住民税とはどんな制度?いまさら聞けない仕組みや課税対象、納税方法まで解説

住民税とは? マネー情報

住民税の仕組みについてのご質問です。

この時期になると、固定資産税や自動車税など、税金の請求が立て続けにきます。
つい先日ようやく確定申告が終わったと思いきや、頭の痛い話です。
ところで住民税のことをあまり気にしたことが無いのですが、これもそろそろ請求書が届くと思います。
住民税については、内容をよく知らないまま支払ってはいますが、どういう制度なのか、教えてください。

針田
針田

私、針田がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年5月17日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

住民税の仕組みについて

針田
針田

住民税というのは、道府県民税と市町村民税を合わせた 地方税の一種で、 毎年1月1日時点の住所登録地において納める税金です。

私たち個人は個人住民税を、 そして意外かもしれませんが 実は法人も法人住民税を支払っています。

法人の場合は事業所がある自治体への納税です。

仕組みについては個人も法人もよく似ていて、個人の場合は 「均等割額」 と「所得割額」の合計を、法人の場合は 「均等割額」 と「法人税割額」の合計を納めます。

「均等割額」 とは

針田
針田

これはその名前の通り、誰でも均等になる税額をいいます。

具体的な金額ですが、市町村民税は3,500円、道府県民税は1,500円、これが平成26年度から35年度までは一律となっています。

収入が少ないと非課税になることはありますが、基本的には全国共通です。

「所得割額」とは

針田
針田

これは、個人の前年の所得により算出される税額のことを言います。

所得税と違って、住民税は前年の所得が課税対象になるというのが特徴ですね。

具体的な税額は当然人により異なりますが、税率は共通です。

例えば会社員なら、額面の給与収入から給与所得控除等の一定の控除をして出てくる課税標準額に対して、 市町村民税が6%と道府県民税が4%の合計10%の税率を一律にかけて算出します。

税率が一律という点も所得税とは違っていて、所得税は所得金額に応じて最低5%~最大45%の累進課税方式ですが、住民税は一律10%です。

平成18年度までは住民税も5~13%の累進でしたが、税制改正により一律となりました。

前年の所得が課税対象であることに注意

針田
針田

収入が前年よりも減ってしまう年は、負担が重く感じるでしょうね。

特に今はコロナによりそういう方も多いかもしれません。

また平時であっても、個人事業主のように、収入の変動が大きい職種の人は気を付けたいです。

また会社員でも、何らかの理由で休職をした場合でも、前年に働いていたなら住民税の請求は来ます。

休職の理由が傷病等なら傷病手当金が、出産なら産前産後と育児休暇手当金が支給されるのですが、それでも普通に働いているときよりは手取りは少ないので、収入が満額の時の住民税請求がくるというのは負担が重く感じると思います。

針田
針田

あと普通に働いて年収に変動が無い場合でも、一部の控除が受けられなくなることで住民税の負担が増えることもあります。

具体的にはどんなケース?

例えば「配偶者控除」です。

配偶者が一定の所得未満だと、ご本人には最大で33万円の所得控除が受けられますが、配偶者が沢山働くようになるなどその控除が受けられなくなります。

33万円の控除が受けられなくなるということは、つまり課税標準額が33万円増えるわけですので、その10%の33,000円の住民税負担が増えます。

もちろん、この場合は33,000よりも多くの給料を配偶者が稼ぐわけですので、世帯全体で見れば問題ではないとは思うですが。

針田
針田

いっぽうで、持家を住宅ローンで購入した人が要注意ですね。

ご存じの方も多いと思いますが、住宅ローンを利用すると、ローン開始から10年間は住宅ローン減税を利用できるようになっていますね。

毎年の年末ローン残高の1%を上限として、所得税の税額控除を受けることができます。

さらに所得税の控除だけでは控除額の上限に達しない方については、その余った分については、最大で136,500円の住民税の控除を受けることができるようになっています。

針田
針田

よってローン開始から11年目以降は136,500円の住民税負担がそのまま増額しますので、月々に換算すると11,000円程の負担増となりますので、負担感はかなりあると思います。

住民税の納税方法は?

会社員の場合は、勤務先がその従業員の居住地の自治体へ「給与支払報告書」を提出しますので、あとは自治体で税額を計算されます。

個人事業主等の場合は、所得税の確定申告書を提出すると、それが自治体へ回されますので、やはりそこで税額が計算されます。

どちらの場合も、前年の1月1日~12月31日までの所得に応じた納税額を、翌年の6月から納めます。

会社員なら給与天引きで1年間に分けて毎月納付(特別徴収)、個人事業主には自宅へ納付書が送付されますので、それをもって銀行等で支払います(普通徴収)。

針田
針田

ちょうどこの時期になると、住民税の決定通知書というのを受けとるとも思いますので、一度ご自身がどのくらい納税をしているのかご確認頂いても良いかもしれませんね。

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