マイホームは自然災害があったとき公的支援も受けられる?内容や条件をFPが解説

自然災害時の公的支援 マネー情報

30代主婦の方からのご質問です。

もうすぐ念願のマイホームが完成します。地震や今回の西日本豪雨のような災害は心配なので、火災保険や地震保険には当然入ろうと思います。そんな中、自然災害のときには公的な支援もあると聞きました。具体的にどのような支援の内容になるのか、気になるので教えてください

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年8月6日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

公的な支援の内容

自然災害によって住んでいた家が全壊または大規模半壊した世帯には「被災者生活再建支援法」に基づいて最大300万円が支給されます。

小宇佐
小宇佐

この法律は阪神大震災をきっかけに1998年に成立。当時の支援の対象は全壊世帯のみで、年収制限などもありました。その後の改正で対象は大規模半壊にも広がり、年収制限などもなくなりました。

自然災害は何が対象になる?

ここでいう自然災害とは、地震や津波、暴風、豪雨、豪雪、洪水、噴火などを指します。

2016年の新潟糸魚川市の大火も強風による災害として対象とされています。

原則として市区町村なら10世帯以上、都道府県では100世帯以上の住宅が全壊するなど、地域全体の災害規模が一定を超えると、都道府県が被災者生活再建支援制度を適用します。

2018年の西日本豪雨では10府県80市町村が適用になっています(2018年7月26日現在)。

全壊・大規模半壊はどのくらいの被害?

全壊や大規模半壊は住宅の被害の程度を指します。

大規模半壊は住宅の構造上、主要な部分を含め大規模補修をしなければ住めないような被害を言います。

小宇佐
小宇佐

西日本豪雨のような水災では浸水が1階天井に達していれば全壊、床上1メートルの浸水は大規模半壊となります。それに満たない床上浸水は半壊とされます。

被害にあった場合の支給額は?

全壊は100万円、大規模半壊は50万円の基礎支援金が支給されますが、半壊には支給はありません。

また加算支援金というものもあり、被害を受けた後に、住宅を再建したり購入したりすると200万円、補修だと100万円、民間の賃貸住宅に入居した場合は50万円が支給されます。

どんな手続きが必要?

支援金の申請には被害状況を示す「罹災証明書」が必要です。

証明書は市区町村で交付します。この罹災証明書は義援金の受け取りや税金の減免を受ける際にも必要になりますし、自治体によっては半壊以下の世帯にも独自の支援策を実施することが多いので、被害にあわれたら受け取っておくと良いでしょう。

また被害にあっている中、なかなか気が回らないと思いますが、携帯電話のカメラなどで被害状況の写真を撮っておくことも是非やっておいた方が良いです。

記憶に頼った言葉での説明よりもはるかに説得力がある場合が多いです。

小宇佐
小宇佐

ただ避難を優先されることも忘れないでください。

自助努力の保険も必要

支援で最大300万円出ると助かりますが、住宅の再建と考えるとやはり足りません。

自助努力として火災保険や地震保険の加入は必要になります。

今は「ここは大丈夫」と思われる地域でも水災の補償は付けておいた方がいいかも知れません。

今回の西日本豪雨でも通常だと床上浸水しないような場所でも土砂災害にあった方もいらっしゃったようです。

少し広い目で見て周辺の山や川の状況を確認し、判断が難しければ行政(役場)や保険会社など専門家に相談してみることですね。

マイホームに関する保険について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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