【FPが解説】子どものお金の教育はどうするべき?

子どものお金教育 マネー情報

子どものお金の教育についてのご質問です。

我が家には3歳と0歳の男の子2人がいます。3歳の子は色々と会話が成り立つようになってきて、疑問に思ったりしたことがある時は、何で?どうして?といった具合に聞いてきます。世の中のことに色々と興味を持ち始めていると思うので、お金のことも少しずつ教育していった方が良いのかな?と思い始めました。お金の教育にも段階があるとは思いますが、いつ頃からどのように始めていったら良いのか教えて下さい。

伊藤
伊藤

私、伊藤がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年10月18日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

子どもへのお金の教育は必要?

教育といっても必ずこうしましょうというものが決まっているわけではないですが、近年では、お小遣いの使い過ぎ防止や通学時の公共交通機関の利用を目的に、お子さんへのお小遣いを電子マネーで与えている家庭も増えているようです。

親がキャッシュレスで買い物などをする姿が影響しているのか、おつりの概念を知らない子どもが増えているといった話題もSNSを中心に注目されました。

電子マネーの利用は利用状況の把握をはじめ、メリットはたくさんあります。

伊藤
伊藤

ただ、お金の価値を知り、使い方を考えさせるためには、現金を用いた教育も欠かせないと考えられます。

実際にお金の教育というのは広がっているのですか?

少し前の2014年に「金融経済教育を推進する研究会」が実施した調査では、中学1年生の74.2%、2年生で58.2%もの学校が、金融経済教育にかける時間が全くなかったことが明らかになっています。

伊藤
伊藤

この調査が今から7年前で、少しずつ変化はしてきているものの、学校の授業ではお金のことをなかなか学べていないというのが現状です。

家庭で親が教えているか、子ども自身が関心をもって自ら学ぶ機会を設けているということがなければ、学ぶ機会が得られていないということになります。

大人になってからでは遅い?

子どものうちから身をもって学んでおけば、大人になってからも賢くお金と付き合えるようになる可能性が高くなります。

例えば、次のような2人の子どもがいるとします。

(1)お小遣いがどこから出ているのか、使い切ればどうなるのかを理解していない子ども
(2)お小遣いは両親の労働によって得られているもので、使い過ぎればなくなってしまうことを理解している子ども

このうち、自身の欲求をうまくコントロールできるのは(2)の子どもと考えられます。

このタイプの子どもは、普段の生活から「お金は無尽蔵に出てくるものではない」と実感できています。

使えるお金に限度があることを理解しているからこそ、本当に必要なものを買うために知恵を絞るようになります。

こういった経験を積み重ねれば積み重ねるほど、自然と欲求をコントロールする力も身に付くと考えられます。

子どもは好奇心旺盛で、何に対してもなぜ?どうして?と問いかけてきます。

伊藤
伊藤

こういった時期にお金に関する知恵を養うことが、大人になった時に役立つはずです。

お金持ちになりましょうということではない?

多くの人はお金持ちになりたいと思っていると思います。

そして、そのためにはたくさん稼げばお金持ちになれると思っている人も少なくないと思います。

しかし、たくさん稼いでいる人がみんなお金持ちかといったら決してそうではありません。

稼いだ分だけそのまま使い切ってしまう人も少なからずいます。

逆に、稼ぎはそこまで多くなくても、着実にお金持ちになっている人もいます。

お金持ちになることが正解というわけではありませんが、稼いだだけ使ってしまう人はその稼ぎが得られなくなった時にどうなってしまうかは想像がつきますね。

伊藤
伊藤

生きていくためにはお金はとても重要です。

そのとても重要なお金との付き合い方を身に着けることは、世の中を生き抜いていくことにもつながっていきます。

お金の教育は資産運用とは違う?

資産運用もとても重要なテーマです。

伊藤
伊藤

ただ、そこに行き着くにはまず、世の中のお金の仕組みを理解し、生きる力を育むということが根本にあると思います。

例えば、スーパーでおやつを買う時に商品代金と合わせて消費税の支払いが必要になります。

この消費税がどのように使われているのか、税金の使い道を教えることもお金の教育の1つです。

そして、そのお金が社会でどのように回っているのか、お金と社会の仕組みを理解できれば、お金を使う行為は決して自分だけのものではないことに気付くことができます。

お金を使うことが社会の役に立っているという価値観を自然と身に付けるためには、子どものうちから仕組みを理解させる必要があります。

伊藤
伊藤

お金の教育は資産を殖やすためではなく、知恵を蓄えるものと考えれば、お子さんへのお金の教育に抵抗がなくなるのではないでしょうか。

お金の教育を始めるタイミングはいつ頃?

お子さんの成長具合によって差は出るとは思いますが、目安としては、以下のタイミングです。

  • 買い物ごっこができるようになった頃
  • なぜ?どうして?がよく出てくるようになった頃
伊藤
伊藤

もちろん、このような時期はとっくに過ぎてしまったという場合でも遅くはありません。

みなさんご自身でも経験があると思いますが、好奇心旺盛な子どもの頃に楽しみながら触れたことは、大人になっても身に付いたままということが多いと思います。

お金の教育の具体的な方法を端的に教えて下さい

これが正解というものではないですが、アイデアとして5つほど挙げてみたいと思います。

  1. お金の話を積極的にして、お金の役割を教える
  2. お買い物ごっこでモノの売買を実践して、仕組みを理解させる
  3. 積極的におつかいに行かせて、実際の買い物を経験させる
  4. 貯金箱を与えて、貯まったお金で募金や寄付などをして、社会貢献への気持ちを育ませる
  5. 家族で遊園地に行くなどのイベントを企画させ、予算内でどうやり繰りするかを身に付けさせる
伊藤
伊藤

親も子も楽しみながら教育できると良いですね。

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