お金の貯め方についてのご質問です。
最近、老後に2000万円ないとダメという話題をよく聞きます。正直、2000万円が貯まる気がしないのですが、かといって何もしないのも不安で仕方ありません。少しでも貯めるためには何からすれば良いですか?教えて下さい。
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年7月22日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
2000万円の準備は必要?
この2000万円というのは、金融庁の金融審議会が公表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書によるものです。
メディアでも大きく取り上げられ、みなさん様々な感情を持たれたと思います。
ただ、この2000万円という数字は、詳細は省きますがあくまでモデルケースをもとに算出したものであり、みなさん全員がこの通りというものではありません。
いくら必要ですよというのは、言い換えれば収入と支出の関係で、不足する部分のことを指します。
老後の収入が支出を上回れば不足は生じませんし、逆に支出が収入を上回る場合には不足が生じますので収入以外の財源がないと破綻してしまいます。
収入も支出もみなさんそれぞれ異なりますので、一概に2000万円必要ですというものではないです。
一般家庭の貯蓄状況は
金融広報中央委員会の平成30年の「家計の金融行動に関する世論調査(2人以上世帯調査委)」によりますと、預貯金等の金融資産ゼロの割合が20代で32.2%、30代で17.5%、40代で22.6%、50代で17.4%、60代で22%、70代で28.6%いるという報告がされています。
また、プルデンシャルジブラルタフィナンシャル生命保険が今年60歳となる男女2,000人を対象にして6月に公表したアンケート結果によると、全体の24.7%、つまり約4人に1人は貯蓄額が100万円未満という結果でした。
一方で、1億円以上という回答は全体の8.1%、約8人に1人という結果でした。
ちなみに全体の平均額は2956万円で、貯蓄の格差の大きさがうかがえます。
貯蓄のために今すぐできること
まず、貯蓄をする上で大きく4つのポイントに着目する必要があります。
- 支出を知る
- 支出を減らす
- 働いて収入を増やす
- 資産運用でお金に働いてもらう
この中で、まずは支出を知る、支出を減らすということはすぐにできます。
収入を急に増やすことは難しいですが、支出は自分自身でコントロールできます。
貯蓄ができない人は、収入に対して支出が多いということに尽きます。
まずは家計簿を
一番の方法としては家計簿を付けることです。
最近ではスマホで家計簿アプリもありますので、やりやすい方法で良いと思います。
もし、家計簿がハードルが高いという場合はレシートを集めるということから始めても良いと思います。
1ヶ月たまったら項目ごとに分けて、どんなものにいくら使ったかを集計してみて下さい。
これでまずはご自身のお金の使い方の傾向を把握するのが目的です。
次に支出を減らそう
次に、この傾向をもとに支出を減らす行動に移ります。
支出を減らすということは、それまでよりも使えるお金が減るわけですので、ストレスがかかることが予想されます。
ここで、支出を減らす中でストレスをできる限り作らない原則があります。
それは、「変動費よりも固定費、小さいものよりも大きいもの」です。まず、変動費は毎月一定額がかかるものではなく、趣味など好きなことなどに不規則に使うものが当たります。
一方、固定費は毎月概ね一定額がかかるもので、生活に密着した住居費、保険料、光熱費、通信費などが当たります。
固定費は言い換えれば無意識にかかってしまっているお金とも言えます。
変動費を減らそうと思うとストレスがかかりそうですが、無意識にかかっている固定費であればストレスは少ないのではないでしょうか。
一度見直してしまえば、それまでと同じように無意識であっても支出は減っているのです。
また、無意識とはいえ、少しでも大きな金額のものを減らすことができれば、より効果が大きくなりますので、一般的に金額の大きい住居費や保険料は見直しの最優先項目になることが多いです。
仮に、月々2万円削減できれば年間24万円、月々3万円なら年間36万円が無意識にプラスになります。
まずはやってみることが重要ですね?
まずは自分自身ですぐに取り組めることから意識して始めることが重要です。
支出を把握し減らすというコントロールができるようになれば、得られた収入をしっかり管理でき、お金に働いてもらえる資産運用に回すお金もより確保でき、相乗効果が生まれます。
人それぞれ老後に必要となる金額は異なりますが、まずは土台となるところからしっかり始めてみましょう。
貯蓄方法について、より詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。