老後マネーはいくら必要?必要な準備や注意点をFPが解説

老後マネー いくら必要? マネー情報

老後マネーについてのご質問です。

以前、年金だけでは老後資金が不足するので2000万円は準備しなければならないというようなニュースを耳にした記憶があります。私自身ももうすぐあと数年で定年退職して老後を迎えることになり、退職金も多少期待できますが、正直どうして良いかわかりません。差し当たり、こういうことには注意した方が良いというようなことがあれば教えて下さい。

伊藤
伊藤

私、伊藤がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年7月12日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

2000万円問題というものですよね?

これは金融庁の金融審議会の市場ワーキング・グループが公表した報告書によるもので、老後30年間で約2000万円不足するというものです。

伊藤
伊藤

ただ、これはあるモデルケースを想定して算出されたものであるため、全ての人が一律当てはまるというわけではありません。

どのようなモデルケース?

夫が65歳、妻が60歳でともに無職であり、30年後まで夫婦ともに健在であり、毎月の家計の収支が5.5万円の赤字という前提です。

ちなみに、5.5万円の赤字というのは2017年の総務省の家計調査における高齢夫婦無職世帯の家計収支の結果から毎月の不足額が約5.5万円であったところから使用されています。

働くと状況が変わる

前提が無職で家計の収支が毎月5.5万円の赤字ということですので、この前提から少しでも離れてこれば違った見解になりますね。

ただ、2000万円という金額は1つの目安として覚えておいて損はないと思います。

伊藤
伊藤

ここからご自身の状況に合わせて修正を加えて考えるとイメージしやすくなると思います。

2000万円はどうやって貯めると良い?

これで正解というものはありませんが、考え方として取り入れておくと良いことはあります。

伊藤
伊藤

それは「収入-貯蓄=支出」という考え方です。

老後までの年数や現在の貯蓄額などによって採用する方法は変わってくると思いますが、入ってきたお金から自分で決めた金額を貯蓄に回し、残りのお金で生活をするというイメージです。

貯蓄がなかなかできないという人の特徴は、入ってきたお金を使い、残ったお金があればそれが貯蓄になっているというパターンです。

これだと、貯蓄できる月もあればマイナスになる月も出てきます。

結果として安定的な貯蓄はできず、成り行き任せの資産形成となるため、いついくら貯まるかが全く読めないということになります。

貯蓄できる人は先に貯蓄分を確保する

伊藤
伊藤

お金を使う前に貯蓄に回すお金を確保してしまえば、最低でもいくら貯蓄できるか、いつの時点でいくらくらい貯蓄できているかがある程度が見えるようになります。

当然、資産形成をする手段によっては、その結果は変わってはきますが、最低限のラインは見えてくると思います。

資産形成でやってはいけないことは?

年数をかけてコツコツと形成していくケースと退職金などのまとまった資金が入るということも考えられます。

伊藤
伊藤

今回は相談者さんのケースに当てはめて、退職金などのまとまった資金で考えてみたいと思います。

退職金はだいたい銀行口座で受け取りますよね?

実は、銀行口座に退職金が入ると、当然のように銀行から資産運用の勧誘を受けることになると思います。

その中でよくあるのが、「退職金特別プラン」といったような、退職金だけ特別にできるということをうたい文句に、一見好条件に見えるものです。

具体的にはどのようなものですか?

例えば、「預金金利7%」といったようなものです。

ただ、このような商品は預入期間3ヶ月限定のものであったり、投資信託の購入とセットで申込を条件とするといったようなものがあります。

単純に金利適用期間が短いだけの話なら損することもないですが、手数料や信託報酬等の費用がかかる投資信託の購入とセットで適用というものであれば、預金で付く金利よりも投資信託の手数料等の方が高く、トータルでは損をするといった現象も起こり得ます。

伊藤
伊藤

美味しい話には必ず裏があると思った方が良いです。

気を付けた方が良い他のパターンもありますか?

伊藤
伊藤

他によくあるのが相続対策になるといって保険の加入を勧められることです。

ある程度の財産があると亡くなった際に相続税がかかるという話を聞いたことがあると思います。

それで、保険と相続税が何の関係があるのかと思う人もいると思いますが、実は亡くなった際に相続人が保険金で受け取ると一定額までは非課税扱いになるルールがあります。

仮に、配偶者とお子さん2人の合計3人の相続人がいる場合、現在の制度だと1500万円までの保険金については非課税という扱いになります。

基礎控除保険のメリットがないケースもある

相続税の計算上ではそもそも基礎控除というものがあり、今回のケースですと合計で4800万円までの課税財産であれば非課税となります。

このような状態であるにも関わらず、銀行員や保険の営業の人から相続税の対策になるので保険に入りましょうという勧誘を受けることも珍しくありません。

確かに、保険金で受け取れるようにしておけば他の財産に比べてスムースに受け取れるという特徴はありますが、そもそも相続税がかからないような財産規模であれば相続税対策として加入する意味はありません。

伊藤
伊藤

ご自身の実態を把握されないままただ商品を勧められた場合には、それが本当に必要かをしっかり吟味する必要がありますね。

自分の身は自分で守る

特に今回の退職金のような大きなお金については、金融商品を販売したい側にとって大きなビジネスチャンスです。

裏を返せば、販売側の利益が大きくなるような商品を知らず知らずのうちに買わされてしまうということも十分に考えられます。

伊藤
伊藤

もし何か提案されたとしても、即断即決は避け、しっかり見極める時間も確保して頂きたいですね。

資産運用についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。

小宇佐・針田FP事務所への問い合わせはこちら

タイトルとURLをコピーしました