自動車保険の等級入れ替えについてのご質問です。
来春より子どもが新卒で働き始めるので車が必要となり購入を予定しています。
自動車保険にも入らなければ、と思うのですが20代前半で新規の加入となるとかなり高くなるようです。
親である私達夫婦ともに自動車保険に加入していますので、どちらかの保険と『等級入れ替え』ができないか考えております。
夫は20等級、私は今年保険を使ったので17等級になっています。
どちらかと入れ替えを検討していますので、『等級入れ替え』のしくみや注意点を教えていただけないでしょうか
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年12月6日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
自動車保険の等級のしくみ
等級制度は、契約者の事故歴に応じて、保険料を割り引いたり割り増したりする制度のことです。
自動車保険の等級は、(一部の会社を除き)原則、1等級から20等級まで分類されています。
一般的に、自動車保険に初めて加入する場合、6等級(S)で契約します。(「セカンドカー割引」が適用されれば7等級(S)からスタートするケースもあります)。
等級が上がるほど割引率も高くなり、20等級で最大の割引率となります。
近年は自動ブレーキなどの先進安全技術の普及に伴い交通事故、交通死亡事故が急激に減少しているため、この割引率も2017年に続き、来年2021年1月にも拡大して自動車保険は安くなる傾向にあります。
交通事故の件数ってどのくらい減っている?
交通事故は2004年をピークとして劇的と言っていい程減少してます。
交通事故発生件数、2004年は約95万件に対し2020年は約31万件と3分の11以下、交通事故の死者数も2004年は7,436人に対し2020年は2,839人とこちらも6割以上少なくなっています。
新規での自動車保険は安い?
割引率が良くなるのは実は9等級以上で、8等級以下は反対に割引率が悪くなってしまいます。
例えば6等級の場合、改正前は-19%ですが来年の改正後は-13%となってしまいます。
また保険を使って等級が下がった場合に適用される「事故有係数」は等級に関わらず割引率は悪くなります。
つまり安全運転の実績が無かったり事故を起こして保険を使った場合は、高い保険料負担を要求されるようになります。
「等級入れ替え」は検討する価値あり
年齢条件で考えても21歳未満とか26歳未満で区切られて保険料は若いほど高いという傾向は改正後もそれほど変わりません。
またゴールド免許割引なども適用されないと想定されるので、新卒のお子さんが新規で自動車保険に加入されるのであれば検討してみた方が良いですね。
等級入れ替えの手順
自動車保険にすでに加入している人が、自分の持っている等級を譲り渡し、自分は新規に契約するカタチとなります。
質問者のケースの場合は、お子さんは年齢も若くゴールド免許でもないけど高い等級が適用されることとなり、親は等級は下がるけど他の条件は元々良いので、トータルで考えるとかなり安くなることが多いはずです。
気を付けることはありますか?
実は等級入れ替えと言うのは、どんな条件でも出来ることではありません。
原則として、新たに車を取得した場合や、1台あるうちの1台を廃車・譲渡・返還した場合と定めている保険会社が一般的です。
すでに自動車保険を契約されている2台の車の間で等級を入れ替えることはできません。
また配偶者か同居の親族間でなければこの制度を利用できないことにも注意が必要です。
もし実家を離れる予定であれば、同居しているうちに契約をすることで利用できます。
きちんと適用されるかどうか、まずは今ご加入の自動車保険の保険会社や担当者に聞いてみることをオススメします。
保険やお金についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。