金融会社が破綻したらどうなる?銀行・証券会社・保険会社それぞれで解説!

金融会社が破綻したらどうなる? マネー情報

50代男性の方からのご質問です。

今年親から相続した財産の中に結構な金額の株が含まれています。
株のことは良く分かりませんが、親もずっと持ち続けていた株のようなので、当面このままにしておこうと思います。
気になったのは、もし預けている証券会社が破産などをした場合に、全額保証されるのかどうかです。
銀行では、ペイオフで1000万円までは保証されると聞いたことがあります。
これを機会に、銀行や証券会社、保険会社など金融機関の保証体制を知っておきたいので教えていただけないでしょうか?

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2020年11月30日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

銀行預金が1000万円まで保護される

小宇佐
小宇佐

ペイオフが実施された場合に保護の対象となる預金は、「決済用預金」と「一般預金等」に分けられます。

「決済用預金」の代表的なものは、当座預金や利息の付かない普通預金で、ペイオフの際には1000万円という限度はなく全額保護されます。

「一般預金等」は決済用預金以外の預金で、利息の付く普通預金、定期預金、定期積立などが含まれ、保護される金額は、1金融機関ごとに合算して預金者1人につき元本1000万円までと破綻日までの利息等となっています。

保護されない一般預金等の1000万円を超える部分については、破綻した金融機関の倒産手続きによって弁済金・配当金として支払われることになります。そのため、破綻金融機関の財産の状況に応じて、全額もしくは一部が払い戻されることもありますが、払い戻されない可能性もあります。

尚、外貨預金(譲渡性預金・金融債なども)は、この預金保険では保護されないので注意が必要です。

対象は全ての銀行?

小宇佐
小宇佐

日本国内に本店がある都市銀行、地方銀行、信用金庫、ネット銀行や外国金融機関の日本法人などが保護の対象になります。

日本に本店がある金融機関でもその海外支店は保護されませんし、外国銀行の在日本支店や政府系金融機関も対象外となります。

証券会社が破綻した場合

小宇佐
小宇佐

日本の証券会社の証券口座にある資産は、二重のセーフティネットで保護されています。

まず、そもそも金融商品取引法によって、証券会社の資産は「分別管理」することが定められています。

そして、万が一分別管理が行われていなかった証券会社が破綻した場合には、「日本投資者保護基金制度」によって、顧客の資産は1人につき1000万円まで保護されることになります。

「分別管理」を少し詳しく説明しますと、投資家が証券会社に預けている資金や購入した有価証券などの資産と、証券会社自身の資産は明確に分別され、それぞれ所定の場所に保管されます。

例えば、預り金や国内投資信託は信託銀行に、国内上場株式や債権は保管振替機構に、外国株式などは海外保管決済機関にそれぞれ保管されます。

非上場株式は、証券会社の社内で管理されますが、証券会社の資産とは区別することとされています。

このように、適正に分別管理を行っている証券会社が破綻しても、投資家の資産はすべて投資家に返還される仕組みになっています。

さらに、法律で定められた分別管理を証券会社が適正に行っていない場合(分別管理義務違反)のために、罰則規定が設けられており、徹底を求めるために金融庁の定期検査や監査法人のチェックなどで監視されている状態にあります。

保険会社が破綻した場合

小宇佐
小宇佐

生命保険会社・損害保険会社のいずれも国内で事業を行う全ての保険会社は、「契約者保護機構」への加入が義務づけられていて、一定の割合で契約者を保護する仕組みを持っています。

生命保険の場合は、保護の範囲は、保険の種類や契約時期、予定利率によって決められており、破綻時点の責任準備金(各保険会社が支払いのために備えてある資金)の90%までが対象で、残り10%が更生計画などにより決定されます。

削減幅は保険の種類により幅があり、養老保険や終身保険・個人年金等や、予定利率が高い時期の契約などが削減幅が大きくなり、掛け捨ての定期保険等は、貯蓄性がなくリスク保障重視のため削減幅も少なくなるのが一般的なようです。

更生計画には

  1. 救済保険会社が受け皿になる
  2. 保護機構が「承継保険会社」を設立する
  3. 保護機構自ら引き継ぐ

とされていますが、過去の事例にによると外資系の保険会社が受け皿になるケースが多いようです。

車の任意保険や火災保険などの損害保険の場合は、破綻後3カ月間の保険金は全額支払われますが、3カ月を経過すると80%の支払いになります。

また損害保険契約の解約返戻金や満期返戻金は、破綻時期にかかわらず80%の支払いとなります。

このように条件は悪くなりますが、損害保険は比較的見直して他社に乗り換えることも容易なので生命保険と比べると影響は少ない場合が多いと思います。

金融機関全体でかなり保護されている

小宇佐
小宇佐

バブル崩壊後に多くの破綻事例を元に整備されていった結果です。

各金融機関の特徴を把握して「破綻リスク対策」という観点でも資産の分散を検討されてみても良いかもしれませんね。

資産の破綻リスクの管理について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

小宇佐・針田FP事務所への問い合わせ

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