連れ子との養子縁組について、ご質問です。
2年前に結婚した相手の女性は再婚で、いわゆる連れ子が一人います。
もうすぐ夫婦の間に子どもが生まれる予定ですが、どちらの子どもも平等に育てたいと思っています。
よく『連れ子との養子縁組』の話を聞きますが、養子縁組することで何が違ってくるのでしょうか?養子縁組をしないことで不平等が生じるのであれば養子縁組をしようと思いますので教えていただけると助かります。
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年10月11日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
養子縁組はしたほうがよい?
メリットやデメリットと言うのは状況や立場で違ってくるので、ここでは客観的な「違い」をお話していきます。
相談者の方のように女性側に連れ子さんがいるケースとして考えていきます。
養子縁組をしなかった場合
まず養子縁組をしなかった場合。
この質問のケースで女性側が男性の戸籍に入る場合、連れ子さんは元の戸籍に残ったままの状態となります。
つまり女性は男性と同じ姓となりますが、連れ子さんは元の姓のままということになります。
それでは日常生活等で困ると言うことで、連れ子さんの姓を再婚相手の男性と同じにしたい場合は、裁判所で申請し(子の氏の変更)許可が降りれば入籍でき同じ姓を名乗れます。
ただし法律上の親子関係が生まれる訳ではないため、戸籍上に親子関係の表記はされません。
男性側が女性の戸籍に入る場合は連れ子さんも含めた全員が女性側の姓を名乗ることになります。この場合でも、やはり養子縁組をしないと男性と連れ子さんに親子関係は無いことになります。
養子縁組をした場合
一方、養子縁組をした場合はどちらの籍に入るとしても当然親子関係が生じます。
この場合、連れ子さんが男子の場合は「養子」、女子の場合は「養女」と戸籍の子供の欄に表記されます。
親子関係が生じると具体的に何が変わるんですか?
通常の親子関係と同じなので互いに扶養義務ができますし、互いの相続権も発生します。
この「互いに」と言うのがポイントで、子どもが未成年の内は親(養親)が子どもの世話をするのは当たり前ですが、親が歳を取って自活できなくなった場合などは、子どもが親の面倒を見なくてはいけません。
(現実がどうかと言うのもありますが、民法ではそのように定められています)
相続権も同じで養子が親(養親)の法定相続人となりますが、親も養子の相続権を持つことになります。
(ただし親がこの財産を引き継ぐのは、子どもに更に子ども(孫)がいない場合となります)
相続権で注意することは、通常の養子縁組をした場合の養子の立場では、養子縁組をした親の相続権も実親の相続権も両方とも持っていると言うことです。
相続で受け継ぐのはプラスの財産ばかりとは限らないので知識としては持っておく必要がありますね。
実の親の扶養義務や相続権を無くす方法ってある?
「特別養子縁組」という方法があります。
特別養子縁組の一番の特徴は、実親との法的関係が断絶すると言うことです。
互いの扶養義務も互いの相続権も無くなります。
ちなみに特別養子縁組の場合、戸籍上は「長男」「長女」というように実の親子と同じ表記になります。
養子縁組で気を付けること
子連れ再婚して養子縁組した後に離婚する場合ですね。
離婚したからといって自動的に養子縁組が解消される訳ではないので、そのままにしておくと養育義務も相続権も残ります。
状況により養子縁組を残したままにするか、離縁手続きをするかを判断する必要があります。
また相続絡みでは、遺言書で養子縁組を解消することはできません。
養子縁組することや養子縁組を解消する手続きは「生前行為」と言って生きてる内にしか行なえませんので、状況を変えなければいけないときには早めに手続きするべきですね。
相続や養子縁組についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。