子どものアルバイトで稼ぎすぎるとどうなる?所得税や社会保険上の問題を解説

子どもの アルバイト マネー情報

子どものアルバイトの扶養についてのご相談です。

今年の4月から子供が大学生になって少し学校にも慣れてきたようで、最近アルバイトを始めたいと言い出しました。私自身も学生時代にはアルバイトをして良い経験だったと思うので反対はしませんが、働き過ぎて収入が多くなった場合のことで気になりました。親の扶養から外れてしまうなど何か注意することはありますか?教えて下さい。

伊藤
伊藤

私、伊藤がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2022年5月23日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

大学生になるとアルバイトをする人は多い

日本学生支援機構のデータによると、約8割の学生がアルバイトをしているそうです。

伊藤
伊藤

5人に4人くらいの割合ですから、している人の割合は多いと言えますね。

アルバイトの目的はそれぞれ

単純に自分の好きなことや物に自由に使えるお金が欲しいという動機もあれば、1人暮らしをしていて親から仕送りだけでは生活費が十分ではないため、それを補うという目的もあると思います。

伊藤
伊藤

お金のためだけではなく、社会経験を積むためにという人もいると思います。

学生という立場ではありながら、自分の収入で生計が立てられてしまうほど稼いでいる人もいますね。

学業がメインですので、そちらが疎かにならなければ良いとは思いますが、稼ぎすぎると他にも気に掛けることが出てきます。

稼ぎすぎた場合の税金は?

収入によっては税金や社会保険、また、親の扶養から外れる外れないといった部分に影響が出てくることが想定されます。

正直、学生のアルバイトでこのことまで考えて働いている人は少ないと思います。

伊藤
伊藤

どちらかと言えば少しでも稼げたり、働く環境の良いアルバイト先はないかという考えが強いと思います。

影響が出る収入の目安

主に103万円と130万円という金額がポイントになります。

学生本人のことについて、税金と社会保険の面で見てみます。

まず、原則としてアルバイトの収入が年間103万円を超えると所得税の納税義務が発生します。

この103万円というのは、所得税の計算上所得から差し引きできる基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円を足した金額となります。

この103万円を超えなければ所得税はかからないということになります。

ただ、学生の場合はこれに加えて勤労学生控除というものの適用があり、この控除が27万円です。

先ほどの103万円にこれを加えた130万円が所得税のかからないラインとなります。

伊藤
伊藤

仮に、月々12万円ずつ収入を得た場合、年間144万円になるため、先ほどの130万円を差し引いて出る14万円に対して所得税が発生するということになります。

社会保険について

学生であっても一般の人と同じように年間130万円を超えると社会保険料の負担が発生します。

一般的には親の扶養から外れて国民健康保険に加入することになり、所得金額に応じた保険料を支払うことになります。

伊藤
伊藤

また、1週間の所定労働時間、ひと月の所定労働日数が正社員の3/4以上の状況であれば、勤務先の社会保険に加入することになり、健康保険や厚生年金保険に加入することになります。

他にも注意することは?

学生であっても20歳以上になれば国民年金保険の加入対象となり、保険料納付義務が発生します。

中には保険料の猶予をしてもらえる学生納付特例制度の利用を考える人もいると思います。

しかし、これには所定の所得要件を満たす必要があります。

「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」の基準を超えた場合には先ほどの特例制度は利用できないため、国民年金保険料の納付をしなければならなくなります。

また、奨学金についても注意が必要です。

伊藤
伊藤

詳細は省きますが、奨学金の利用には所定の家計基準を満たす必要があるため、それを超える収入があると給付や貸与の停止の措置を取られる可能性も出てきます。

親への影響は?

親としては子供を扶養に入れることで一般的には38万円の扶養控除が適用されます。

一般的な大学生の年齢の子供を扶養している場合には、特定扶養親族の対象となることから、63万円の扶養控除が適用されます。

伊藤
伊藤

税金の計算をする際に、課税対象額となる金額を少なくできるというメリットがありますので、子供が扶養控除を外れてしまうということはその分、親の税金の負担が増えるということになります。

最低限の知識として押さえておくこと

納税したり社会保険料を支払うこと自体は決して悪いことではありません。

ただ、何も知らずに後から思いもよらない請求が来たら少なからずショックを受けると思います。

伊藤
伊藤

税金や社会保険というのは生きていく間はずっと付いて回るものですので、ご自分に関わることに関しては最低限の知識として押さえておくと良いですね。

税金についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。

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