勤労学生ついてのご質問です。
学生で月に10万ほど収入があっても、年収130万円を超えなければ扶養から外れなくてもいいのですよね?市民税や所得税はどうなるのでしょうか?
130万円を超えなくても、確定申告には行かなければいけないのでしょうかか?
学生でも収入が多い場合は健康保険を自分で払うのですよね?
勤労学生というのがイマイチよく分からないので教えてください。
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年4月9日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
学生用の優遇があるの?
勤労学生控除といって、納税者自身が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。
この勤労学生というのは、その年の12月31日の現況で、次の三つの要件のすべてに当てはまる人です。
- 給与所得などの勤労による所得があること
- 合計所得金額が65万円以下で、しかも勤労によらない所得が10万円以下であること
- 特定の学校の学生や生徒であること
合計所得が65万円以下となると、今回のご相談者の方は該当しない?
ここでいう所得というのは額面上の給料のことではありません。
会社員でもアルバイトでも、額面上の給料から給与所得控除といういわゆる経費を引いて良いことになっています。
給与の収入金額が130万円以下であれば給与所得控除として65万円を差し引くことになるので、例えば月に10万円稼ぐ学生なら年収は120万円ということになりますが、そこから65万円を引いた55万円がこの学生の所得ということになります。
こうなると、先ほどの要件として65万円以下とありましたが、これはクリアできますね。
3つ目の要件の特定の学校とは?
この場合の特定の学校とは、次のいずれかの学校です。
- 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
- 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校等のうち一定の要件に当てはまる課程を履修させるもの
- 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の要件に当てはまる課程を履修させるもの
勤労学生の控除の内容
先ほどの給与から経費として引いて良い金額に、さらに上乗せできる経費として所得税は27万円、住民税は26万円が追加されます。
例えば額面上の給料が年間130万円の勤労学生は、給与130万円-給与所得控除65万円基礎控除-38万円-勤労学生控除27万円=所得0円になります。
つまり所得税が発生しないんですね。
いっぽうで私たち社会人にはこの27万円の控除はありませんので、同じ年収130万円でも、そこから27万円は引けなくなるので、103万円を超えると所得税が発生します。
いわゆる103万円の壁というものですね。
手続きはどのようにする?
会社から給与を得ている場合、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に提出すればOKです。
確定申告をする方の場合は、確定申告書に勤労学生控除に関する事項を記載して提出してください。
また、先ほどお話しした学生要件のうちの、専修学校もしくは職業訓等の学生の場合は、その証明書も勤務先に提出するもしくは確定申告書に添付をする必要があります。
注意することは?
学生にとっては良い制度なので、もちろん利用してください。
いっぽう親にとっては実は自分の税負担が増える可能性があります。
16歳未満の子供には受けられませんが、16歳以上の子供がいる親には、一定の要件を満たせば親の給与から所得控除いわゆる経費がさらに引けるようになっています。
控除できる金額は子供の年齢により異なるのですが、16歳以上なら38万円、19歳以上23歳未満なら63万円が親給料から控除できます。
ただこの子供が年間103万円を超える給料を稼ぐと、この控除が受けられなくなります。
税率は人それぞれなので一概には言えませんが、親の税負担は年間で約4~7万円以上増えることになります。
お金のお悩みございましたら、小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。