ふるさと納税に関するご質問です。
毎年年末が近づくとふるさと納税をしなきゃと周りの人が言うのですが、実は私自身は制度のことがよくわからないのもあってやったことがないのです。みんながやらなきゃと言うくらいですので、そろそろやってみようかなと思っていますが、節税になったりとかお得な制度なのでしょうか?教えて下さい。
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年10月28日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
ふるさと納税は節税になる制度ではない
ふるさと納税による寄付金から2,000円を差し引いた金額が、所得税や住民税などから控除されるという制度です。
厳密には、お金の動きだけを見ると、何もしないよりも少なくとも2,000円はマイナスになります。
ただ、控除されるとはいえ、一旦先に寄付したお金について、翌年控除されるという仕組みですので、お金の面でお得になるわけではありません。
マイナスになってでもやるメリットがある
確かに、少なくとも2,000円はマイナスですとだけ聞いてぜひやりたいとはならないですよね。
裏を返せば、2,000円マイナスになってでもやりたい理由が他にあるからみなさんやられるということなのです。
ふるさと納税の制度の内容
ふるさと納税の制度は自分自身で選んだ自治体に寄付ができるというものです。
例えば、今は仕事の関係で地方へ来ているけど、生まれ育った自治体に何か役に立ちたいという思いを寄付という形で実現できるものです。
寄付によって、自治体ごとに返礼品として物がもらえたりします。
金額については、みなさんそれぞれ所得金額等によって算出される税額によってふるさと納税の適用となる上限が決まります。
その範囲内であれば、ふるさと納税制度の所得税や住民税の控除というものが受けられるのです。
ただ、控除とはいえ、寄付したお金に対して、所得税や住民税が控除されて少なくなるだけですので、お金の面では得をするわけではないのです。
お金の流れは
ふるさと納税を活用すると、最終的に出ていくお金は少なくても2,000円は多くなるというのは先ほどお話しした通りですが、お金を納める先と時期が変わるだけです。
住民税であれば、本来は現在居住している自治体に収めるのが自然の流れですが、ふるさと納税では、自由に自治体を選ぶことができます。
ただ、ふるさと納税は年内に寄付をする形になるため、その年中にお金が必要になります。
ふるさと納税ではネット経由でクレジットカードによる寄付も一般的ですので、カードの締め日等によっては、実際にお金が出ていくのは年明けになることもありますが・・・。
いずれにしても、本来税金を納める時期よりは前倒しで一旦お金の準備が必要になるということです。
寄付でもらえる返礼品にはどのような物がある?
その寄付先の自治体が選定したものになりますが、その地域の特産品や名産品などが数多くあります。
肉、魚、米、果物、菓子などなどいろいろな物があります。
また、これまでは商品券や旅行券、パソコンや家電など換金性の高いものも自治体によっては選定されていました。
ただ、各自治体の返礼品競争が過熱し、本来のふるさと納税の趣旨を逸脱した状況が見られるようになってきたため、制度の見直しが進められています。
見直しによる適用のルールとしては、返礼品の額は寄付金額の3割までの物であることであったり、その自治体の地場産の物以外はダメということであったりです。
このルールを逸脱した自治体へ寄付した場合は、ふるさと納税の適用にならなくなってしまうため、今後はその見極めも必要になってきます。
ふるさと納税はお得な制度
ふるさと納税はお金の面だけ見れば得をしないですが、そのまま何もせず所得税や住民税を払うくらいなら、2,000円の負担が増えるだけで物がもらえたりする方が良いと思うのは当然だと思います。
寄付する側としては2,000円で返礼品を買えたと思えば、総合的に見てかなりお得であることは間違いないです。
全体を見ればやって損はない制度ですので、ぜひ活用して頂く良いと思います。
ただ、物がもらえるからやろうという気持ちはやむを得ないですが、その自治体の役に立ってもらえればという気持ちも加えて頂くと、より一層清々しい寄付となるのではないでしょうか。
ふるさと納税について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。