リースバックとは?使うメリットとデメリット、注意点をFPが解説!

リースバックとは?使うメリットとデメリット、注意点をFPが解説! マネー情報

50代夫婦の方からのご質問です。

夫婦で長年商売をしておりますが、このコロナの状況のもと、経営がかなり厳しくなっています。貯蓄も目減りしてしまい、財産としては店舗と兼用している自宅くらいしかありません。生活や商売の資金を捻出するために、この店舗兼自宅を売却しようかとも思いましたが、売却してしまうと、商売を続けるためには、自宅も店舗も賃貸で借りなければいけませんので、おそらくコストが増えて、商売も更に厳しくなると思われます。
そんな中で、売却した自宅などに賃貸として住み続ける『リースバック』という方法があると聞きました。少し調べてみましたが、ローンの残ってない私達には、向いている方法だと思います。ただ、仕組みや条件が複雑なので、注意点なども含めて教えていただけると助かります

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2020年7月6日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

「リースバック」とは?

小宇佐
小宇佐

リースバックとは、自宅などの不動産を第三者に売却し、その後買主(オーナー)に対してリース料(家賃)を支払うことで、引き続きその不動産を利用する方法です。

この方法を使うことで、住宅ローンや借入金の返済ができなくなってしまった場合や、一時的に資金が必要になったときに、自宅を売却後も引っ越しせずにそのまま住み続けることが可能となります。

売却代金は一括で支払われ、また資金用途も特に制限は無いため、住宅ローンの返済に限らず、まとまった資金が必要なときに利用できます。

また、将来的に資金に余裕ができれば自宅を買い戻すことも可能です。

具体的な利用方法は?

小宇佐
小宇佐

本格的に活用され始めてから、まだ年数が浅いため、今後もいろいろな活用方法が出てくると思われます。

住宅ローンの返済が厳しくなったが、いろいろと都合があり自宅に住み続けたい方や、事業資金の用立てや借入金の返済でまとまったお金が必要になった方、老後資金対策や、相続対策として活用される方などもいらっしゃるようです。

売った家にそのまま住み続けるメリットは?

小宇佐
小宇佐

まず、引越しが不要で、家を売る前と変わらない生活を送ることが出来ます。

学生の子供さんがいらっしゃれば学区が変わらず転校も必要ありませんし、家を売ったことを周りに知られることもありません

家を手放すのはしょうがないけど、子供が卒業するまであと2年間は住みたい、というような方もいらっしゃるようです。

資金面のメリットは、自宅の買主がオーナーとなるので、売買契約と賃貸契約がほぼ同時に行われ、諸条件も同時に決まるので、手続きや代金の受け取りも早くなりますし、売却後の住生活の不安もと少なくて済みます。

自宅は当然自分の所有物ではなくなりますが、その面でも固定資産税の負担が無くなったり、将来の修繕費用の心配もしなくて良くなります。

買主の立場で考えても、物件購入後にすぐに借主が付くのは大きなメリットと言えます。

利用条件はある?

小宇佐
小宇佐

どんな状況でも利用できるわけではありません。

さすがに、いいことづくめという訳では無いですね。

まず、オーバーローン状態、つまり、売却価格が、住宅ローンの残額よりも多くないとリースバックの利用は難しくなります。

例えば、住宅ローンが2500万円残っている状態で売却価格が1500万円だった場合、抵当権の解除が出来ないため、そもそもリースバックを利用することが出来ません。

また、他のデメリットとしては以下のものがあります。

  1. 売却できた場合でも、売却価格が周辺相場よりも安くなる場合が多い
  2. 毎月のリース料(家賃)が周辺の家賃相場よりも高くなる場合もある(年間リース料の目安は、売却価格の8〜10%)
  3. 買い戻しは可能だが、その費用は売却価格よりも高くなる場合が多い

今回の質問者の方は、ローンが無いため、有効に利用できる

小宇佐
小宇佐

住宅ローンの残高がゼロということであれば、売却額がほぼそのまま入ってくるので、効果は大きいと思います。

ただ、このリースバックを利用する際は、将来の見通しを立てておくことが重要になってきます。

この質問者の方の場合だと、例えば、商売が軌道に乗り直したら買い戻すことを考えておくのか、もしくは仕事を辞めるときには他の場所に引っ越すつもりなのか、など、予定通りに行かないかもしれませんが、見通しを立てることは重要で、「困っているから飛びついて売却」ということは、避けるべきです。

リースバックを利用したあと、そこに長い期間、例えば10年、20年と住み続けるのは、家賃相場などをを考えても得策とは言えません。

実際に利用している方を見ても、数年間住むか、買い戻すという方がほとんどのようです。

リースバックと似た「リバースモーゲージ」とは?

小宇佐
小宇佐

リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関などからお金を借り、借りたお金は死亡時に自宅を売却することで一括返済する方法です。

リバースモーゲージは、老後資金を補う要素が強いため、利用できる条件も違ってきます。

年齢が例えば65歳以上でないと利用できなかったり、資金の用途も投資や事業資金には使えなかったり、対象物件も、基本は戸建ての自宅のみだったりなど、今回の質問者の方はまず利用できないですね。

リースバックの相続対策としての使い方とは?

小宇佐
小宇佐

リースバックを利用すると、自宅などの所有権が自分ではなくなります。

将来自分の家を子供達が誰も引き継がないケースって最近多くなっています。リースバックを利用して自分の所有権から外し、住み続けることで、使わない自宅を誰が引き継ぐのかという問題をなくしたり、相続税納税の面でもトラブルになりやすい相続財産としての不動産の割合を減らすことが出来ます。

自分たちだけで判断するのは難しい。

利用する目的を明確にすることと、契約の条件をきちんと取り決めできれば、大きなトラブルや損失にはならないはずです。

買主や不動産業者だけでなく、お金の専門家を交えて話をすることをオススメします。失敗しないリースバックのやり方についてはぜひ小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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