授業料やお金の準備に関するご質問です。
我が家の子供が高校3年生のため、今年は受験生です。
国公立に行ってくれたらいいなぁと勝手ながら考えてはいますが、もちろん子供が望む大学に通わせてあげたいとも思います。
ただ新型コロナのこともありますし、自分達の今後の収入や貯えのことなど、親としてはお金に関する心配のほうが大きいです。
我が家にはもう一人下に子供がいますので、あまりに負担が重いようなら、子供には奨学金を使ってもらうように話をする必要があるのかなとも思います。
そこで、最近の学費や奨学金について、教えていただけますでしょうか?
私、針田がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2020年6月29日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
大学の費用負担、2020年現在はどのくらい?
大学の費用というと、授業料だけではなく、入学前・入学時・通学中の費用の3種類あると思います。
入学前の費用というのは、主に受験費用です。
国公立大学の受験費用は1学部あたり約17,000円、私立だと約35,000円というところが多く、このほかに受験会場への交通費や宿泊費は別途必要です。
更に1校だけ受験するということはあまり無く、多くの方は滑り止めとして何校か受験します。人にもよりますが、滑り止めを受ける数は3~4校が多いと言われています。
そうなると受験費用だけで20万円弱、そこに各校の交通費や宿泊費を加えると、文科省の調査では国公立入学者の受験費用は50万円程、私立入学者は70万円程が必要です。
これが最初のステップで、次に入学時にかかる入学金、そして通学中にかかる授業料が加わります。
入学金や授業料は、やはり私立は相当高いですか?
入学金ですが、国公立だと30万円弱、私立大学および専門学校だと別途施設設備費という名目が加わり40万円程というところが多いです。
注意しないといけないのは、これ必ずしも通う大学の入学金のみ支払うわけではないです。
仮に国公立を第一志望として滑り止めで私立を受験した場合、私立の合格発表は国公立よりも早いですから、合格通知が届いたら所定の期間内に入学金を納めないといけません。
その後第一志望が受かって、滑り止めへの入学をキャンセルしたとしても、既に支払った入学金は返金されないことが多いです。
次に授業料についてですが、国公立は年間約53万円、私立文系や専門学校は約100万円、私立理系は約120万円、これが4年間です。ちなみに医科系の私立大学は、年間約300万円でこれが6年間です。
そして生活費というのも通学中の費用に加わりますね。自宅から通える学生は良いですが、私自身は大学が県外でしたからアパートを借りて通学しましたので、家賃・光熱費・食費が必要でした。
愛知県は学生のアパートの家賃は4~5万円で借りられると思いますが、東京は2倍近くしますよね。
大学卒業までにはどのくらいかかる?
文科省と日本学生支援機構の調査を参考に、先程申し上げた入学前・入学時・通学中の費用を合計した場合でお伝えします。
国公立で自宅から通うなら4年間で530万円、下宿から通うなら830万円です。
私立文系だと自宅からは710万円、下宿からは1000万円、私立理系だと自宅からは840万円、下宿からは1130万円です。
この費用を親はたったの4年間で支払わないといけないわけですから、親の負担はきついですね。
ただ、ここには入学前に通う学習塾代は含まれていません。また浪人する方もいるでしょうし、在学中に単位が足らずに留年、もしくは留学することも考えられますから、その場合もさらに費用負担が増えます。
学習塾はどのくらいかかりますか?
学習塾は通う塾による料金設定の違いがあるのはもちろん、入学時期(4月入学か9月入学)、受けるカリキュラム、さらには夏期講習を受けるか等によって変わってきます。
ご参考までに名古屋駅前にある某大手学習塾の場合、4月入学なら10万円、9月入学なら7万円の入学金が必要です。
授業料は志望校によってカリキュラムが異なるので費用もそれぞれとなっており、4月入学なら74~86万円程、9月入学ならその6割程の負担です。
次に夏期講習ですが、すでにその塾に通っている校内生よりも、夏期講習のみを受ける一般性のほうが若干高く設定されています。
気になる授業料ですが、一講座(90分×5コマ)につき17,000円前後、一般生には入学金として4,000円が別途必要です。
よって仮に4月入学で、名古屋大学理系コースを選択すると入学金と授業料で96万円、ここに夏期講習1講座約17,000円×口座数が加わると、大学入学前にすでに100万円を超えた負担ですね。
親の費用負担は大きい
一人っ子でもきついでしょうし、子供を複数持つ親はもっと大変ですね。私は2人兄弟で姉がいるのですが、二人とも有り難いことに大学に通わせてもらえましたが二人ともアパートを借りて通いました。私の時には奨学金を利用しました。
日本学生支援機構の奨学金(貸与型)の場合、無利子の第一種と有利子の第二種があります。
ちなみに返済しなくてよい給付型というのもありますが、住民税非課税世帯が対象なのと、奨学金利用者の3%弱しか使えないので、多くの方には縁がないですね。
私は有利子の第二種を利用しましたが、月に5万円を4年間で合計240万円を借りて、15年ローンで返済という内容でした。
返済開始は大学卒業後からで、私の場合返済額は利息込みで月に約14,300円程でしたので、そのくらいなら支払いに問題は無かったと実感しております。
奨学金は後の支払いが大変だというイメージを持つ方も少なくないと思いますが、月に5万円程なら大丈夫なのかなと思います。
奨学金の利息は大丈夫?
第二種の返還方式には、返済期間中の利率を固定させる「利率固定方式」と、5年毎に見直す「利率見直し方式」があります。
気になる利息ですが、どちらの返済方式を選んだとしても、自分の利率がいくらになるかは、「奨学金を最後に借りた月」に決まります。
多くの方が大学4年生の3月まで利用すると思いますが、いずれにしても、奨学金を申し込んだ大学入学時点では、自分が将来負担する利率が分からないんです。
私の奨学金は0.875%の利率固定式でしたが、ここ数年は低金利が続いており、0.1~0.3%代のようです。
ちなみに利率の上限は3%となっていますが、とてもそこまで高い金利になることは考えにくく、この低金利はまだ当分続くと思われます。
日本学生支援機構の奨学金の他にも、大学独自の奨学金(成績優秀者の上位何%かがもらえる給付型の奨学金など)もありますから、それにより志望校が変わる場合もあると思います。
あとはそれぞれの申込期限が異なりますので、そこにも注意して検討して頂くとよいと思います。
子どもの進学で必要なお金の準備について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。