お歳暮についてのご質問です。
年末が近づいてきましたが、大掃除や年賀状の準備など、この時期はやることが多いです。
中でも我が家は、今年からお歳暮を送り始めようと、いま夫婦で相談中です。
でもこれをはじめたらお中元も送らないといけなくなるのですか?
時期も地域によって違うみたいですし。
そもそも由来すらよく分からないこの贈りもの文化について、教えてほしいです。
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年11月17日放送されたテーマを記事にしております。
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お歳暮の由来とは?
お歳暮という言葉の歳暮(せいぼ、さいぼ)というのは、年の暮れのことを意味する言葉です。
日本では、この年の暮れにお世話になった人に対し、感謝の意味をこめて贈り物を持参してまわるという風習があり、これを歳暮周りと呼んでいました。
いつの日からか、この贈り物自体をお歳暮という呼び方をするようになり、現在に至るというわけです。
もっと掘り下げると、この歳暮周りという風習が始まったのは、正月に先祖の霊を迎えるお供え物を、本家に届けるという習慣が元とも言われます。
また、昔の商売の決済方法が元だという説もあります。
昔の商売は、掛け売りという決済方法だったので、お盆と年末に半年分の請求書がまとめて来てそれを支払う、いわゆる「盆暮れの支払い」というが一般的でした。
この支払いの際に、支払先への日頃のお礼と、新年もよろしくお願いしますという意味をこめて贈り物を持参しする、これが由来とも言われています。
お中元も同じですか?
お中元という言葉の中元というのは、旧暦7月15日のことを指します。
道教という宗教では、この日は一日中火を焚いて、今まで犯した罪を償うという習慣がありました。
そして同じ日に、仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)という先祖を敬う習慣もありました。
いわゆるお盆の正式名称で、こちらも迎え火や送り火、盆踊りなどのさまざまな儀式がありました。
そのうちの一つに盆礼という親や親戚、ご近所に霊前に供える物をやりとりする習慣がありました。
これらが混ざり、この時期には祖先の霊を供養しそのお礼としての贈り物、つまりいまの文化の起源になりました。
古い文化のことですから諸説あると思いますが、こちらもやはり相手への感謝の気持ちを贈り物へ変えることが由来ですね。
時期はいつ頃に送るのが良い?
東日本と西日本とで、新暦を基準とするか旧暦を基準とするかの違いがあります。
新暦いわゆる太陽暦、地球が太陽の周りを一周するのに365日かかると計算し、若干のずれを調整するために4年に1度366日になる年、いわゆるうるう年というもの作り調整しています。
いまの世界基準はこちらで、東日本ではこちらが採用されており、お中元は7月上旬~15日まで、お歳暮は11月下旬~12月20日頃までとなります。
いっぽう西日本が採用する旧暦、太陽太陰暦というものは、立春に近い新月の日を1年のはじまりの日とします。
その後も毎月、新月になる日からその月が始まると考えるため、新月から新月へは平均29.5日のため、1年は354日でした。
太陽暦とは年間で11日ほどズレが出るので、一月分のズレが生じた時点でうるう年ならぬうるう月というものを設けて、ズレを調整してきました。
これが明治5年まで日本の国暦に採用されていましたし、その後も行事ごとについては旧暦のままという地域もあります。
西日本はこちらの旧暦を採用しており、お中元が7月中旬~8月15日まで、お歳暮は12月13~20日前後となり、東日本と半月ほどずれているんですね。
中間地点である東海地方はややこやしく、暦については新旧入り乱れています。
例えば我が家は夫婦の実家が同じ岐阜県にも関わらず、行事ごとで暦が違いますから、例えばお盆も七夕も一ヶ月ズレます。
送り先の地域の習慣に合わせて送るのがマナーとは言われますが、こうもバラバラだと、あまり気にしなくて良いのではと思ってしまいます。
お歳暮の金額はどのくらいのものが適当?
お歳暮を贈るならお中元も、確かにそれが望ましいのかもしれませんが、絶対ではないです。
どちらかというと年末のお歳暮が重視されますので、金銭的な負担が多い場合はお歳暮を優先すれば良いと思います。
金額については、決まりはありません。
例えば5,000円を目処に、お世話になった度合いにより、5,000円以上にするかそれ未満にするか決めたらよいのではないでしょうか。
5,000円くらいの予算だと、選択もかなり広がります。
いっぽうお返しについてですが、お歳暮やお中元はお祝いではないので、不要です。
お礼状もしくは電話にて、感謝の気持ちを伝えれば良いです。
とはいえ、もらいっぱなしが気まずいのであれば、もらった品の同等程度(超えてはいけません)を送り返せばよいです。
その場合ののし書きは、お歳暮でもお礼でもどちらでも良いです。
お礼の気持ちを伝えるこの風習には、厳格なルールはありませんので、それほど過敏に考えなくても大丈夫ですよ。
お金の問題について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。