収入合算の住宅ローンについてのご質問です。
我が家もそろそろマイホームをと考えています。この前、夫の名前で住宅ローンを組もうと銀行に相談に行ったら、希望額は貸せないと言われました。夫婦ともに会社員で収入があるので、私の収入も考慮したら希望額を貸せるかもしれないと言われました。言われるままにそうしても大丈夫でしょうか?教えて下さい。
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年4月8日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
収入合算の住宅ローンとは
一般的にローンを申し込む時は本人が自分1人の名前で申し込んで、その人の収入をもとに審査がなされます。
収入合算というのは、本人1人だけではなく、配偶者など一定の範囲の人の収入も加えることを意味します。
金融機関によって細かな取り決めは違いますが、住宅ローンにおいては多くの金融機関でこの収入合算の取り扱いがあります。
収入合算の場合のメリットは?
一番のメリットはより多くの借入ができるようになるということです。
住宅ローンの審査項目の中で、「返済比率」「返済負担率」と言われるものがあります。
これは、これから組む住宅ローンおよび他に利用中のローンがあればそれも加えたローン全体の年間の返済額が、年収に対して何%かというものを見るものです。
何%以内なら基準をクリアという取り決めは金融機関によって異なりますが、一般的には35%以内というものが多いです。
例えば、会社員の夫が年収500万円で他にローンがないとした場合、年間の返済額は175万円以内に収まる必要があります。
これを一般的な金融機関の審査金利で計算しますと、約4090万円が借入可能額となります。
もし、借入希望額が5000万円の場合ですと、希望額に届かないということになります。
ここで、仮に会社員の妻が年収250万円であるとした場合、この妻の収入を合算しますと6140万円が借入可能額となります。
こうなると、希望額の5000万円は可能ということになります。
もちろん、審査では他にも見る項目はありますので、あくまで理論上の金額ではあります。
収入合算すると借入額の上限が全然違う
1人の収入では基準を満たさないけど、配偶者にもある程度の収入があるという人にとっては、世帯として借りられる金額は大きく変わりますね。
収入合算した住宅ローンは2人の名義?
収入合算をした場合、合算された人の立場としては「連帯債務者」または「連帯保証人」になります。
ここでは詳細は省きますが、どちらの立場になってもローンの返済義務は負うことになります。
例えば、夫が主の債務者で妻が連帯債務者または連帯保証人であった場合、妻にも返済義務が生じます。
夫が何かしらの理由でローンの返済をしなかった場合、金融機関からは夫だけでなく妻に対しても返済の督促があります。
また、もし離婚をした場合でも借りている住宅ローンに対する立場は変わりませんので、引き続き同様の義務が生じますので注意が必要です。
収入合算の住宅ローンを利用する注意点は?
収入合算は住宅ローンを少しでも多く借りることができる手段としては手っ取り早い方法です。
しかし、住宅ローンを組めば当然、返済をしていかなければなりません。
先ほどの例のように妻の収入を合算して住宅ローンを組んだ場合、仮に将来子供が生まれて働き方をパートやアルバイトなどに変えて収入が減った場合などには、当然、家計のやり繰りにも影響が出ます。
問題なく返済を続けられれば良いのですが、家計が回らなくなってしまっては大変です。
もし返済が滞ってしまえば、最悪の場合はマイホームを失うことにつながります。
住宅ローンを組む時には、「いくら借りられるか」ではなく将来の人生設計を見通した上で、「いくらなら借りても良いか」「いくらなら返していけるか」という視点で進めていくことが重要になりますね。
収入合算含め、住宅ローンについて詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。