住民税や医療費が高い?原因や注意点をFPが解説します

住民税と医療費が高い原因 マネー情報

住民税や医療費がバラついてお悩みの方からのご質問です。

70代の両親の住民税や医療費が年ごとにバラつきます。
おそらく父親がアパートなどの収益物件をいくつか持っているからだとは思いますが、近くに住んでいる訳ではないので内情はあまり詳しく分かりません。
今度帰省した際に何が原因かを確認してみようと思っています。
何をチェックすれば良いか、削減できる方法がないか、ポイントだけでも教えていただけると助かります。

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年6月17日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

住民税や医療費がバラつく原因は?

小宇佐
小宇佐

収入のバラつきは各種税金や医療費などにダイレクトに関わってきます。

情報が少ないので正確には分かりませんが、収益物件を持たれているとのことですのでおそらくは収入が毎年一定でないのでは、と予測されます。

ただ年金収入や家賃収入などは毎年そんなにバラつくとは考えにくいので、例えば持たれている収益不動産を売却などされたのではないかと思います。

住民税が影響する行政関連のサービスは?

小宇佐
小宇佐

住民税額が影響する行政関連のサービスは以下のものがあります。

  1. 高額療養費制度の自己負担額
  2. 高額介護サービスの自己負担額
  3. 介護保険の保険料(1号被保険者)
  4. がん検診や予防接種の料金

ちなみに高齢者以外では以下のものも関係しています。

  1. 保育施設の保育料
  2. 高等学校等就学支援金制度
  3. 奨学金制度

国民健康保険の保険料は住民税額と関係ある?

小宇佐
小宇佐

国保(国民健康保険)や後期高齢者医療制度の保険料は、以前は住民税額を基に保険料を決める自治体もありましたが、今は加入者の総所得を基に計算する方法に統一されました。

総所得というのは年金収入に加えて不動産所得や配当所得も合算されるので、結局不動産収入などが多いと高くなる仕組みです。

ちなみに医療費の自己負担額は70歳以上の場合、基本は1~2割ですが、「現役並み所得」がある人は3割負担となります。

国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者は、住民税の課税所得額が145万円以上だと現役並みとみなされます。

課税所得が145万円の場合、実際の年収は?

課税所得というのは収入から基礎控除や社会保険料控除などを引いたものなので、収入にすると約386万円となります。

不動産が関係すると、収入が高くなる可能性あり!

小宇佐
小宇佐

国民健康保険の保険料も高くて、医療費の自己負担も多くなるというダブルパンチになります。質問者の方の限らず、高齢の親御さんの収入がどのくらいあるか一度確認しておいた方が良いですね。

不動産収入等があるのであれば、収入を調べるのは確定申告書を確認するのが確実です。

ふるさと納税は効果がある?

小宇佐
小宇佐

ふるさと納税をすると住民税や所得税って軽減されます。しかし、ふるさと納税をしたからといって医療費・介護費の自己負担は軽減できません。

医療費や介護費の所得区分はふるさと納税分を控除する前の課税所得を基に決まります。

そのため、医療費・介護費の自己負担は軽減できません。

その他注意点はある?

小宇佐
小宇佐

気をつけることは、もし大きな病気で治療などをしていて医療費が掛かっていたり、介護サービスを受けているような場合です。

そのような状況の中で不動産や株式の売却をおこない、その売却益が大きくなると、今日お話ししてきたように住民税、保険料などが重くなり、合わせて医療費の自己負担、高額療養費制度の自己負担、介護サービスなどの自己負担も増えることになります。

基本、収入が多ければ税金や保険料を多く負担することは仕方ありませんし、個人の場合だと引ける控除や経費も限られていますのであまり調整は効きません。

また住民税はご存知の通り時間差でやってきます。例えば昨年度の住民税は、今年の6月から来年の5月にかけて払うことになります。

思わぬ時期に一気に家計負担が圧迫されることになるので、このような状況では不動産や株式の売却時期には慎重になるべきです。

住民税や医療費について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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