男性の方からのご質問です。
最近、バブル期超えになったなどと聞くことがありますが、実感がありません。世の中そんなに景気が良いのでしょうか?
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年1月15日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
バブル期とは?
バブルには泡という意味がありますが、他にも泡のように消えやすいもの、はかないもの、不確実なものなどという意味合いもあります。
経済的な意味ですと、株や土地などの資産価格が実体から想定される適正価格を大幅に上回る状態を指します。
日本においては、1980年代後半から1990年代初めの株や土地の高騰をバブルまたはバブル経済と呼び、それ以降の下落をバブル崩壊と呼んでいます。
今はバブル期を超えた状態?
バブル期超えというと全てにおいて上向きだと感じられるかもしれませんが、そうではありません。
バブル期を超えたものとして、例えば、土地の価格があります。
昨年7月に国税庁が公表したもので相続税路線価というものがあります。
1㎡当たりの価格を示すものですが、日本で一番高いのは東京の銀座の鳩居堂(きゅうきょどう)前です。
1㎡当たりでは前年から26%上昇して4032万円です。
バブル期のピークである1992年の3650万円を超えて話題になりました。
また、最近では日経平均株価について話題となりました。
昨年11月7日に日経平均株価の終値が22,937円60銭となり、バブル崩壊後の高値を更新しました。
1989年に付けた過去最高値である38,957円を超えたわけではないものの、現在も上昇傾向にあり、株価バブルの再来かとも言われています。
その他、職を求める人1人に対してどれだけの求人があるかを示す有効求人倍率もバブル期を超えました。
逆にバブル期超えとは無縁のものは?
代表的なのはゴルフ会員権です。
関東ゴルフ会員権取引業協同組合の加盟業者のデータによりますと、指定銘柄の平均値は1990年2月に4388万円でしたが、2016年12月にはバブル崩壊後最安値の111万円を付けました。約40分の1という水準です。
今とバブル期だと世の中の環境が違う?
総務省が5年おきに公表している全国消費実態調査によると、高収入と言われる1つの目安である年収1000万円プレイヤーの世帯の場合、その家族1人あたりの1ヶ月の消費支出額はバブル期の1987年においては平均で100,987円であったのに対し、2014年の平均は121,992円であったそうです。
つまり、ここ最近ではバブル期よりも平均額が増えているということになります。
要因として顕著な項目としては、交通・通信という部分で、これは特に携帯電話の普及を考えればうなずけるところです。
また、教育・住居・光熱・水道といった生活に不可欠なコストも大幅に増えている一方、小遣い・衣服および履物・贈与金といったものは減っているという結果が出ています。
その他にバブル期と何か変わっていることは?
消費税の導入および税率の上昇、介護保険制度の導入や毎年のように行われる年金保険料の増額改訂などにより、同じ年収であっても、バブル期と比べると手元に残る自由に使えるお金が減ってきています。
また、平均寿命が延びているにも関わらず年金受給額が減少してきていることなども背景にあります。
こういった社会の背景も考慮すると、無駄な支出は控えようという傾向があると考えられます。
生活に必要なものにはしっかりお金を使うけど、そうでないものには簡単にはお金を使わなくなったということです。
欲しいと思ったものをどんどん買えれば個人的に景気が良いと実感できるのかもしれませんが、モノや情報が溢れている世の中であるからこそ、必要なものを見極めてお金を使うようになったとも言えるかもしれません。
ストレスが溜まらないようなお金との付き合い方ができると良いですね。
お金との付き合い方について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。