海外留学費用についてのご質問です。
現在大学2年生の息子が、突然海外留学したいと言い始めました。
大学の授業料だけでも大変なのに、留学費用もとなると、すぐには「いいよ」と言えません。
でも子供が望むことなら、なるべくやらせてあげたいし。
留学費用ってどのくらいかかるんですか?
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年7月3日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
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海外留学は種類がある
一言で留学と言っても、語学を学びに行く「短期留学」「語学留学」なのか、海外の大学を卒業する「大学留学」なのかにより異なります。
簡単にご説明しますが、まず「短期留学」、これは一般的に1週間~2ヶ月、語学の専門学校に通う留学です。
学生なら夏休みや春休みを使い、社会人でも連休と有給をうまく使えば可能です。
非常に短期間ですので、ゼロから言語を学ぶというよりは、自分がすでに身に着けている語学力の確認や、それを活かした海外での活動を目的とすることが多いようです。
費用は国や宿泊先・宿泊期間にもよりますが、授業料と滞在費で20~30万円くらいが一般的です。
これに航空費と滞在中の食費や小遣い、海外保険料などが加わります。
次に「語学留学」、これは一般的に2か月以上、長いと1年以上の留学を言います。
留学先は短期留学と違い、語学の専門学校だけではなく、大学が運営する専用の語学講座にも通えます。
大学に通う場合、キャンパス内で学ぶことになるので、現地の学生と触れあう機会も魅力と言われています。
カリキュラムは日本の学校とよく似ており、月~金曜は毎日学校に通い、土日はお休みです。
授業の内容については、その人の語学力に合わせて、初級から上級まで細かなコースが用意されているのも、短期留学とは違います。
年齢制限はありませんが、実際の授業では年齢や国籍などの偏りが無いように、10名ほどの少人数のクラスにいくつか分けられます。
滞在先は短期留学と同様、ホームステイや学生寮、そして長期滞在の方についてはアパートを借りる方もいらっしゃるようです。
気になる費用ですが、短期留学とは違い長期間ですので、当然そのぶんの費用も増えます。
たとえば1年間の語学留学の場合、滞在費と授業料を合わせて、アメリカ250~400万円、カナダ180~300万円、オーストラリア180~400万円、ニュージーランド250~270万円くらいと言われています。
この金額の幅は、滞在方法がホームステイにか学生寮、アパートかによる違いです。
いずれにしても、わずか1年で300~400万円ですから、日本の国立大学の4年分の授業料より高いですね。
さらに加わるのが航空費、食費、教材費、小遣い、現地での交通費などがありますから、物価にもよりますが少なくとも+100万円は見ておかないといけません。
ステップアップして、海外の大学を卒業しようと思うと、費用はもっとかかる?
国にもよりますが、例えば私立大学は日本と同様、総じて高額な費用がかかります。
特にアメリカの私立大学は他の国よりも高めです。
例えば世界的に有名なハーバード大学、入学の難易度も高いのでそうそういけませんが、学費・寮費・食費をあわせて、1年でおよそ5万ドル(約550万円)です。
いっぽうで同じアメリカでも、州立大学であれば年間の学費は150万円前後と言われています。
留学費用を抑える方法は?
まず滞在費ですが、田舎に行けば当然そのぶん安くはなりますが、都会の場合、長期留学であれば、ある程度生活に慣れたら、同じスクールの学生同士でアパートを借りて何人かでシェアする方法もあります。
とはいえ安全面の担保は難しいと思いますので、誰にでも積極的にはお奨めできるわけではありませんが。
食費は自炊を中心にすることですね。
アメリカなど海外にはチップというものがありますから、飲食代の10~20%程余分にかかりますし。
航空費については、学校の入学時期を選べるなら、日本の長期休暇の時期(年末年始、GW等)を外し、かつ渡航先が観光シーズンではない時を狙えるとよいですね。
たとえばアメリカの場合、渡航費用は往復で7~15万円程かかりますが、安い時期なら半額くらいで行けます。
あとは学費ですが、語学留学の場合、長期間まとめて留学を申し込むと、授業料を割り引いてくれることがあります。
目安としては3ヵ月以上で適用される場合が多く、約15~30%も授業料が安くなることもあるようです。
また、期間限定のキャンペーンなどもあるようです。
あとはアジア圏の学費はやはり安いようです。
フィリピンやフィジーなどは、1年間の滞在費と学費が100~200万円と、アメリカの半分くらいで済みます。
奨学金のような制度は無い?
語学留学にはほとんどないと思いますが、大学留学には奨学金制度があります。
渡航前の人を対象として日本で募集が行われるものと、すでに留学中の人を対象として現地の学校、研究所や団体が募集するものがあります。
各奨学金ごとに、出願条件が細かく決められていますが、一般的には、語学留学より大学留学、大学留学より大学院留学、というように、留学のレベルが高くなるほど応募できる奨学金は増えます。
ただいずれの場合も応募者は多いので、狭き門といえます。
また、大学留学でも修士や博士号の取得を目的とする場合は、日本の奨学金制度と違い、多くが給付型(返還不要)です。
例えば独立行政法人日本学生支援機構の場合、渡航前の人が募集対象ではありますが、給付型の奨学金を用意しています。
いっぽう海外で募集される奨学金は、留学先の学校の奨学金(授業料減免なども有る)と、現地の研究所や民間の団体による奨学金があります。
成績優秀者に与えられるものと、経済状況に応じて与えられるものがありますが、自国の学生や発展途上国からの留学生が優先される可能性があります。
これらについては、留学希望先の学校に直接問い合わせてみましょう。
注意点は?
まず募集は年1回だけ、募集締め切りもかなり早いものが多く、留学の1年前には締め切りとなる場合があります。
よって、入学先から正式な入学許可が下りる前に締め切られることもあるようですので、事前にスケジュール確認が必要です。
また、ほとんどの奨学金が、日本の学校での成績や、語学力テストの成績の提出を求めてきます。
留学に向けて学力をつけ、語学力を高めることが、奨学金を得ることにもつながります。
あとビザについては、例えばアメリカの場合は授業時間数が週18時間以上、もしくは大学付属の留学コースの場合、学生ビザの取得が必要です。
学生ビザの取得には1~2ヶ月はかかるので注意が必要です。
また名古屋では取れませんので、東京・大阪・福岡・沖縄・北海道のどこかに取りに行かないといけません。
いずれにしても留学をしたいと思ったら、1年以上前から準備をし、少しでも負担が減る工夫をすることが必要です。
学費やお金についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。