銀行のカードローンはなぜ増えた?理由や利用のメリットをFPが解説!

銀行 カードローン マネー情報

銀行のカードローンについてのご質問です。

最近ニュースで銀行カードローンの利用者が増えていると聞きました。
テレビCMやラジオなどでも、カードローンのCMが最近よく流れています。
どうしてこれだけ銀行のカードローンが増えているのですか?
やはり銀行だと安心できるからでしょうか?

針田
針田

私、針田がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年7月10日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

銀行のカードローンとは

銀行が窓口となり提供する、担保を取らない個人向けの融資商品です。

2017年3月末の貸付残高は5兆6024億円と、10年前と比べて約6割も増えています。

増えた理由は?

銀行にとって旨味のある融資商品だからです。

というのも最近は世の中の金利が軒並み低くなっていますよね。

例えば個人の方が人生の中で最も大きなお金を借りる住宅ローンについては、固定タイプの商品なら、5年前と比べて金利は約半分まで下がっています。

5年前の10年固定タイプの金利は1.6%が相場でしたがいまは0.8%ですし、全期間固定タイプのフラット35も、5年前は2.2%でしたが今は1.1%です。

これだけ金利が低いので、住宅ローンの貸付残高もここ数年軒並み増えており、なかでも昨年は対前年度比で27%も貸付残高が増えています。

そう考えると、一見銀行の収益は増加しているようにも見えますが、結局かなり低い金利で貸し付けていますので、利益はそれほど期待できません。

そこで銀行は他の金融商品の販売に力を入れたり、カードローンにも目を付けたんですね。

カードローンは住宅ローンと違い無担保で貸し付けるため、金利が年2~15%程と高く設定しても、利用者は現れます。

針田
針田

さらに2010年6月の改正貸金業法の施行が、さらに銀行にとっての追い風となりました。

改正貸金業法とは

まず貸金業法とは、消費者金融などの貸金業者の業務等について定めている法律のことを言います。

これが2010年6月に大幅に改正され、かなり規制が厳しくなりました。

例えば年収の3分の1を超える額の新規の借り入れが出来なくなり、借入時にも収入を証明する書面の提示が原則必要となりました。

以前なら、例えばAという消費者金融で借りて、Aではこれ以上借りられなくなると次はBへ行きCへ行きと、多重債務が問題になっていましたが、これが法改正により全体の借入残高が年収の3分の1までという上限が決められたので、消費者金融側からすると、お金の貸付先がかなり減ることになりました。

また金利の法廷上限も見直され、以前は年29.2%でしたが、これが借入残高に応じて15~20%へ引き下げられました。

他にも規制が厳しくなる内容が盛り込まれた為、消費者金融は軒並み経営悪化となり、中小の業者は廃業、大手も過払い金請求で大変という状況です。

いっぽうで銀行については、この改正貸金業法が適用されないんですね。

針田
針田

となれば、10年前と比べて貸付残高が1.6倍に増えているのは当然ですよね。

どうして銀行には適用されない?

銀行のカードローンには、貸金業法ではなく銀行法が適用されるためです。

銀行法には、先ほどのような借入残高と年収との制限が3分の1までといったような、総量規制と言われる制限が無い為、銀行は独自の融資を行えます。

日本弁護士連合会の調査では、銀行のカードローンの利用者の中に、借入金額が年収の3分の1を超えている例も見つかったようです。

そこで日弁連としては、銀行カードローンにも総量規制が適用するよう制度改正を求めています。

いっぽうで銀行業界はこれに反対しており、その代わりに融資審査を厳格化するなどの、自主規制にて対応するという考えのようです。

例えばあるメガバンクでは、融資上限額を年収の2分の1から3分の1へ減らすという改正を独自に行っています。

針田
針田

よって今後については、場合によっては銀行業界にも法的規制が入るかもしれませんね。

カードローン利用時の注意点は?

当たり前のことですが、お金を借り過ぎない、これだけです。

私が過去に受けたご相談者の中には、いくつものカードローンを利用しており、一つ一つの返済額だけ見ていくと、なんとなく返していけそうな誤解を、ご自身でしてしまっているというケースがありました。

しかし、生活費、税金社会保険料、住宅ローンもしくは家賃、車の維持費、子供がいるなら将来の学費、保険、遊興費などをすべてきっちり計算すると、全く貯蓄が増えないもしくはずっと赤字というケースが多いはずです。

そもそもカードローンを利用する時点で、家計にはゆとりが無いはずですから。

針田
針田

本当にどうしようもなく必要な時は利用するのも仕方がないのかもしれませんが、なにか別の手段が無いかなど、専門家にも相談しながらうまく利用するとよいでしょうね。

お金の使い方についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。

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