金の積み立て投資をしたい方からのご質問です。
何か積み立て投資をしようと考えていますが、コロナの影響もあり、低い額で初められる商品の中で利率の良いものが余りありません。
いろいろ調べていると、金の相場価格が大きく上がっていることが分かりました。
ただ投資経験があまり無いため、金の積み立て方法にどのような種類があるのか分かりません。また、金自体に利息が付かないと思うので金への投資のメリットがいまいち分かりません。ここらへんを分かりやすく教えていただけないでしょうか?
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2020年7月27日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
確金の価格はかなり上がっている?
2020年7月22日の(地金(じがね))相場が1グラムあたり7,001円でした。
ここ10年ほどずっと4,000円台半ば程度で推移していたことを考えると約1.5倍強になっています。
昨年(2019年)の最高値でも5,343円ですので、買っておけば大きく資産が増えていた、と言うことで注目を集めています。
金の投資の方法の選択肢は?
金投資には、いくつかの方法があります。
金の現物を購入する現物投資、毎月一定額を積み立てて少しずつ金の現物を購入していく純金積立の他、金価格に連動したETF(上場投資信託)を購入する方法もあります。それ以外だと金先物への投資がありますが、商品先物取引はリスクも高いため上級者以外の方は無理に手を出さないのが無難だと思います。
現物投資として金の地金を購入する方法は、盗難や紛失のリスクがありますし、購入にだいたい数百万円といったまとまったお金が必要となるので、少額から始めようという一般の方には向いていません。
純金積立や金ETFへの投資であれば、手元に現物を持たずに投資できますし、数千円〜数万円と少額の資金で金投資が出来るので、始めやすく魅力的です。
特に金ETFは、税制面のメリットや、いつでも市場で売買できるという手軽さを考えると使い勝手の良い投資方法と言えます。
金ETFの選ぶポイントとか注意点はあります?
ETFの中には、金の現物を投資対象にしているタイプのものと、金価格に連動した債券を投資対象にしているタイプのものがあります。
債権を投資対象にしている場合、債権を発行している会社が破綻すると、金価格に関係なくETFの価格が大きく減少するというリスクを負っている点に注意が必要です。
また、金ETFは金価格に連動した価格形成がされますから、どのETFでも値動きはほぼ同じになるはずです。しかし、いくつかのETFの過去の値動きを比較してみると、結構バラツキがあることが分かります。各ETFのチャートを比較して、過去の運用成績が高いものを選ぶとよいのではないかと思います。
金の相場は何が影響?為替も影響する?
そもそも金を持っているだけでは、利息や配当金が付かないので収益を生みません。
金自体の価値が上がったり下がったりすることで利益がでるかどうかも変わってきます。
ただ、金価格は米ドル建てのため、日本において金投資をする場合は為替も大きく影響してきます。
米ドルを所有しているのと同じ状態になり、円安、今を基準にすれば、例えば1ドル120円とか130円になれば、日本での金の価格も上がることになります。反対に円高のときは日本での金の価格は相対的に下がります。
つまり、金自体の価値が上がるか下がるかと、円ドルの為替がどう動くかが、日本における金相場が動く大きな要素になります。
そう考えると、金の相場は思ったよりも増減すると考えられます。
金投資のポイントは?
金は利息を産まない代わりに、世の中の株価や金利が下がると価値が上がる、と言う性質があります。これが「有事の金」と言って不況や暴落などの時に金を持っていると助かると言われる所以です。
反対に、世の中の金利が高いときには、相対的に金の価格は下がります。
ですので、経済がうまく回っている通常時には、金をコツコツと購入するチャンスとも言えます。
こういった性質があるので、投資家の間では、金は「リスクヘッジの手段」として活用されています。
一般の方も金投資をする場合には、貯蓄や投資割合の大部分を金投資に割くのは得策とは言えません。
金投資に回すのは、ご自身の積み立て額の10〜30%に留めておくこと、短期での利益を考えずに毎月コツコツと積み立てていくこと、これを守れば、今回のような一時的な不況や経済危機になった場合に、自分の資産が崩れることを防いでくれます。
残念ながら、今回のように金の相場が上がってしまってからでは、少なくとも購入チャンスとは呼べません。
ただ、毎月の積み立てであれば、いつ始めても良いので、興味を持たれた時に検討されるのは、長い目で考えると良いと思います。ご自身の貯蓄や投資スタイルを見直すキッカケにしてください。
金の積み立て投資や積み立て投資の効果的なやり方より詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。