違法な貸し付けについて30代主婦からのご相談です。
田舎の両親(共に60代です)が自営業をしているのですが、新型コロナの影響もあり業績はあまり良くないようです。
それを狙ってなのか、いろいろな業者から電話やダイレクトメールで『お金を貸します』と連絡があるようです。
両親に釘を刺しておこうと思いますが、自分でも『悪質な業者』の見分け方が明確には分かりません。
特に引っ掛かりやすいような手法を教えていただけないでしょうか?
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2022年4月4日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
悪質な貸し付けの見極め方は?
違法な金利に気を付ければいいのですが、巧妙な手口が多く金利に気が付かないようになっているケースも多くあります。
まず年率20%を超える貸し付けは、出資法(第5条第2項)で定められた上限金利を超えることになり罰則の対象となります。
ただ悪質な貸し付けの場合は、「貸付金利、年40%」のように明確に謳っていないケースの方が圧倒的に多いです。
具体的な違法貸し付けの手口は?
本当にあきれるくらい多くの手法がありますが、特に最近多くなっていたり、分かりにくいものをお伝えしていきます。
個人間融資
まず増えているのは「個人間融資」です。
主にSNSなどを通じて見知らぬ人同士が知り合い、そこでお金の貸し借りをおこなうものです。
実際は一般の方ではなく、個人を装ったヤミ金融業者により違法な高金利で貸し付けがおこなわれています。
やっかいなのは個人情報が悪用され、更なる犯罪被害やトラブルに巻き込まれる危険性があることです。
年金担保金融
また年配の方だと「年金担保金融」にも気を付けたほうがいいと思います。
その名の通り、年金などの公的給付金を担保に、高金利で金銭を貸し付けるヤミ金融業者のことです。
中には、完済しても年金証書や銀行の通帳などを預かったまま、延々とお金を引き出し続ける悪質なものもあります。
チケット金融
チケット金融は、高速回数券などのチケットを代金後払いという形で販売し、チケットを指定した金券ショップなどに持ち込むことで現金化させ、例えば一週間後くらいににチケットの販売金額を返済させます。
現金化した受取金額と返済金額との差額を利息とみると法外な利息となります。
家具リース金融
家具リース金融は、債務者の家具一式を買い取る売買契約を結び、売買代金としてお金を渡します。
そのあと、業者がその家財道具一式を債務者にリースする旨のリース契約を結び、家具はそのまま家に置いておいて、リース料として法外な利息を取るという手法です。
同様な手口として車リース金融があります。
商売をしている人に対しての手口は?
商売をしている人を対象にしているようなものとしては、システム金融と呼ばれる手法があります。
資金繰りに困った事業者に対して、即日で融資します、というようなことを謳い文句にダイレクトメールやファックス等で勧誘し、勧誘に応じると担保代わりに手形や小切手を送らせ融資します。
そのあと手形や小切手の期日が近づくと、最初の業者は厳しく取立てを迫る一方で、別の業者から融資の案内が届き、借り換えを勧誘します。
複数の業者が債務者(借入人)情報を共有しており、同じ事業者に次々と融資をおこなっていきます。
債務者の会社を倒産させまいとする弱みにつけ込んでおり、この方法を繰り返し行うことによって、違法な高金利の借入れを雪だるま式に膨れ上がらせ、最終的には破産に追い込まれる、ということもあります。
他にも、融資の約束をした後、保証料などと称して手形、小切手などを送付させ、融資を実行しないまま連絡を絶ち、だまし取るというシンプルな?手口もあるので注意が必要です。
騙されないようにするには?
ほとんどの場合で悪質・違法な貸し付けは貸金業の事業者として登録していない、いわゆる「無登録業者」「ヤミ金業者」がおこなっていると考えられます。
無登録でありながら架空の登録番号や別の登録業者の登録番号を勝手に使っている業者は、金融庁が会社名を公表しているので確認することができますので、必ず確認しておくべきです。
無登録の業者でも会社名を「〇〇バンク」とか「〇〇信託」など紛らわしいものにしているケースも多いのでイメージだけで判断してはダメですね。
もちろん金利にも注意が必要です。
法定金利の年20%を超えているかどうかの確認は当然として、金利自体を明確にしない場合や「3万円借りて7日後に5千円の利息」や「1ヶ月で7%」など年利で示さずに分かりにくくしているものに誤魔化されないようにしなければいけません。
また先程お話したチケットや家具、車などモノを介してお金を貸す業者は特に注意が必要です。
店舗を構えている質屋さんや金券ショップなら良いですが、チラシのみだったり連絡先が携帯電話のみといったものは関わるべきでは無いですね。
お金を借りる場合は、いろいろな事情や後ろめたさもあり、周りに相談しにくいと思いますが、悪質な業者はそこに付け込みますので、ひとりでは決めないようにすることも予防策になると思います。
悪質な金利についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。