20代女性の方からのご質問です。
この4月から社会人になり会社勤めとなります。実家住まいなので将来の一人暮らしや結婚に向けて貯蓄をしようと考えています。ただこれまでのことを考えるとお小遣いやバイト代はあまり深く考えずに使ってしまっていたので自信がないというか具体的な方法がイメージできません。どのように考えれば良いかアドバイスをいただけると助かります。
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年4月2日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
貯金ができない原因は?
私はファイナンシャルプランナーとして年間で60世帯以上の家計相談を受けております。
住宅を購入される前の資金相談が主なので比較的貯蓄をされている相談者の方は多いのですが、その中でも貯蓄をしっかりされている方は何がと違うかと言うと一番大きいのは「貯蓄に対する考え方」ですね。
まず「余ったら貯めよう」という考え方で貯蓄できている方はかなり少ないです。
強いて言えば「1円の間違いもなく家計簿を付けるような性格の方」か「夫婦ともに収入が多く生活にかなり余裕がある方」は余り考えなくても貯まっている場合もありますが、かなり稀な例です。
一般的な収入で貯蓄するには強い意志が必要?
実際貯蓄できている方の考え方はというと、ほぼ例外なく「お金が入ったらまず貯蓄を優先する」と考え実践している方です。
貯蓄の割合や方法は様々ですが、先に貯蓄分を目に見えないところに移し自由になるお金を制限してその範囲で他の支払いや生活をしていくことで着実に貯めていかれています。
意志の強さではなくこういった習慣やしくみを作ると考えるとうまくいきます。
人間の意志は弱いもので、残念ながら使える分は使ってしまう方がほとんどです。
私も若いころは貯めようと思って1か月、2か月は貯めてもその貯まった分が「使えるお金」として頭の中に残っていて遊びや旅行に誘われると「あれを使えばいいか」と考え全額引き出してしまう、ということの繰り返しでした。
預け先を簡単に下ろせないところにするリスク
自分のこの先のライフプランや貯蓄プランがしっかりと固まっていない状況だと、例えば60歳以降にしか満期が来なかったり解約できないようなしくみの貯蓄方法で不相応な額の積立を始めてしまうと、状況がちょっと変わっただけで続けられなくなります。
最悪の場合大きく元本割れして解約、と何をしているか分からないことになってしまいます。
特にこの質問者の方のように、まだ社会人になられたばかりの状況だと車を買ったり結婚・出産されたり、家を買ったりといろいろなことが想定されます。
ですのであまりに引き出しにくいもの、解約が難しいものは最初の段階では避けた方が無難です。
どんな方法がお勧め?
しっかりライフプラン、貯蓄プランが決まっている場合だと「短期」「中期」「長期」に分けて貯蓄することをお勧めしています。
「短期」はここ1~2年くらいに使うであろうお金、例えば車検代や旅行代、冠婚葬祭費などの準備など、「中期」は5年~10年くらいのイメージで車の購入、結婚資金、住宅の頭金など、「長期」は老後のお金、といったところです。
社会人になったばかりの方であれば、まずは「短期」と「中期」のお金を貯めはじめることをお勧めします。
どんなところに預ける?
会社にお勤めであれば、まずは勤務先に財形貯蓄や共済制度があるかどうかを確認した方が良いです。勤務先のしくみであれば給与から自動で天引きされますので先取り貯蓄にはうってつけです。
勤務先にこのような制度がなければ、給与振込口座の銀行で、給料日の次の日に引落しされる定期積立も良いですね。
こういった方法は短期・中期のどちらにも対応できます。
もう少し頑張るのであれば中期間の貯蓄は10年くらい満期のこない外貨定期等の積立や同様に10年くらい期間のある積立型の生命保険を選ぶのも良いですね。
なぜ10年くらいかというと、このくらい積立期間のある金融商品だと定期預金などよりは利率の良いものが出てくるからです。
短期間の貯蓄は利率よりもいざという時の動かしやすさを優先し、中期間の貯蓄は少し利率を意識して運用もしていくと効率が良くなります。
全体のバランスに注意しよう
注意するのは「全体のバランス」です。
普段の生活や長期間の貯蓄も考えなければいけないことを理解した上で、短期間の貯蓄はちょっと背伸びしたくらいの額、中期間の貯蓄は無理のない額で始めることをお勧めします。
この考え方、習慣が身に付けば10年後、20年後、経済的に大きく変わります。大げさに言えば「一生の宝物」となるので頑張って実践してみてください。
貯金の仕方や資産の運用方法について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。