団体信用生命保険についてのご質問です。
住宅ローンに付く団体信用生命保険で、色々な種類があると聞いたのですが、できる限り手厚いものにした方が良いのでしょうか?
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2017年3月6日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
団体信用生命保険とは
この保険は、住宅ローンを組んだ時に入る保険で、一般的には借りた方がお亡くなりになった場合に、その時点で残っている住宅ローンを全額支払わなくても良くしてくれる保険です。
もし保険を使って住宅ローンがなくなっても、マイホームはそのまま残ります。
一般的な銀行では、この保険への加入が条件となっている場合が多く、仮に体の状況で加入できないという場合には、住宅ローン自体も借りることができないことになります。
また、保険料は金利に含まれていることが多いため、別で支払う必要はありません。
なお、最近利用者が増えているフラット35や一部の銀行の商品については、保険への加入が任意であったりして、加入しなくても住宅ローン自体は組めるというものもあります。
その代わり、加入する場合には保険料は別途必要になりますが・・・。
亡くなった場合以外は対象にならない?
亡くなった場合以外にも、例えば、所定の高度障害状態になった場合があります。
一般的には、死亡の保障とセットになっている場合がほとんどです。
所定の状態にはいくつかありますが、代表的なものとしては、以下の通りです。
- 両眼の視力を全く永久に失ったもの
- 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
それから、最近ではガンと診断された場合、ガンも含まれますが3大疾病と診断された場合、さらにその他の生活習慣病を含んだ7大疾病、8大疾病を対象にしたものも出てきています。
ただ、それぞれについては、単純に診断された場合に適用になるものもあれば、所定の状態が60日以上継続した場合など、所定の条件を満たした場合に適用になるという部分まで細かく規定されています。
生活習慣病などは医療保険に入っていたら必要ない?
確かに、医療保険に入っていれば、先ほどのような病気になった場合には、保険金を受け取ることができる可能性は高いですね。
ただ、一般的な医療保険と今回の団体信用生命保険とでは性質が大きく異なります。
一般的な医療保険は、あくまで治療をしていくためのお金の負担を抑えてくれるという役割があります。
一方、団体信用生命保険は、人や時期によって違いはありますが、何千万円あるかもしれないその時点の借金を全額保障してくれるものです。
大きな病気にかかってしまい、仕事に影響が出て収入が減ったりした場合に、その後の住宅ローンの返済がなくなるのはとても安心ですよね。
金融機関の側では、マイホームに対して抵当権という担保を取っていますので、もし住宅ローンを返済できなくなってしまった場合には、最悪の場合、マイホームを失うことに繋がってしまいます。
できる限り幅広く入っていた方が良い?
確かに、幅広く保障される内容であれば非常に心強いですよね。
ただし、幅広くすればその分、保険料負担も増えます。
死亡や高度障害のみの保障の場合には、表示されている金利に含まれているという場合がほとんどですが、保障の範囲を広げていくと、表示されている金利に0.3%や0.5%を上乗せといった扱いとなります。
例えば、3000万円を35年返済で借りた場合、0.3%の上乗せで35年間で約160万円、0.5%の上乗せで35年間で約270万円、多く支払うことになります。
所定の状態になれば、タイミングによっては何千万円かの借金が消えることも可能性としてはありますが、幸いなことに35年間何事もなければ、先ほどの金額は戻って来ないお金となります。
多くの方は、住宅ローンの返済が終わる頃には定年退職を迎え、年金生活に入ることになります。
例えば、先ほどの160万円、270万円といったお金が老後に残っているか、出て行ってしまっているかということはとても大きな差ですよね。
団体信用生命保険の細かな保障内容を理解した上で、ご自身の生活習慣や家計状況を踏まえて、ご自身にとって必要な保障の範囲と家計の両面で安心できるプランを選んで頂くことが望ましいですね。
マイホームの購入についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。