スマホの決済アプリの安全性についての質問です。
先日我が家の子ども2人(ともに大学生)の会話を聞いていたら、スマホの決済アプリなどを利用していろいろと買い物をしているようです。クレジットカードは持っておらず、自分の持っているお金の範囲で使っているようなので使いすぎの心配はありませんがが、紛失した場合に悪用されないかどうか心配です。
不正利用対策などをきちんと教えておきたいのですが、決済方法がたくさんあり、正直教えるほど理解していません。分かりやすく教えていただけないでしょうか?
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年4月1日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
決済サービスの種類
スマホで買い物ができるサービスは、各種電子マネーやQRコードを使う決済アプリなど多様化しています。
電子マネーは、交通系電子マネー(東海地方だとTOICAやmanaca)、交通系以外ではコンビニ各社のnanaco(セブンイレブン)やponta(ローソン)を初め、全国で見ると各企業がそれこそ山のように出しています。
QRコードを使う決済アプリは「オリガミ」や「PayPay」など比較的最近出てきたものがあります。
ポストペイ型の場合要注意!
電子マネーはプリペイド型と言って先払い、先にチャージして使うものが多いのですが、後払い形式のポストペイ型と言うものもあります。
例えば、NTTドコモが運営する「iD」という電子マネーがあります。
「iD」はNTTのdカードや三井住友VISAカード、オリコカード、セゾンカードなど多くのクレジットカードで利用することが出来ます。
そしてこの「iD」の限度額や利用可能枠はクレジットカードの利用限度額に準じます。例えば、クレジットカードの利用限度額が30万円なら、「iD」の利用可能枠も30万円となります。(「iD」単独の利用枠ではないので通算される)
ややこしいのですが「iD」で一度に支払いができる上限額は、利用する店舗(加盟店)によって異なります。お店ごとに3万円、5万円、10万円などと決められており、あまり高額な買い物には使えないようになっています。
ただ、例えば、3万円の買い物を5回行うことは出来ますので、拾ったり盗んだスマホやクレジットカードを悪用されれば、高額な被害にもなり得ます。
紛失した場合の対処方法は?
紛失したときに備えての対策ですけど、スマホに暗証番号や指紋認証でロックを掛けておくことは必須です。
そうですね。スマホ自体のロックだけで被害を受ける可能性はかなり減ります。
事前対策としてやっておきたいことはもうひとつ、紛失時の緊急連絡先を事前にメモしておくことです。
最近は緊急連絡先を調べるのも日頃のメモもそれこそスマホを使ってやることが多いですよね。そのスマホを失くした場合の対策なのでやはり手帳やメモなどに手書きで残しておくことは大切になります。
スマホを紛失した場合にするべきこと
電子マネーや決済アプリは回線が止まっていても利用できることが多いので、携帯電話回線を停止するだけではなく、電子マネーや決済アプリの運営会社への連絡が必要です。
合わせてアプリにクレジットカードを登録していればクレジットカード会社にも連絡しておくべきです。
クレジットカードを失くしたわけではないので忘れがちですが、カードを失くしたことと同じだと考えてください。
これらをスムーズに行なうためにも、最低でもどの会社の何の(決済)サービスを使っているかは覚えておくかメモを残しておいてください。
スマホの不正利用は補償対象外になるケースもある
クレジットカードを失くした場合だと、不正利用された場合にクレジットカード会社の補償を受けられることもあります。
そうですね。紛失に際し個人に重大な過失がないということが条件ですが、紛失・盗難の届け出を出した日の60日前以降の不正利用を補償する会社が多いようです。
ただスマホ決済アプリなどを経由した不正利用は、補償対象外となることもあるようですので、やはり軽く見ない方が良いですね。
他に注意点は?
紛失・盗難時だけでなく、不正利用の手口は巧妙化してきています。
不正利用していることを気付かれないように、発見されにくい小口決済を繰り返す、というやり方も増えているようです。
利用明細はインターネット経由などでも確認できるので、できるだけ細かい頻度でのチェックをおススメします。
リボ払い(リボルビング払い)をしている方は、より注意が必要です。支払額が毎月一定なので支払額のチェックだけでは不正に気が付きにくいためです。
スマホ決済はしっかり管理することが大切!
ただ今日お話ししたような対策をきっちりしておけば、残高返金や補償などで現金紛失よりも被害を減らせる例も多くあります。
利用を敬遠するよりは、適切な対策をしっかり認識しておくことが不正利用から身を守る最大の防御となります。
質問者の方も子どもさん達に教えていただき、ご家族みなさんで対策しておくことをおススメします。
お金の運用や悩みごとがございましたら、小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。