2022年4月から不妊治療で保険適用が可能?影響をFPが解説

不妊治療で 保険適用 マネー情報

不妊治療の保険適用についてのご質問です。

 

今年の4月から、不妊治療が保険適用になるという話題を耳にしました。
自分の年齢的に興味のある話題なのですが、去年も不妊治療に関するニュースを見た気がします。
制度が色々と変わっているのですか?
費用負担はどのくらいになるのでしょうか?
教えてください。

針田
針田

私、針田がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2022年2月7日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

法改正の経緯

これは2020年5月に閣議決定がされた少子化社会対策大綱によるもの、前政権(菅内閣)の功績ですね。

不妊治療の経済的な負担を軽減するために、不妊治療の中でも高額と言われる特定不妊治療(体外受精と顕微授精)を主として、効果が明らかな治療については保険診療つまり3割負担にしていきましょう、ということになりました。

まず2020年は実態調査、翌2021年3月に調査報告、2021年6月にガイドライン作成、その後は中央社会保険医療協議会等の複数部会で審議、そして2022年4月から保険適用開始という流れです。

針田
針田

と同時に、あまり周知されていない気もするのですが、2021年1月からは助成金の拡大が既に始まっています。

既に改定が始まっている?

2022年4月の保険適用開始に向けて、その前段階として、特定不妊治療に対する助成金について、「所得制限の撤廃」「補助金の増額」「利用回数を増やす」の3つが2021年1月から始まっています。

針田
針田

閣議決定の翌年1月から始まったので、これは政府の素早い対応だったと思うのですが、もともとあった不妊治療の助成金を、より多くの方が受けられるように、そして内容も手厚くしたんですね。

具体的にはどんな内容ですか?

「所得制限の撤廃」は、不妊治療の助成金を受けるには、夫婦の合算所得が730万円未満という所得制限があったのを撤廃しました。

それまでは例えばご主人一人の年収が945万円以上だとこの所得制限に該当していたでしょうし、共働きだともっと該当しやすかったんじゃないかと思われますが、これが撤廃されました。

「補助金の増額」については、もともとの補助金は初回30万円で2回目以降15万円だったのを、一律で一回30万円に増額です。

「利用回数を増やす」については、補助金の利用できる回数に制限があり、もともとは一生涯で6回(治療開始時点の年齢が40歳〜43歳は3回、43歳以上は対象外)だったのを、子供一人につき6回(40〜43歳は変わらず3回、43歳以上も変わらず対象外)と変更しました。

針田
針田

年齢による区分を設けていることについて違和感を感じる方は多いと思いますが、先ずは40歳未満の方にとっては利用できる回数が増えたことは良いことですね。

今後保険適用に変わる?

そうですね、特定不妊治療を始めとして、治療効果の高いものが保険適用になる予定です。

特に費用負担の重い治療については、保険適用になるメリットが大きいと思います。

例えば体外受精ですが、厚生労働省が公表している調査結果(2020年10〜12月実施474医療機関からの回答)によると、1回で40〜50万円程の費用がかかる医療機関がもっとも多く、90〜100万円というところもあったそうです。

今までは30万円の助成金でしたので、仮に体外受精に50万円かかるなら、30万円を引いた20万円が1回あたりの自己負担額でした。

これが保険適用になると3割負担ですから、1回あたり15万円程になります。

さらに保険適用ということでしたら、高額療養費の対象(一ヶ月の保険診療の自己負担額は約8万円)になると思われますので、自己負担はもう少し減ることも期待できます。

保険診療になれば助成金の対象からは外れることが考えられますが、基本的にはこれまでよりも自己負担は減るはずです。

針田
針田

治療に取り組む全ての方々に優しい制度になるようになってほしいですね。

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