40歳女性の方からの質問です。
昨年結婚して今年無事子供(第一子)が産まれました。私も夫も今年40歳になるいわゆる『晩婚夫婦』です。子どもができたことは当然とても嬉しいのですが年齢やおカネのことを考えると正直不安もかなりあります。ふたりとも初婚で今まで自分のことだけを考えてやりくりしていたので、恥ずかしながら三人家族でのマネープランのイメージがいまいち分かりません。
この年齢から子どもを育てたり家を購入したりする場合に考えておくべきことや具体的な対策がありましたらぜひ教えてください
私、小宇佐がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2018年11月5日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
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40歳前後で初めての子どもを授かる家庭が増えている
厚生労働省の人口動態統計によると、第一子が生まれた時の父母の平均年齢は、1975年(昭和50年)で母親25.7歳、父親が28.3歳でした。
一方2016年(平成28年)になると、母親は30.7歳、父親は32.8歳まで上昇しています。母親は約5歳、父親は4.5歳上がったことになります。
平均よりもかなり上の年齢の方も多い
私も住宅を購入される方の家計相談をよく受けていますが、このような晩婚、晩産家庭の方は増えていますね。
ライフプラン、マネープランを組んでいく場合、やはり30歳前後でお子さんができたようなご家庭とは当然違ってきます。
30歳と40歳でどう変わる?
サラリーマンの場合だと収入は50代前半をピークにその後は徐々に下がっていくことが一般的です。
そしてちょうどその頃、子どもの塾代や学費の出費が年々増える時期となります。最もお金のかかる大学に通う頃に親が60歳を迎えるということになります。
今どき60歳は実際に仕事を辞める年齢ではないとは思いますがそれでも収入や体力のことを考えるとひとつの区切りであり自分たちにも変化が出てくるタイミングでもあります。
ライフプランはどのように考えるべき?
しっかりと貯蓄できる時期は子どもが小学生、長く見ても中学卒業までと考えてください。子どもが小学生までの間は教育費はそれほどかからないため、その間に貯蓄を最大限に増やすことを目指してください。
貯め方は何でも良いですが意外と期間が短いためハイリスク・ハイリターンのものは避けた方が良いですし満期のあるような金融商品は満期時期をあまり先に設定しないことです。小学校を卒業する12年後くらいには使えるようにしておくといいですね。
注意することは?
晩婚・晩産のご夫婦の特徴として30歳前後のご夫婦よりは結婚時点での貯蓄が多いことが挙げられます。それぞれ独身時代に貯めてこられたお金を合わせると結構な額になることもあります。
注意するのは住宅購入をされるうえで住宅ローンと言う借金がいやなので頭金として貯蓄をかなり多めに出してしまうことです。(場合によってはローンを組まずに全額自己資金で買ってしまおうという方もいらっしゃいます)
頭金を多く出しても教育費や老後の生活まで考えて全く問題がなければ良いのですが、「ローンを組みたくない」という理由だけで計算もなく多額の貯蓄を引き当てることはリスクでもあります。
災害や病気の対応など緊急的な予備資金がない、車の購入費用が足りない、子どもの学費が多くなるタイミングが意外と早く訪れた、などさまざまなことが想定されます。
今は住宅ローンの金利も低いので一定のお金は手元に残しておく返済プランを考えるべきです。
40代から住宅ローンを組む場合は?
皆さん住宅ローンを組む際にどうしても「定年(60~65歳)までには返したい」と思われるのではないかと思います。そう思ってローン期間を15年とか20年とか短く組むと長く組んだ場合と比べて月々の返済負担が多くなります。
そうすると貯めなければいけない時期に思ったように貯蓄ができなくなります。
ではどう考えれば良いかと言うと、できるだけ長い期間で借りて月々の返済負担を減らし貯蓄をどんどんしていき、65歳くらいの時点で「返そうと思えば返せる額と老後資金」を確保することを目指してください。
この住宅ローンの考え方と先ほどの貯蓄からいくら頭金に当てるかとのバランスを考えて逆算して住宅資金の総額を立てるべきです。
40代の出産は考えるべき問題も多い!
「教育資金」とか「住宅購入資金」とか「老後資金」とか個別に考えているとなかなか正解には辿り着きません。
将来の家計全般を考えたライフプラン・マネープランを作ってみることが自分たちの方向性を見つける一番の近道になります。
ライフプランはインターネット上で自分たちが作れるものもありますし、私たちも毎週のように作成のお手伝いをしていますのでぜひ一度作ってみることをおススメします。
ライフプランの作り方について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。