定年退職からの資産運用どうするべき?FPが対策をわかりやすく解説

定年退職後の 資産運用 マネー情報

60歳女性の方からのご質問です。

旦那が今勤め先を定年退職となります。まだ5年ほどは同じ会社にいられるのでしばらく収入はあるのですが心配なのはその後です。夫婦で計算してみたところ年金以外に最低毎月10万円は必要だと考えています。退職金と今まで貯めてきたお金を合わせると2500万円、これを取り崩していくと20年分にはなりますが余裕が全くありません。今からでも運用していこうと思うのですが、どのように考えれば良いかアドバイス頂けると助かります

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年6月18日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

どのように考えるべき?

小宇佐
小宇佐

この方の年金額や毎月の支出額が分からないので、言われるように毎月10万円必要だ、という前提で考えます。

自分の金融資産を運用して年金として使うには二つの方法があります。ひとつは元本には手を付けずに利息だけを年金にする方法、もうひとつは利息だけでなく元本も取り崩して年金にする方法です。

利息だけで運用するのは可能?

1年間の金利(=運用率)別に計算してみましょう。

小宇佐
小宇佐

金利が0.1%だと毎月10万円もらうには12億円の元本が必要です。ちょっと現実的ではないですね。

金利1%で1億2000万円、金利2%で6000万円、金利3%で4000万円、ときて金利が5%までくると元本2400万円あれば毎月10万円もらえる計算となります。

ですので、質問の方の場合だと、5%安定して利息の付く運用商品にほぼ全額の貯蓄を預ければ良いのでしょうが、高金利商品は元本が保証されないものがほとんどですので現実的にはちょっと難しいでしょうね。

元本も取り崩していく場合だとどうなる?

小宇佐
小宇佐

これも金利別に考えてみます。

元本2000万円を預けて毎月10万円を受け取る場合、金利の違いで何年間受け取れるかが変わってきます。

金利0.1%だと約16年間毎月10万円を受け取り、16年後には元本もゼロとなります。同じように考えて、金利1%で(約)18年分、2%で(約)20年分、3%で23年分、4%だと27年分となり金利0.1%と4%の差は10年以上開きが出てきます。

元本も取り崩した方がはじめやすい

小宇佐
小宇佐

利息だけの場合と比べると始めやすそうです。

ただやはり高金利商品になると中途解約の場合、解約金を取られたり、一部解約ができないものもあるので注意が必要です。

さらに、投資信託や外貨預金などのように元本保証されないものも多いのでこのあたりも理解したうえで選んでいく必要があります。

両方組み合わせるのもおすすめ

利息だけを年金にすると元本が少ない場合は年金額も少なくなりますし、元本も取り崩していく方は最後は預貯金がなくなるという問題があります。

小宇佐
小宇佐

ですので、両方を組み合わせて設計するのも良いと思います。

例えば、65歳から始めるとして、まず1600万円を利率3%の毎月分配型投資信託や外貨預金で運用すると毎月4万円受け取れます。

一方で900万円を1%で運用しながら毎月6万円受け取ると13年間受け取れる計算となります。

こうすると13年間つまり78歳まではは毎月合計10万円受け取れて、13年後は元本が減ってないとすると1600万円残ります。

この1600万円をまた1%で運用しながら毎月10万円受け取ると14年間受け取れることとなり、92歳まで確保できます。

0.1%の定期預金に預けて取り崩していくと21年間つまり86歳で底をつくので単純に6年分の違いが出てきます。

投資信託や外貨預金以外におススメは?

小宇佐
小宇佐

保険商品ですが、一時払いの終身個人年金も良いと思います。

ある保険会社の商品だとまとまったお金を預けてその預けた額の一定の割合、だいたい3~4%程度を生きている限りずっと受け取ることができるというものです。

外貨建てになるので為替の影響は受けますが、最低受取保証額も設定できるので(100~130%)元本が大きく目減りすることは避けられます。

これから更に日本人の平均寿命は延びていくと言われている状況の中で、いわゆる「長生きのリスク」に対応するのには適していると言えます。

まずはどんな生活をしたいか決めることから

何を選ぶにしても先に「商品ありき」にならないように、まずは自分たちがどうしたいか、どんな生活をしたいかを決めることが重要になってきます。

小宇佐
小宇佐

今は情報が多いので惑わされないためにもしっかり考えてみてください。

定年退職からの資産運用について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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