iDeCoについてのご質問です。
老後のお金の準備のことでよくiDeCoのことを耳にします。自分で色々調べたりして必要性は感じるのですが、気軽に初めてしまっても良いのでしょうか?気を付けることなどありましたら教えて下さい。
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年8月22日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
iDeCoとは
iDeCoは老後の公的年金で不足する部分の準備として、自分自身で資産を形成できる手段の1つです。
国が認める私的年金制度で、平成13年に始まった確定拠出年金法に基づいたものです。
現在では原則として20歳以上60歳未満の全ての国民が加入でき、老後の資産形成の中心となると期待されています。
継続して一定額を掛けていき、債券や株式などが組み込まれたファンドなどを選んで運用していきます。
掛金の全額が所得控除を受けられたり、運用益が非課税であったり、受取時には退職所得控除もしくは公的年金等控除を引いた額にしか課税されないなど、税制上の優遇があります。
ただ、原則として60歳までは引き出すことができないため、それまでに必要になりそうな目的の資金としてはあてにできません。
まず掛け金の上限額を確認する
iDeCoは20歳以上60歳未満なら原則誰でも加入できますが、現在加入している年金の加入区分によって掛金の上限額が異なりますので、確認する必要があります。
例えば、国民年金の第1号被保険者である自営業者の場合、月額68,000円(年額816,000円)が上限額です。
ただし、国民年金基金または国民年金付加保険料と合算しての上限額です。
次に、第2号被保険者である会社員や公務員の場合、状況によりいくつかのパターンに分かれます。
①会社に企業年金がない場合、月額23,000円(年額276,000円)
②会社で企業型確定拠出年金(DC)に加入してる会社員の場合、月額20,000円(年額240,000円)
③会社で確定給付年金や厚生年金基金(DB)と確定拠出年金(DC)に加入している会社員、確定給付年金や厚生年金基金(DB)のみに加入している会社員、それに加えて公務員は月額12,000円(年額144,000円)
次に、第3号被保険者である専業主婦の場合、月額23,000円(年額276,000円)が上限額です。
iDeCoに加入できない人は
次のような人は加入ができません。
- 国民年金保険料を納めていない人
- 自営業者で国民年金基金を上限額の68,000円まで掛けている人、
- 会社員で会社に企業型確定拠出年金年金があり、規約でiDeCoの加入が認められていない人
ご自身が該当していないかどうかはしっかり確認する必要があります。
運営管理機関を選ぼう
運営管理機関とはiDeCoを取り扱っている金融機関のことで、証券会社や銀行、信用金庫、保険会社などのことです。
60歳までは運用、60歳以降は受け取りと長い付き合いになります。
契約できるのは1つの運営管理機関のみで、途中で変更も可能ですが、その際は運用商品の入れ替えが必要であったりするなど手間もかかります。
長い付き合いとなることを前提の上、しっかりと比較した上で運営管理機関を選ぶことをお勧めします。
運営管理機関を選ぶポイントは?
3つポイントがあります。
①偏りがなく、タイプの違うものを揃えているか
iDeCoは主に定期預金、保険、投資信託で運用していきます。
特に投資信託は値動きが異なる国内株式、国内債券、外国株式、外国債券などが投資対象となっており、商品ラインナップがどれか1つに偏っていないかどうかを確認する必要があります。
②口座管理料は適正か
口座管理料は適正か、運営管理料が高い商品ばかりではないかどうか確認しましょう。
口座管理料は口座を維持していくための費用、運営管理料は商品ごとに設定されている信託報酬等のことです。
長期にわたって運用していくものであるため、運用実績も当然重要ですが、これらの費用も積み重なれば大きいため、しっかり確認する必要があります。
③WEBサイトや専用のコールセンターが設置されているかどうか
どの運営管理機関も組織が今とずっと同じということはないと思いますが、大切な資産について長期間にわたる付き合いとなるため、運営管理機関とのやり取りができる環境はとても重要になります。
運用商品の選び方も要注意
先ほどの運営管理機関を選ぶポイントについてはすごく重要ですが、その次には運用する商品を選ぶのもまた重要です。
iDeCoの制度自体、税制上の優遇だけでもメリットはありますが、結局のところ運用実績が良くなければ意味がありません。
もちろん、将来の運用実績がどうなるかは誰にもわかりませんが、ご自身の目指すゴールと選ぶ商品に整合性が保たれるよう、しっかり吟味して頂きたいと思います。
もし選び方などで困った場合にはお金の専門家である小宇佐・針田FP事務所にご相談頂くこともお勧めします。