銀行の破綻についてのご質問です。
今、ある銀行で住宅ローンを借りています。もし、銀行が破綻してしまった場合、預金は確か1000万円まで守られると思うのですが、住宅ローンはどうなってしまうのでしょうか?教えて下さい。
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年3月5日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
銀行破綻しても預金は1000万円まで守られる
厳密には元本1,000万円とその利息が保護されるようになっています。
これを超える部分は、その破綻した銀行の財産の残り具合に応じて支払われることになっています。
これは、預金保険制度というものによって定められています。
ただ、注意しなければならない点もあります。
保護されるのは銀行単位になるため、例えば、ある銀行の2つ以上の支店に預金をしていた場合でも、
全てを合算して元本1000万円とその利息が対象になります。
また、一般的な普通預金や定期預金などは保護の対象ですが、外貨預金など預金と名の付くものでも一部のものは保護の対象外となっています。
ちなみに、意外と知られていないのですが、当座預金や利息の付かない普通預金などいわゆる決済性預金と呼ばれるものについては、元本1000万円とその利息を超えて、全額が保護されることになっています。
住宅ローンの場合はどうなるの?
先ほどの預金の例を考えると、もしかしたら削減してもらえると期待する人もいるのではないでしょうか。
しかし、銀行が破綻することで住宅ローンが減ったりすることはありません。
ある銀行が破綻した場合には、他の銀行が概ね同じ条件で引き継ぐことが一般的なようです。
住宅ローンを踏み倒そうという人はなかなかいないため、引き継ぐ側の銀行としても優良な債権という位置付けになるのです。
過去に引き継がれた例はある?
破綻というわけではないですが、ある銀行の住宅ローン債権を別の銀行が引き継いだというケースがあります。
2002年にシティバンク銀行が一部を除いて住宅ローン事業から撤退しました。
この時、金利などの条件変更なしで当時のUFJ銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)が引き継ぎました。
当時のシティバンク銀行は、毎月指定した金額を上回る預金残高があった場合に、その超えた部分を自動的に繰上返済に充てる独自のサービスがありました。
当時のUFJ銀行にはそのようなサービスはなかったのですが、そこも含めて全て引き継がれました。
他の銀行に引き継がれることによって利用する銀行が替わり、それに伴う若干の手続きは必要になりますが、それ以上の大きな負担などを心配することはなさそうです。
銀行選びで注意点はある?
先ほどお話したように、銀行が破綻してしまった場合の預金と住宅ローンなどの借入についての扱われ方のイメージができたと思います。
この部分については銀行同士で大きな違いはなさそうです。
ただ、破綻するということは日常茶飯事ではないため、日々あまり神経質にならず、預金であれば1,000万円を超える部分がある人は複数の銀行に分散するなどの最低限の対策をしていればひとまず良いと思います。
それよりも、銀行では今日も私たちの関心を引くような多種多様なキャンペーン等を行っています。
当然、ご自身にとって有利なものであれば取り入れるのは良いことだと思いますが、おいしい話には裏があるというのが世の常です。
預金金利が高い代わりにご自身では望んでいない投資信託や外貨預金の購入が条件であったりということはよくあります。
ご自身の大切な財産を守っていく上でも、必要な対策をしっかりした上で、良い銀行選びをして頂きたいですね。
銀行選びや資産の運用について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。