保険の代理請求についてのご質問です。
先日主人が入院をしました。
治療の甲斐もあり幸い無事なのですが、大きな病気だったので、長期間の入院を予定しています。
主人は民間の保険に加入しているので、入院や手術代の請求をする予定です。
ただ、書類記入など本人はまだ難しい状況です。
こういう場合は、本人じゃないと請求が出来ないのでしょうか?
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年10月16日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
保険契約の手続きは可能?
まず保険契約というのは、契約者・被保険者・受取人の3人が登場するのが基本です。
契約者というのは保険会社と契約手続きをし保険料の負担をする方、被保険者というのはその保険契約の対象者、受取人というのは保険金を受け取る方のことですね。
生命保険の場合、契約者と被保険者については、同一であることが多いです。
自分で自分に保険をかけて、万が一の際には、家族に死亡保険金が支払われるようにする、という契約形態ですね。
いっぽう医療保険やがん保険の場合は、契約者・被保険者・受取人がすべて同一であることが多いです。
ご自分でご自分に保険をかけて、入院などをした場合は、自分に保険金が支払われるようになっています。
今回のご相談は医療保険に該当するので、これは被保険者であるご主人様が、ご自分で保険金請求手続きを行うのが基本です。
ただ、特別な事情がある場合は、「指定代理請求」というのが認められるケースがあります。
指定代理請求とは?
これは、被保険者に特別な事情がある場合に、契約者があらかじめ決めておいた代理人が、被保険者に代わって保険金請求が出来るという制度です。
あらかじめというのは、この代理請求人については、保険の加入時に誰かを指定していることがほとんどだからです。
代理人を指定する際には、契約者は被保険者の同意を得る必要がありますが、先ほど申したとおり契約者も被保険者も同一であることが多いので、同意もなにも本人の希望で決めていることがほとんどだと思います。
また、この制度を利用するためには、被保険者が特別な事情である必要があるのですが、それは、以下の場合です。
- 病気や怪我により、保険金等を請求する意思表示ができないとき
- 治療上の都合により、傷病名または余命の告知を受けていないとき
- この①か②に準じた状態であるとき
今回の方はこの③に該当するかと思われます。
どんな保険でも認められる?
いえ、一概にすべてというわけではありません。
指定代理請求できる保険の種類は生命保険会社によって異なりますが、基本的には被保険者が受取人になっている契約には備わっていることが多いです。
例えば今回のような、入院給付金や手術給付金が支払われる医療保険契約です。
他にも下半身不随や重度のねたきり状態で支払われる高度障害保険金、ガンや心筋梗塞・脳卒中などの特定疾病保険金、所定の介護状態で支払われる介護保険金などもあります。
養老保険や年金保険のような、被保険者と受取人が同一人の生命保険もありますね。
あとは、特定の状態になった場合に、それ以降の保険料の支払いを免除してもらう、「保険料払込免除」についても、代理請求することができます。
保険会社や保険商品、契約内容により異なりますので、ご自身の契約はどうなっているかの確認はしておいたほうがよいでしょう。
なお、契約途中でも被保険者の同意を得て、指定代理請求人の指定や変更ができることがほとんどです。
お互いに保険の内容のことを知っておいたほうがよい!
そうです、特に代理請求人には、説明をしておいたほうが良いと思います。
代理請求人指定された方は、そのことをご存じないことも多いと思います。
夫婦間であれば、お互いがどんな保険に加入しているかは、ある程度はご存知だと思いますが、親子間はどうでしょうか?
ご自身の親や子供がどんな保険に加入しているか、ご存知かと聞かれると、そうではない方も多いと思います。
指定代理請求を使うときには、被保険者の方が意思疎通を取れないケースも有るかと思います。
死亡はその最たる例ですよね。
ちょうどこの10月には、民間の保険会社が、保険料控除証明書という書類や葉書を契約者の下に一斉送付します。
この機に家族間で確認をして頂くとよいと思いますよ。
保険やお金について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。