クレジットカードのリボ払いについてのご質問です。
私が利用するクレジットカード会社から、よくリボ払いのお奨めがメールや郵便で届きます。
いつもは一括払いを選択していますので、リボ払いは利用したことがありません。
分割払いは利用したことがあります。
でもよく「リボ払いでポイント還元率がお得に!」のような案内も来ます。
ただ手数料もあるでしょうし、そもそも分割払いとリボ払いの違いもよく分かりません。
簡単に仕組みを教えてください。
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2020年8月17日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
分割払いとはどういう仕組みですか?
クレジットカードを利用すると一括・分割・リボのいずれかで支払選択できるようになっていますね。一括はその名前の通りですが、分割というのは利用金額を2・3・5回といった回数で分けて支払うことです。
その分割回数はカード会社の用意する回数のなかから選択することになります。
2回から始まり、あとは3と5の倍数で設定されていることが多く、例えば楽天カードだと、2・3・5・6・10・12・15・18・20・24・30・36回と細かく用意されています。
当然分割ということは手数料を負担することになりますが、回数が多くなるほど高くなります。
多くのカード会社では、2回分割は無料で、3回以上の分割から有料としてあることが多いです。
手数料はどこどこのカード会社だから特別低いといったことはあまりなく、軒並みほぼ同じ手数料が設定されています。
手数料はどのくらい?
たとえば楽天カードだと実質年率12.25~15%となっており、他のカード会社もだいたい横並びです。
分割回数が多くなるほど%も高くなります。
この実質年率をもとに、分割手数料という指数が用意されており、これに基づいて手数料を計算します。
カード利用額100円につき、分割回数3回なら2.04円、5回なら3.04円、10回なら6.80円と設定されています。
仮に10万円のカード利用を10回分割で支払うなら、100,000円÷100×分割手数料6.80=6,800円、これが手数料です。
この手数料と元本10万円の合計106,800円を10分割、つまり毎月10,680円を10回支払うことになります。
これが分割払いです。
リボ払いの仕組み
これは毎月の支払額を指定して返済していくというものです。
分割払いは指定した分割回数をもって支払い終える、リボ払いは指定した毎月の返済額をもって支払い終える、という違いです。
今月は余裕が無いから少なめの支払いから始めて、来月はボーナスが入ってくるから多めに、という設定ができます。
よっていまは一時的に余裕が無いけど後々余裕が出てくる人、にとっては良いかもしれません。
反対にそうではない人が利用してしまうと、カードの使いすぎでどんどん未払残高が膨らんでパンクするリスクがあります。
どんなにたくさん使っても、毎月の支払額は自分の指定した金額になるということはある意味恐いことですので、お金の管理が苦手な人には向かないです。
リボ払いの金利手数料はどのくらい?
年利15%(ひと月当たり1.25%)というところが多いです。分割払いとは少し計算は違い、元本の残高によって支払額が変わるようになっています。
仮に10万円のカード利用を、月々1万円ずつ支払うリボ払いを利用する場合、1ヶ月目の支払額は、10万円×1.25%=1,250円が手数料です。
これと10,000円を合わせた11,250円が初月の支払額となります。
では2ヶ月目はというと、元本は9万円に減っていますから、9万円×1.25%=1,125円の手数料と10,000円の合計11,125円となります。
毎月の元本返済10,000円は固定で、元本の減りに合わせて手数料の負担額が減っていきます。
分割かリボかどちらが良い?
1回のカード利用だけではさほど差がありませんが、毎月カード利用をするとなると、大きな差が出ます。
例えば毎月3万円のカード利用を3ヶ月連続して合計9万円使った場合、3回とも3分割払いをするAさんと、月1万円コースのリボ払いで払うBさんとで比較します。
まず初月の支払いは、Aさんは10,204円、Bさんは10,375円、差はわずかです。
では2か月目、Aさんには2回目のカード利用への支払い分が加わるので、単純に2倍の20,408円になります。
いっぽうでBさんは毎月10,000円コースですから、あくまでも元本返済は10,000円、そこに2回目のカード利用分の手数料のみ加わるので、10,625円が支払額になります。
3か月目、Aさんは3回目の利用分が加わるので30,612円、Bさんには手数料分しか加わらないので10,875円、月の支払額が約2万円も違います。
でも4ヶ月目になると、Aさんは最初の利用分は完済していますから20,408円に、5ヶ月目のAさんは10,204円、6ヶ月目からはゼロになります。
いっぽうでBさんは元本の減りが遅いので、10ヶ月目にようやく0になります。
それぞれの負担する手数料は、Aさんは1,836円、Bさんは4,500円と約2.5倍です。
よって毎月の支払額はリボのほうが少なくて一見楽に思えますが、トータルの金額負担は圧倒的にリボのほうが多くなります。
ここの毎月の支払額に甘んじてしまう方は、リボの利用は危険ですね。
それぞれにおすすめの使い方がある?
基本はどちらも利用しないに越したことはないのですが、どうしても必要なもので且つそこそこ高額な出費の場合は良いかもしれません。
夏の時期ならエアコンが壊れた場合、下手をすると命の危険がありますから、絶対に必要ですよね。
でも手元にお金がさほど無いような状況の時には、利用するのは良いと思います。
分割かリボのどちらかを利用するかは、その時のご自身の収入状況に合わせてで良いと思います。
ただし先ほども申し上げましたが、リボを複数回利用するのは、しっかりとご自身の家計を管理できる人じゃないと、危ないと思いますのでご注意ください。
お金をうまく管理する方法について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。