確定拠出年金(iDeCo)はどう運用するべき?選び方、運用方法をFPが解説

確定拠出年金(iDeCo)運用法 マネー情報

30代自営業男性からのご質問です。

昨年より個人型確定拠出年金iDeCoを始めました。税制面ですごく優遇を受けられるということで始めたのですが、運用をどのように振り分ければいいのか迷っています。
今は元本確保型の商品にしていますが、物価上昇などに対応できないとも聞いてます。増やしたいけど損もしたくないというのが正直なところです。
運用の基本みたいな考え方があればぜひ教えてください。

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年11月19日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

確定拠出年金の選び方は?

確定拠出年金などは自分で運用商品を選べるのでいい面もありますけど知識とか情報がないと迷いますよね。

増やしたいけど損もしたくないというのはちょっと欲張りな気もしますが、こういった場合どう考えればいいでしょうか。

小宇佐
小宇佐

「損をする」ということをちょっと改めて考えてみます。

「損」とは大きく分けて2つの種類があります。

ひとつは会計上の損失でこちらは皆さんが日ごろ感じている「目に見える損失」です。例えば「1,000円落とした」とか「10,000円無駄遣いしてしまった」とかを考えると分かりやすいですね。

もうひとつは確率上の損失です。

こちらは目に見えない損失で、よく「機会損失」と言われます。例えば、100円を節約するために自転車で往復1時間かけて隣町のスーパーまで買い物に行ったとします。この時会計上では100円の節約をすることができました。しかしその裏で「往復1時間の時間」という費用が発生しています。この1時間を「別のことに使えばもっと有効なことができたかもしれない」と考えると目に見えない損失が見えてきます。

運用面ではどういうケースがある?

小宇佐
小宇佐

例えば「お金は銀行に預けておけば安全」と思われる方は今でも多いと思います。確かに銀行にお金を預けておけば、預金封鎖にでもならない限り会計上の損失は発生しません。

しかし「機会損失」のことを考えると話が変わってきます。例えば、日本株式市場は2012年から2017年にかけて5年ほどで2倍にまで成長しました。

確かに銀行にお金を預けていればお金は減りませんが、それと同時に「お金を5年で倍増するチャンスを逃してしまった」と表現することもできるのです。

機会損失は0にできない。

小宇佐
小宇佐

機会損失=確率上の損失はどんな場合でも生じますのでゼロにすることは不可能です。

例えば景気が良くなれば「もっと株を買っておけばよかった」と考えますし、逆に景気が悪くなったら「こんなに株を買わなければよかった」と考えます。未来を完全に見通すことは出来ないですから、どこかしらに機会損失は表れてきます。

機会損失を少しでも減らすには

小宇佐
小宇佐

確定拠出年金の運用商品選択の話に戻して考えますと、個人的におススメなのは「機会損失が平等に生じるようにする」という方法です。

大まかに言うと資産の半分を株式、残り半分を債券に充てるようにします。こうすることによって「好景気が来たときの機会損失」と「不景気が来たときの機会損失」を半々で済ませます。
(※株と債券価格は相関関係にある)

実はこの方法は、厚生年金や国民年金の管理・運用をおこなっているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)でも採用されています。年金の運用って大きな失敗は許されませんよね?そのためGPIFでも「失敗の確率の低い組み合わせ(ポートフォリオ)」として採用しています。

その内容を少し具体的に見ると、国内株式:25% 外国株式:25% 国内債券:35% 外国債券:15%の4分割で、株式と債券の比率で言うとピッタリ半々になっています。

GPIFはこの方法で(細かい比率は適時変わっていますが)、2001年度からの運用で見ても年率+3.33%、2018年第2四半期だけで見ても年率+3.42%と悪くない実績を残しています。

確定拠出年金は長期投資に有効

小宇佐
小宇佐

個人的には確定拠出年金のゴールである60歳までの残り期間が15年や20年以上と長い方はもう少し株式比率を多くしても良いと思います。
まずはこの「機会損失の分散」という考え方を理解して慣れてもらえればいいですね。

また安全と思われている元本保証型のみだとインフレ対応ができないこと、管理手数料などでじわじわとマイナスになっていくことなども考えられます。

少しの勉強で将来の資産が大きく変わることとなります。難しく感じた場合は専門家に相談したり教えてもらったりすることをおススメします。

資産の運用方法や確定拠出年金について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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