地震保険は必要ない?公的支援でカバーできる?必要性や補償内容をFPが解説します

地震保険は本当に必要? マネー情報

地震保険についての質問です。

念願のマイホームが完成して来月引渡し予定です。
住宅ローンを組むにあたって火災保険の加入は必須と言われたので
どの保険にするか検討中ですが、合わせて地震保険にも入るかどうか
迷っています。友人は『地震保険は高いので入らなかった』と言っていますが
やはり入らないと不安はあります。
地震保険って本当に役に立つのか、割高なものなのか、教えてください

小宇佐
小宇佐

私、小宇佐がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年3月11日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

公的支援での救済はあまり期待できない

小宇佐
小宇佐

損害保険料率算出機構が平成26年に行った「地震危険に関する消費意識調査」では、大きな地震で費用工面が必要になったとき何に期待するかと言う質問には、約5割が国や自治体の支援、と答えています。

多くの人がいざとなったら国がどうにかしてくれると思っています。しかし実際には公的支援は被災者自身の努力で居住安定確保や生活再建をしようとする場合の後押し程度でしかありません。

具体的にどんな公的支援がある?

まずは被災者の救出、仮設住宅の設置、食糧・飲料水、被服、寝具の給与といった当座の暮らしをつなぐための最低限の支援を定めている「災害救助法」があります。

58万円までの補助

住宅の応急修理も含まれていて、約58万円までの必要最小限の工事が受けられます。(現物給付なので勝手に工事をして代金を請求することは出来ない)

元の家に住むことが目的なので、この制度を利用すると基本的に仮設住宅などには入居できなくなります。また修理の範囲は屋根、壁、床などの住宅の基本部分や上下水道の配管や電気配線、トイレなど生活に不可欠な部分に限られます。

り災証明書で300万円

小宇佐
小宇佐

住宅を失ったことに対する支援金について定められている「被災者生活再建支援法」があります。

自治体が交付する「り災証明書」を発行してもらうと支援金を受け取ることができますが、1世帯最大でも300万円、それも全壊または大規模半壊でなければ支給されません。

家を建て直すためと言うよりは当座の生活を立て直す資金といったものです。

国から2つ以外の支援はない

小宇佐
小宇佐

被災して国や自治体から給付されるものはこの2つだけです。

義援金の支給もありますが、被害の程度に応じて配分を決めるため時間がかかりますし、被災世帯が多いと一世帯当たりの義援金は少なくなります。

仮設住宅の設置などもしているので決して少ない訳ではないのですが、住宅再建という意味ではあくまで補助的な位置付けと言えます。

自助努力として保険は有効

小宇佐
小宇佐

保険の基本は、いざ何か起こったときに自分の貯蓄などではカバーできないことに対して備えておくことです。

皆さん、想像しやすい身近なこと、例えば入院の保険などには進んで入られるのですが、地震保険となると「まさか自分の地域にはそうそう起きないだろう」と考えて、入らない方もいらっしゃいます。

でも実際に起きてしまうと、被害の度合いによっては取り返しのつかない、人生を大きく狂わせるような負債を負うことになります。

地震保険は高い、とか、全てをカバーできるわけでない、という意見もありますが、貯蓄で準備できないのであれば入るべきです。

地震保険の補償内容は高い?

小宇佐
小宇佐

補償内容に対しては決して高くはありません。

地震保険は民間の保険会社が販売していますが、1966年に成立した地震保険法と言う法律に基づく国の制度です。

国の政策に損保会社が協力するというカタチなので、損保会社は利益を取れません。その分保険料が安くなっている構造です。

保険金の支払いも国が責任を負ってますので万が一損保会社が保証できなくても支払われないということはありません。

地震保険に入る場合の注意点

小宇佐
小宇佐

せっかく地震保険に入るのであれば「家財」の地震保険にも入っておいた方が良いですね。

地震発生の際には建物はそれほど被害を受けなくても、食器棚やテレビなどが倒れて壊れることは本当に多くあります。そういった場合でも家財の地震保険に入っていれば一定の基準に基づいて補償されます。

使う可能性としては建物の地震保険よりも多いと言えますので同時に加入しておくことをおススメします。

また地震保険は建物や家財の一般補償額の2分の1の額までしか付けられません。しかし最近では保険会社独自の補償で残りの2分の1もカバーするものも出てきています。

保険料は当然上がりますが、補償を手厚くしたいと考える方は、そういった保険会社の商品を確認してみることもおススメします。

地震保険について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。

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小宇佐 拓宏

小宇佐・針田FP事務所代表ファイナンシャルプランナー。住宅マネープランナー協会代表。2001年早稲田大学人間科学部卒業後、マンションデベロッパー・損保系大手生命保険会社での経験を経て2010年小宇佐FP事務所として独立。2011年小宇佐・針田FP事務所に名称変更専門分野は投資・運用。自らもFXや米国株投資を積極的に行う。

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