなければ、満額(現状月64,941円)の半分しかもらえなくなります。
他にもデメリットはある?
そもそも国民年金には3つの役割があります。
老後、一定の年齢からもらえるのは老齢(基礎)年金と言い、私たちがよく「年金」と言う場合はこの老齢(基礎)年金のことですよね。
他にも事故や病気で障害を負ったりした場合に給付される障害(基礎)年金や、亡くなった場合に生計を維持していた家族がもらえる遺族(基礎)年金があります。
これらもある一定の未納期間があるともらえません。
特に障害(基礎)年金は、統合失調症など精神障害でも条件を満たせば受け取れるなど、民間の保険会社の保険よりも優れている面もあるので若い人でも、もしもの時は大いに役立つ保障になります。
仮に国民年金を全く払っていない未加入状態であればこのような保障は全く受けられなくなるので大きなデメリットと言えますね。
国民年金の保険料は?
今年度、つまり平成31年の3月末までは月16,340、次年度平成31年4月以降は16,410円と月70円ですが値上がりします。
年間で考えると20万円近い金額です。若い人や学生には結構大きい負担といえます。
親に余裕があれば、学生の間だけでも代わりに払ってあげるのも良いです。
その場合でも子どもにも国民年金のしくみや金額をきちんと理解させておくことは大切です。
他にも免除や納付猶予を利用する方法もあります。
学生の場合だと「学生納付特例制度」があり、手続きをすれば保険料を払えなくても受給資格期間に算入できます。
当然ですが手続きをしないと受けられませんので、受けられる方は速やかにに手続きしないとただの「未納状態」のままになり、先ほど言った障害年金等の受給が全く受けられないので注意が必要です。
私もさまざまなお金の相談を受ける中で、若い時からきちんと払っておけば障害(基礎)年金が受けられたのに…、と言う方に数人お会いしています。
月額は数万円ですが、それが全くもらえないのとずっともらえるのではものすごく大きな違いになります。
しつこいですが、きちんと払うか必ず各種手続きをしておいてください。
注意することはある?
特に学生納付特例と納付猶予は年金額への反映はゼロです。
年金額を増やすには、後日保険料を追納する必要があります。
追納の期限は10年となっていますので、追納を考えている方はこの期限も注意してください。
年金について、より詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。