奨学金の利用についてのご質問です。
我が家には小学生の子供が2人います。将来どのような進路になるのかは具体的にはわかりませんが、とにかく大学はお金がかかると聞いたので、念のためコツコツとお金を貯めています。ただ、どれくらいお金がかかるかもよくわかりませんし、もしお金がない場合に奨学金を利用することがあると思いますが、利用している人は結構いるのでしょうか?できれば利用せずにいきたいとは思いますが、心配なので教えて下さい。
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2022年6月13日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
奨学金を利用している人は多い
日本学生支援機構の令和2年度学生生活調査によりますと、大学昼間部、修士課程、博士課程等によって多少のバラツキはありますが、約2人に1人が奨学金を受給しているようです。
大学に通う期間は一般的には4年間のケースが多いですが、その進学先が国公立なのか私立なのか、また、文系なのか理系なのかによっても差が出てきます。
学費以外にも自宅から通学する場合には交通費がかかりますし、一人暮らし等をする場合には家賃などもかかります。
こういったものも考慮して大学生活にかかるお金がどのくらいになるのかを押さえておくと良いです。
ちなみに、4年間ですと、例えば、国公立自宅通学で約500万円、私立文系自宅通学で約700万円、私立理系自宅外通学で約1270万円かかるといわれています。
医学部となればこれよりももっと多くかかります。
奨学金制度の種類
日本学生支援機構の奨学金には貸与型と給付型があります。
さらに、貸与型は無利子と有利子のものに分かれます。
無利子のものを第一種、有利子のものを第二種といいます。
利子が付くかつかないかの違いではありますが、お子さん自身が卒業後に働きながら返還していくことに変わりはありません。
貸与型は希望すれば誰でも利用できる
先ほど約2人に1人が奨学金を利用しているとお話ししたのですが、奨学金を利用している大学生の多くは有利子の第二種を利用しています。
有利子だから誰でも良いというわけではなく、成績が一定以上あるとか学修意欲などが問われます。
また、親の収入等も条件になるため、それをクリアしているかの確認が必要です。
なお、有利子とはいえ、金利自体はそれほど高いわけではなく、2022年4月の貸与利率は利率固定方式で0.468%、利率見直し方式で0.02%となっています。
給付型はどのようなもの?
経済的な理由で高校卒業後の進学を諦めることのないようにするためのものです。
国が経済的に厳しい住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生に対して、授業料や入学金の減免と併せて支援するものです。
制度の詳細については文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」を参照頂くと良いです。
最近では一般の企業でも独自に奨学金制度を設けている
もともと大学独自でというケースは多くありますが、ここ数年では企業が給付奨学金制度を作って独自の条件で給付をする事例が増えてきました。
例えば、株式会社キーエンスは2022年度に日本の大学生を応援するために、財団で2000名の大学生に30万円を給付する応援給付金を設けて募集しました。
他にも条件は様々ですが、返還不要な独自の奨学金を設けている大学や地方公共団体や企業は色々あります。
大学や地方公共団体が実施する奨学金制度については、日本学生支援機構のHPからも検索できるので、ぜひ調べて利用することができると良いですね。
他に何か注意することは?
奨学金は経済的な理由で進学を諦めなくても良いようにしてくれるありがたい存在です。
ただ、返還しなければならないものがまだまだ一般的ではあり、それは卒業後にはお子さん自身の肩にのしかかってきます。
奨学金を利用せずに全てを親が準備できればそれに越したことはないですが、全ての家庭でそれが可能というわけではないのも現実です。
親としてできることを計画的に準備しながら、お子さんの将来の可能性を広げていく選択肢を確保してあげたいですね。
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