幼稚園と保育園についてのご質問です。
今年、我が家に第一子が生まれました。
妻は1年間の育児休暇を取った後に、子供を保育園に入れてすぐに職場復職したいといっています。
私自身は子供の頃は幼稚園に通っていたのですが、幼稚園では駄目なのでしょうか?
待機児童問題もあると聞きますが、希望通り入園できるかも心配です。
どちらが良いのでしょうか?違いについて教えてください。
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年9月25日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
幼稚園と保育園の違いは?
これは既に子育てをした方ならご存知でしょうが、これから子育てが始める親御さんの中には、ご存じない方も多いです。
幼稚園と保育園の違いは沢山あるのですが、まず大きな違いは入園できる子供の対象年齢です。
幼稚園は、満3歳から入園し小学校に通うまでの3年間、年少・年中・年長さんとして通います。
対して保育園は、園による違いはあるものの、早ければ0歳から入園できますので、最長6年間通わせられます。
つまり今回のご相談者のように、産後1年間の育児休暇を取得して、すぐに復職を希望するのであれば、0歳もしくは1歳の子供を預ける先を探さないといけません。
自分の両親、つまりお爺ちゃんお婆ちゃんが面倒を見ていてくれるならそこに預ければよいのでしょうが、実家が遠かったり、そもそも両親もまだ仕事をしていると、それは叶いません。
また最近は、孫の保育疲れなんていう言葉もよく聞きます。
やっと老後の落ち着いた生活を送ろうと思ったところに孫の面倒を見ることになり、最初は楽しかったけどだんだんしんどくなり、金銭的な負担も増え、疲れてしまうというケースです。
このような場合は保育園を利用することで、早ければ0歳児から子供を預けることができ、職場復帰も出来ますよ、ということですね。
他にも違いはあるのですか?
幼稚園と保育園のもう一つ大きな違いは、子供を預けられる時間です。
一般的に幼稚園に預けられる時間は、朝9時~14時くらいまでです。
対して保育園は、朝7時30分~18時くらいまでというところが多いです。
この預けられる時間の差も大きいですよね。
例えば公務員の方や大企業にお勤めの方なら、育児休暇は1年ではなく3年取得できるという方もいらっしゃいます。
やはり中小に比べて福利厚生が手厚いですから、産後すぐに復職しなくても大丈夫ですよ、という環境にはなっています。
ただ、仮に最大限利用して子供が3歳になってから復職しようと思っても、幼稚園に入れて14時~15時くらいに帰ってこられるもしくはお迎えに行かないといけないなら、やはり復職は難しい場合もあります。
保育園なら夕方まで預けられますから、時短勤務等に働き方を変更すれば大丈夫ですよね。
園にいる間にやることも違う?
はい、そもそも幼稚園というのは「教育施設」であり、これに対して保育園は乳幼児を保護者に代わって預かる「児童福祉施設」なんです。
なので監督官庁も違い、幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省なんですね。
働くスタッフが持つ免許も違い、幼稚園は教諭免許、保育園は保育士です。
幼稚園では園にもよりますが、小学校のような授業があるところもあります。
それぞれ独自の運営方針がありますから、ご自身に合ったところを見つけたいですね。
費用面の違いは?
幼稚園には公立と私立があり、公立は運営の母体が市区町村ですから私立に比べて費用は圧倒的に安く、月々1万円前後です。
対して私立の幼稚園は、園にもよりますが、月々3万円前後と公立の3倍です。
費用面だけを見ると公立に通わせたい気持ちになりますが、そもそも公立幼稚園自体が無い自治体もありますので、お住まいの地域にはどんな選択肢があるかを知っておかなくてはいけません。
いっぽうで保育園ですが、認可と無認可の保育園がありますが、認可保育園の場合は公立と私立があり、公立の場合は認可私立や無認可よりは安く設定されています。
ただ、それぞれの自治体が独自に設定している為、地域ごとでかなり大きな差があります。
また保育料は、世帯の収入(前年度の所得税額)と、子どもの年齢によって決められており、収入などによって無料~高い人は毎月7万円以上と段階的に設定されています。
私のイメージでは、夫婦ともに正社員で働いていると、0歳~1歳児の保育料は月々5万円前後、その後3万円前後という方が多いように思います。
詳しい保育料については、お住まいの自治体にて確認できます。
希望通り入園できるかですね?
そうですね、保育園については待機児童という問題がずっとあります。
保育園の入園の可否については、保育点というポイント制で決められており、いかにそのポイントが高いかで入園が決まります。
保育園の必要性が高いと思われるケースに対してポイントが加算されていきます。
このポイントを高くするような努力をすることを、「保活」といいますが、詳細につきましては、また別の回でご紹介させて頂こうと思います。
いっぽうで幼稚園についても、人気の園は受験のために長蛇の列に並ばないといけませんし、希望通りの園に通わせられないこともあります。
ただそれでも別の園なら基本的に受け入れ先はあります。
まずはご自身がお住まいの自治体について、どんな預け先があり、どういうスケジュールで募集があるかを確認して頂くことから始めると良いと思います。
子どもの養育費など、子どもに関わるお金について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。