負担が増える?妊婦加算とは何か、妊婦がかかる費用をFPが解説

妊婦加算とは マネー情報

妊婦にかかる費用と、妊婦加算についてのご質問です。

昨年結婚した我が家は、そろそろ子どもをと考えています。
でもまだ経済的にそれほどゆとりがあるとはいえません。
そんな中で妊娠をすると、病院での検査費用とか負担があるのではと不安です。
妊婦に対する助成制度などもあるとは思うのですが、よくわかりません。
また、少し前に妊婦の医療費が増額されたというのを耳にしました。
それぞれ教えてください。

針田
針田

私、針田がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年12月3日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

妊婦さんの検査の頻度は?

針田
針田

妊娠がわかると、産婦人科や助産院で定期的に妊婦検診を受けることになります。

検査の頻度はあくまでも目安ではありますが、まず妊娠初期~23週までは月に1回(合計4回)検査を受けます。

24週~35週までは2週間に1回(合計6回)、36週~出産までは1週間に1回(合計4回)行きます。

これで合計14回ということになりますが、これは厚生労働省が妊婦検診の指針として出している目安です。

検査の内容は妊娠の周期により異なりますが、「内診・血液・超音波・子宮頸がん・クラミジア・GBS検査」などがあります。

毎回の費用負担はどうなる?

針田
針田

正常な妊娠は病気ではありませんから、健康保険は使えません。

よって妊婦検診は原則実費負担ですが、お住まいの自治体から補助金が出ますので、それにより自己負担はかなり少なくなります。

多くの自治体ではチケット制になっており、役場でもらう母子手帳にそのチケットが付いています。

それを会計時に窓口に提出することで、毎回の費用負担は数百円から数千円で済みます。

妊娠中期からは、エコーなどで胎児の画像を見ることができますが、そのあたりから毎回の費用負担が5千円前後になるかと思います。

血液検査などを行う場合は、もう少し高くなります。
いっぽうで任意で行う検査としてあるのが、胎児に染色体異常がないかを調べる検査があります。

有名なのが羊水検査ですが、妊婦の血液だけで検査をするという母体への負担が少ない検査方法もあります。

でもこれは全額実費負担になります。

針田
針田

我が家は羊水ではなく血液のほうの検査を受けましたが、20万円くらい実費負担がありました。

この胎児への検査をするかしないかは人それぞれですが、通常の妊婦健診だけでも数万円〜10万円程の負担はすることになると思います。

そんななかで、今回のご質問にもあったとおり、妊婦への医療費が今年から増額されたんです。

妊婦加算の内容は?

針田
針田

今年の4月に行われた診療報酬改定の際に、妊婦に対する医療費負担を増額する見直しが行われました。

これは先ほどの妊婦検診のことではなく、妊婦が病気やけがなどで病院で診察を受ける際に、初めての診察時に支払う「初診料」と、その後の診察で支払う「再診料」もしくは「外来診療」が増額されたのです。

金額はというと、まず初診料はもともと一律2,820円と定められているのですが、ここに750円が加算されます。

これは健康保険対象ですから、このうちの3割負担でよいので、約230円の負担増になります。

再診料については約110円の負担増です。

保険適用の分、負担金額だけ見ればわずかかもしれませんが、でもこれを妊婦自身が負担しないといけないというのに、賛否両論が出ています。

なぜ妊婦加算の制度ができたの?

厚労省曰く、妊娠中は胎児への影響を防ぐために、処方薬や検査方法に対して、病院側の特別な配慮が必要なので、そのぶん病院への報酬を増やすという説明です。

針田
針田

でも私は思うのですが、薬の処方にしろ検査方法にしろ、患者に合わせた特別な配慮というのは妊婦さん以外にもありますよね。

妊婦さんが特別にデリケートだからというのはわかりますが、たとえ妊婦さんでも病院の診察に2~3時間待たされるのもごく当たり前にあります。

ですからこの理由付けに対して、世間からは疑問が多く出ています。

またその負担増を妊婦自身にさせるというのが、より反発を招いていますね。

さらにこれは妊娠に直接関係しない傷病にもすべて適用されますから、たとえば花粉症の診察で点鼻薬をもらう際にも、コンタクト購入時の簡単な目の検査にも、すべて加算されるわけです。

多くの方が感じると思いますが、突っ込みどころが満載なんですね。

この少子化の時代にどうして妊婦自身への負担を増やすのか、疑問が多いですね。

そこで先月の28日に、厚労省はもう少しこの制度を厳格化させる方向で調整に入ったという記事が出ました。
世間の声がよほど多かったのだと思いますが、当然のことだと思います。今後に注目です。

出産時のお金の問題について、お困りであれば、小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

小宇佐・針田FP事務所への問い合わせはこちら

タイトルとURLをコピーしました