コロナ関連の給付金の税金についてのご質問です。
我が家の夫は会社員なのでこれまでは年末調整だけで済んでおりましたが、昨年はコロナ関係の給付金を受け取っています。
確定申告の時期になりましたので、様々なメディアでもその話題を目にするようになりましたが、我が家も今年は申告に行かないといけないのでしょうか?
コロナ関連の給付金のうち、税金の対象になるものとならないものの違いについて教えてください。
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年2月15日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
課税と非課税の違いの原則
個人や事業主が得た経済的な利益や収入には原則として所得税や法人税がかかりますが、特定の所得には非課税が認められています。
所得税法第9条にある通り、「心身または資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金」、「学資として支給される金品」などです。
イメージしやすいのが保険金です。
地震や台風などの災害に遭った際の火災保険や地震保険から支払われる損害保険金、自動車事故に遭った際に受け取る保険金、病気やケガで療養を受ける際に受け取る医療保険金などです。
このような保険金を受け取った経験のある方も多いと思いますが、それに対して税金を払ったかというと、おそらく払っていない方が多いのではないでしょうか。
まれに、契約形態によっては所得税や贈与税などの課税対象となることもありますが、多くは非課税扱いになっています。
コロナの給付金も同じ扱いのものがある
基本的には同じ考え方で、見舞金もしくは学資金扱いの給付金は非課税、反対にそうではない給付金は課税対象です。
見舞金扱い(非課税)の給付金は、以下のものがあります。
- 低所得の一人親世代へ支給される「ひとり親世帯臨時特別給付金」
- 医療従事者に支給する「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」
学資金扱いの給付金もあります。
- アルバイト収入が激減した学生に支給する「学生支援緊急給付金」
- 日本学生支援機構から支給される「給付奨学金」
などです。
一律10万円の特別給付金も非課税
はい、これは所得税法9条に該当するわけではないのですが、特例法によって非課税扱いになっています。
他にも、コロナにより休業となった中小企業の労働者のうち、休業中の賃金(休業手当)を事業主から受け取れなかった労働者に対する「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」もそれに該当します。
ここでいう労働者というのは、必ずしも正社員でないといけないわけではなく、学生のアルバイトも対象です。
聞くところによると、この制度の利用率がとても低いらしく、国の想定の1割程しかまだ申請されていないようです。
課税対象になる給付金は?
企業が倒産したことにより、賃金が支払われないままに退職した方へ支払われる「未払賃金立替制度」、これは退職所得扱いになります。
企業側の都合で働く人を休業させた場合に払う休業手当は、給与所得扱いで課税対象です。
あとは、事業主向けの給付金は、基本的に課税対象です。
中小企業や個人事業主に支給された200万もしくは100万円の持続化給付金ですが、それぞれの申告内容に応じて、事業所得・一時所得・雑所得として課税対象です。
他にも、以下の給付金は課税対象です。
- 売上減少による家賃負担の軽減として給付される「家賃支援給付金」
- 国や自治体からの要請により休業や時短営業をする企業へ支給される「休業要請協力金」
- 休業した企業が従業員に支払う休業手当の費用を国が補填する「雇用調整助成金」なども事業所得扱いです。
ただし、もちろんそれをもとに給与や家賃の支払いに充てることで、それを経費(損金)として相殺できます。
課税非課税の判断がわからない場合は?
税金の扱いがわからない場合には、税務署や税理士に問い合わせるのが一番だと思います。
インターネットが苦手ではない方なら、ご自身で調べるツールとして、昨年から始まった国税庁の用意する「AIチャットボットふたば」というサービスがあります。
確定申告と年末調整の問い合わせに対して、AIが答えるサービスで、昨年度の年末調整分は受付終了しましたが、昨年度分の確定申告に対する質疑応答は今年の1月12日から始まり、現在も受付中です。
ただ実際に使ってみると、大雑把な回答が目立ちますし、回答によっては様々なリンク先に飛ばされますので、質問事項がある程度明確になっている方は、やはり専門の人間に直接問い合わせたほうが良いかもしれません
コロナ関連の給付金の申請漏れに注意!
例えば先ほどご紹介した「 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」ですが、中小企業の労働者を対象いいましたが、必ずしも正社員でないといけないわけではなく、雇用保険未加入の学生アルバイトも対象です。
この制度の認知度がとても低く、利用率は国の想定の1割程という調査結果もあるようです。
そこで、休業の対象期間やその申請期間の延長が決まりました。
詳細については厚労省のホームページに載ってありますので、思い当たる方は一度チェックしていただくとよいと思います。
コロナ関連の給付金について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。