親の預金口座が凍結されたらどうする?対処法をFPが解説

親の預金口座凍結 マネー情報

親の介護をしている方からのご質問です。

母親が高齢で毎日のように面倒を見ています。その中で、生活費を下ろすために銀行に行くこともあるのですが、先日、いつものように預金を下ろしに窓口へ行ったら、銀行側から口座を凍結しますと言われました。理由は母親とのやり取りを通して意思疎通がうまくできず、認知症かもしれないからということでした。亡くなった時は凍結されるのは知っていましたが、認知症でも凍結になるというのは初めて知りびっくりしました。今後どうすれば良いかも含め教えて頂きたいです。

伊藤
伊藤

私、伊藤がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2020年5月11日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

認知症でも口座凍結される可能性はある

伊藤
伊藤

口座凍結ということは、全ての取引が停止されてしまうということですが、一般的には亡くなった時に凍結されるのが知られています。

それ以外にも借金などの債務整理によるもの、架空口座など犯罪に使われている場合などもあります。

これらは凍結の趣旨は違うものの、権利者の利益を守るためにされるということは共通です。

例えば、先ほどの亡くなった時であれば相続協議中に不正が起こらないようにして各相続人の権利を守るためであったり、債務整理の場合は債権者側の権利を守るというように考えられます。

認知症の場合も口座を凍結されますが、これは認知症の人の預金を守るためという位置付けになりますね。

横領や犯罪などの不正利用に巻き込まれて財産を失わないようにするためということですね。

家族が一緒に付いていてもダメ?

伊藤
伊藤

基本的には、認知症かどうかに関わらず、金融機関はたとえ口座名義人の家族であっても本人以外の依頼で出金などの取引に応じてくれません。

金融機関によっては、口座名義人本人の意思に基づいてという前提が取れれば、配偶者など一定の範囲内の人であれば本人確認等を厳格にして対応する場合もあります。

ただ、認知症ということであれば、本人の意思というものがそもそも不確かであり、それが分かった以上は家族が一緒でも受け付けてくないでしょう。

認知症になる前にできる対策はある?

伊藤
伊藤

主に、家族信託、任意後見制度などが考えられます。

家族信託は親が委託者、信頼できる家族が受託者となって、親が自分の財産管理ができなくなった時に備えて、家族に財産の管理や処分をできる権限を与えておく方法です。

任意後見制度は自分の判断能力が衰えてきた時に備えて、あらかじめ誰に支援をしてもらうのか、またその人に何を支援してもらうのかを決めておくことができるものです。

対策をせず認知症になった場合は?

伊藤
伊藤

成年後見人制度の利用です。

これは、判断能力の不十分な人を保護し支援する制度です。

認知症のほか、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な人が、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割協議をしたりする必要があっても自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。

また、自分に不利益な契約であっても、よく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法などの被害に遭う恐れもあります。

こういったことから守るために利用する制度です。

今回の相談者さんのお母様が認知症ということですと、この制度の利用を考える必要がありそうですね。

事前の対策をしておくのが良さそうですね?

伊藤
伊藤

特に高齢になってくると医療費や施設費用などが高額になり、預金が下ろせないと親だけでなく子供の生活にも大きな影響があります。

認知症になってからではできることに限りがありますので、元気なうちに対策をしておくことはとても重要です。
なお、先ほどの家族信託など事前準備で活用できるものはうまく活用して頂くと良いですが、将来、相続が発生した際の遺産分割についてのトラブルも多いと言われています。

後のトラブルがないように、親のお金の使い道は家族間で定期的に情報共有しておくことも重要になります。

介護している両親の財産の相続について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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