生命保険料についてのご質問です。
この前、友人から生命保険料が来年(2018年)の春になると下がるらしいと聞いたのですが、本当でしょうか?
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年7月24日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
生命保険に入っている人の割合は?
日本人は保険好きとよく言われます。
その根拠として挙げられるのが加入率です。
生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」によりますと、男性で80.6%、女性で81.3%となっております。
約5人に4人が加入しているということになります。
生命保険に加入していないという人を探す方が難しいということですね。
毎月の生命保険料の支払額
生命保険文化センターが実施した「生活保障に関する調査」の平成28年の集計によりますと、1世帯あたり約38.5万円という結果が出ています。
月あたりにすると、3.2万円くらいになります。
保険には掛け捨てタイプと貯蓄タイプがありますので、タイプによって3.2万円という金額の持つ意味も異なってきます。
また、家族構成等によっても必要な保険が異なってきますので、単純に多いか少ないかを比較するのは難しいですね。
生命保険料の金額の基準は?
今や80年、90年といった長寿社会になり、昔に比べて長生きをするようになってきています。
そういった背景から、一定期間内に死亡した際に保険金を支払う定期型の保険料は下がる反面、病気にかかるリスクの高まりを反映して医療保障など生きるための保険料には上昇圧力がかかる傾向にあります。
保険会社はほぼ10年おきに見直される「標準生命表」というものに基づいて保険料を決めています。
現在は2007年版のものが基準とされており、例えば40歳男性の場合、1,000人いると、年間1.48人が亡くなるとされています。
これが、来年の4月の改定で1.18人に下がる見込みです。
約20%の減少となりますが、病気の早期発見など医療の進歩の影響と考えられます。
死亡保険の商品は全体的に下がるの?
全体的には下がる傾向にあると考えて良いでしょう。
例えば、保障期間が10年の定期死亡保険なら、計算上、現状よりも5~10%程度安くなる見通しと言われています。
また、期間限定ではなく、一生涯の死亡を保障する終身保険は1~3%程度安くなる見通しと言われています。
ただし、保険会社は横並びで保険料が全て一緒というわけではなく、経営をしていく上でかかる様々な費用等も踏まえて保険料を設定しますので、当然、保険会社によって差が出てくると考えられます。
なお、関係があるのはあくまで新規で加入する人です。
現在加入中の保険料が勝手に下がるということはありませんので、ご注意下さい。
医療関係の保険も下がるの?
昔に比べ、家族構成の変化、共働き世帯の増加、少子化等もあり、自らの死後に家族に残す保険の必要額は減ってきています。
その代わりに、病気やケガへの対処や働けなくなった場合など「生きている間の備え」への需要が高まってきています。
生命保険協会によれば、平成28年度においては、医療保険と終身の死亡保険の新規加入者数はほぼ同数であったようです。
過去5年間においては、終身の死亡保険が1%ほど減少しているのに対し、がん保険は33%伸びたようです。
長生きするほど生きるためのリスクが高まる実態を反映し、医療保険などの保険料は理屈上、高まる傾向にあります。
何か気を付けることは?
生命保険料が下がるということは、加入する側にとってはとてもありがたいことです。
ただし、保険会社も利益を出していかなければ生き残っていくことはできません。
各保険会社は様々な商品開発をし、販売をし、しのぎを削っています。
やみくもに保険料を下げるのではなく、加入者側の需要をくみ取った商品でなければ、選んでもらえません。
保険料が安いということはとても重要なことですが、そこだけにとらわれず、ご自身にとってどのような保障が必要なのかという根本的な部分をしっかりと押さえた上で、より良い商品選びをして頂きたいですね。
保険や資産運用についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。