JAFと自動車保険のロードサービスの違いについてのご質問です。
我が家には夫婦それぞれが乗る用に、車を2台保有しています。
自動車保険は当然2台とも加入していますが、夫はJAFにも加入しています。
そのJAFの更新時期に差し掛かっているのですが、今年分の更新をするかどうか迷っています。
というのも、私(妻)が以前、外出先でバッテリー上がりを起こしてしまったときに、私の加入する自動車保険で無料対応してもらったことがあるからです。
なのでJAFに加入する必要性を私自身はさほど感じていないのですが、夫は万が一のためにとこれまで加入し続けてきました。
お金もかかることなので、本当に必要なのか、納得の上で今後も加入するかやめるか決めたいところです。
双方の違いなどあれば教えてください。
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で 2021年10月25日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
JAFとは
正式名称を一般社団法人日本自動車連盟(Japan Automobile Federation)、頭文字をとってJAFと呼ばれ、創立は1963年で従業員数は約3,400名の大きな組織です。
JAF会員の自動車トラブル諸々に対して、その多くを無料で、24時間36日対応してくれます。
驚くのは会員の継続率が90%以上と、一度会員になればその殆どの方がそのまま継続するという点です。
よってJAFの会員数は、例年ほぼ右肩上がりで、2021年3月時点では約1990万人もいるそうです。
街中で、車体フロントに大きくJAFと書かれた青色の牽引車は、誰でも一度は目にしたことがあると思います。
会員費はどれくらい?
会員には、個人・家族・法人の3種類があり、契約期間は最短1年~最長5年間まで選択できるようになっています。
例えば個人会員で1年間の単年契約をする場合には、初年度は入会金2,000円+年会費4,000円の合計6,000円を支払います。
これを1年間の単年契約ではなくて毎年の自動更新契約&クレジットカード支払いにすると、入会金が500円割引されて1,500円+4,000=5,500円になります。
家族会員というのは、個人会員の方の同居もしくは生計を一にする親族(別居しているが仕送りをしている親や子供など)であれば最大5名まで追加できる制度で、入会金は無料、年会費は4,000ではなく2,000円とかなり割安に加入できます。
サービス内容は?
バッテリー上がり・パンク・インロック・燃料切れ・事故や故障での車両けん引・搬送作業などのロードサービスを、会員なら無料で受けられます。
もちろん会員ではない方でも利用できますが、その場合は有料で対応することになり、先ほどのような作業内容であれば15,000円前後の費用負担となります。
その場でJAF会員になることもできますが、無料対応になるのはあくまでも次回以降のロードサービスが対象です。
サービスの対応となる車両が幅広いのも特徴で、特殊車両と言われるブルトーザーやクレーン車・ショベルローダなどは対象外ですが、それ以外はほとんど対応してくれます。
よって車のトラブルに対して非常に心強いサービスなのですが、今回のご質問は、このJAFで対応してくれる内容のうち一部は自動車保険でも対応してくれる場合があるので、わざわざ有料のJAF会員にならなくてもいいのでは?という方もいらっしゃいます。
実際にそういうご質問はこれまでも何回か頂いたことはあります。
自動車保険と重なるというのは具体的にどんなこと?
最近の殆どの自動車保険には、ロードサービスという補償が自動的に付帯されています。
保険会社ごとで補償内容は異なるものの、比較的軽微な車両トラブルであれば、この自動車保険のロードサービスで対応できてしまうということです。
某大手保険会社のロードサービス内容を挙げますと、以下の通りです。
・レッカー費用(事故や故障で走行不能の場合、保険会社の指定工場までの搬送費用を15万円まで補償)
※搬送先の工場を指定したい場合には、保険会社に要確認。
※JAFのレッカーは15㎞まで無料なので、15万円まで無料(距離に換算すると約180㎞まで無料)という自動車保険のほうがむしろ手厚い
・緊急応対費用(バッテリー上がり・インロック・スペアタイヤ交換等の、トラブル現場での対応費用を15万円まで補償)
※部品代は別途必要、レッカーも必要な場合にはレッカー費用と併せて15万円まで補償
・燃料切れ対応(路上でガソリン切れを起こしたら10ℓを現地に配送、電気自動車の場合には最寄りの充電可能施設まで車両を搬送)
※自宅での燃料切れの場合には、ガソリンは届けてくれるものの燃料費は自己負担、電気自動車の場合には搬送の手配はしてくれるが搬送費用は自己負担
以上のように結構充実しており、先ほどお伝えしたJAFのサービスと重なる部分がありますよね。
JAF会員ならではの補償はある?
沢山ありますが、例えば出先で車がレッカーされたら、その後の自分の体を運ぶ手段が無くなります(保険会社が手配するレッカー業者は、人間は運んでくれません)。
自動車保険のロードサービスでは自分の体を運ぶ手段にかかる費用(タクシー代や電車賃)は、契約内容によっては補償の対象になったりならなかったりですが、JAFなら一緒に車に乗せてもらえますからね。
他にも例えば雪道やぬかるみにスタックしてしまった場合けん引しないといけなくなりますが、自動車保険のロードサービスは補償の対象外になることが殆どで、JAFは無料対応してくれます。
雪道でいうと、タイヤチェーンの脱着もJAFは対応してくれますね。
あとはパンクした場合に、JAFならその場で無料でパンク修理をしてくれますが、自動車保険ではパンク修理はロードサービス補償の対象外(修理工場までのレッカーはOK)になっていることが殆どです。
いまの車はスペアタイヤを載せていないことが殆どだと思いますので、パンクをするとどこかに運ぶ以外どうにもならないですから、その場でパンク修理をしてもらえるのは意外に有難いと思います。
そして一番大きな差は、自動車保険のロードサービスはあくまでもその車両に対する補償であり、JAFは会員個人に対する補償であるという点です。
つまりJAF会員であれば、マイカーではなくても、例えば友人の車の搭乗中にその車が故障した場合でも、補償の対象になるという点ですね。
車の他にバイクを所有している人は、そのバイクもJAFの補償対象になります。
このように基本的にはJAFのほうがロードサービスが充実しています。
会員になるかどうかの判断基準
ご自分の車の使用状況と、加入している自動車保険のロードサービスの補償範囲を見て、十分と感じるならそれで良いと思います。
補償範囲の見方については、約款を見るのが一番良いです。
約款というと皆様のイメージ通り分厚い冊子もしくは大量のデータになるのですが、ロードサービスの箇所は少しなので、一般の方でも無理なく読み込めると思います。
あとは、日々の車の使用がハードな方、アウトドアが趣味で雪道や山道を走行をする方、年式の古い車に乗っている(故障が多い)方、などはJAF会員がいいんじゃないでしょうか。
自動車保険のロードサービスは年に1回しか無料で利用できませんが、JAFは何回でも無料で利用できますので、その点も考慮頂いてお決めください。
保険やお金についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。