マイホームの頭金についてのご質問です。
いま念願のマイホームを購入しようと考えているのですが、頭金をどうするか悩んでいます。
ローンは会社員である夫の名義で組み、頭金は夫婦でこれまでに貯めたお金の中から、いくらか出そうと思っています。
ただ、専業主婦の私にも、独身時代から貯めているお金があります。
これを今回頭金に出そうか迷っています。
ローンは少ないほうが良いのでしょうが、皆さんどうされていらっしゃるか、教えてほしいです。
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年6月11日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
どうする人が多い?
私共も普段住宅ローンの相談を受けることは多いのですが、妻が頭金を出しているご家庭は、全体の半分くらいの印象です。
もちろん金額の差はありますし、妻の独身時代からの貯蓄から出したのか、妻の両親や祖父母から援助をしてもらったお金を出したのか、はたまたへそくりから出したのか、出どころは様々だと思いますが。
これには以前、リクルート系の情報誌SUUMOと、ベネッセが共同で調査をしたデータがあります。
2006年以降に住宅購入をした約2000名の奥様へのアンケート結果によると、全体の約63%の方が、妻も頭金を出したという回答だったようです。
具体的に金額は
そのアンケート調査によると、100~300万円が最も多く全体の約37%、500~1,000万円が20%、300~500万円が18%、1,000万円以上が13%、100万円未満が12%という結果です。
結構出しているなぁと感じる結果に思えますが、気になるのは出どころです。
妻の勤務形態ごとにその出どころについても調べたところ、専業主婦でも58%、正社員なら70%弱、公務員や団体職員になると80%弱が、妻自身の貯蓄から出しているようです。
お金を出す目的
妻も頭金を出した人は、
- 予算オーバーした分を補填するため
- 家計の中で妻名義に貯蓄を振り分けていたため
- 自分も頭金を出して共有名義にしておけば、いざ離婚となったとしても、自分も所有権を主張できるため
など、さまざまな理由があるようです。
離婚した時の財産分与のことまで考えているなんて、しっかりしていますね。
いっぽう出さない人というのは、
- 子供の将来のために残しておきたい
- いざという時のための予備費にしておきたい
- そもそもへそくりだから
- 共有名義にするのが面倒
などです。
共有名義にすることを手間と考える人もいらっしゃるんですね。
共有名義とは
今回のご相談者の方もそうですが、住宅ローンは夫の名義単独で組むという方は多いと思います。
そして不動産を購入する際には、登記といって、所有者が誰であるかを公的に登録する必要があります。
いっぽうで妻が頭金を出す夫婦の場合に、ローンは夫単独名義で借りたのだからといって、登記も夫単独名義で登記をすると、贈与税が発生する可能性があります。
年間110万円未満の贈与なら贈与税は非課税ですが、これを超えると税が発生します。
つまり110万円以上の頭金を妻が出したのに、夫単独名義で登記をすると、贈与税が発生します。
住宅購入時の贈与については、最大で1200万円まで非課税が認められる特例はありますが、これはあくまでも直系尊属からの贈与、つまり自分の両親や祖父母からの贈与についてのみ非課税になるだけなので、夫婦間は認められていません。
よって妻が頭金を出すなら、その分は共有名義にする必要があります。
たとえば3,000万円の家にたいして妻が500万円をだすなら、6分の1は妻、6分の5は夫というようにです。
もしくは夫に貸し付けるということで、夫婦間で契約書を交わして、金利を付けて夫から返してもらうなら、贈与税はかからないこともありますが。
現実的にはあまりそのようなことをされる方はいらっしゃらないと思います。
そもそも夫婦間でお互いがどれだけ貯えを持っているか、把握してないご家庭って意外に多いと思います。
これを機に、夫婦間ですっきりさせるのも良いかもしれません。
税金のことには注意をして、ご検討ください。
マイホームのお金の問題や税金について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。