消費税増税で起きた変化についてのご質問です。
10月に消費税が10%になり2ヶ月くらい経ち、何となく慣れてはきました。ただ、増税によって新たにできた制度などがあったような気がするのですが、いまいち把握しきれていません。どのようなことが変わったのかを教えて欲しいです。
私、伊藤がお答えします!
※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2019年12月9日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。
増税後に代表的な変化があったものは
まずはキャッシュレスポイント還元事業の開始ですね。
これは、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコードなどのキャッシュレスの決済による買い物をすると、ポイント還元が受けられるものです。
具体的には、中小事業者のお店での買い物は5%、大手フランチャイズ店舗での買い物は2%の還元率で、実施期間は来年6月までです。
ただ、全てのお店で対象になるわけではありません。
加盟店として登録している事業者がでの買い物が対象になります。
対象となっている店舗には、その旨を示すポスターやステッカーが掲示されていますので、確認して頂くと良いですね。
商品券もある
プレミアム商品券のことですね。
これは、3歳未満の子供がいる世帯の方や住民税非課税の方が対象となるものですが、1人あたり最大25,000円の商品券を20,000円で購入できる商品券のことです。
すでに使用された方も多いかと思いますが、来年の3月までが使用期限になります。
対象の方にはお住いの市町村から商品券の引換券が届きますので、希望する方はそれを市町村が指定した窓口へ行くと商品券が購入できる仕組となっています。
商品券が使用できるお店は指定された店舗となりますが、皆さんが普段使用される店舗も結構含まれている可能性が高く、最大で5,000円多く使えることを考えると、かなりお得なものですね。
自動車税の減税
今年の10月以降に新車を購入して登録した場合、自動車税が減税となります。
実は、自動車税が引き下げられるのは1950年の制度創設以来とのことです。
引き下げ率は自動車の排気量によって異なりまして、例えば、排気量が1,000cc以下の場合、引き下げ前の税金は29,500円でしたが、引き下げ後は25,000円となり、4,500円安くなります。
日本は諸外国と比べて自動車の維持費が高いと言われていますが、多少なりとも負担が減るのはありがたいことですね。
住宅ローンの減税の関係でもなかった?
既にマイホームを購入して住宅ローンを組んでいる方においては、いわゆる住宅ローン減税というものを受けていると思います。
これは、決まった年数の間、年末の住宅ローン残高の1%を還付しますという制度ですが、ここ最近はローンを組んでから10年間が対象というものが一般的でした。
ところが、消費税増税後に住宅の契約をしたりした場合には最長で13年になりました。
13年のうち、当初10年間はこれまでと同じですが、残り3年間は概ね消費税増税分を回収するような設定になっているため、実質、増税の影響を受けないようになっています。
ただ、実際には所得などによって支払っている税金が皆さん違いますので、損得の判断は一概にはできません。
住宅関係だと、所得によって金額が変わりますが、住宅購入者への補助金的な意味合いで給付されるすまい給付金も少し変わりまして、以前は上限30万円であったものが50万円になっています。
幼児保育の無償化
保育園、幼稚園、認定こども園に通う場合に、3〜5歳児クラスは利用料が無償になり、この制度とならない幼稚園は月額25,700円まで無償になるというものです。
また、0〜2歳児クラスでも住民税非課税世帯は無料になります。
その他、幼稚園の預かり保育の利用の場合、認定されれば3〜5歳児クラスで月額11,300円まで無償、認可外保育施設の利用の場合、3〜5歳児は月額37,000円まで、0〜2歳児は住民税非課税世帯が42,000円まで無償となります。
また、就学前の障害児の発達支援の利用の場合、満3歳後の初めての4月1日から小学校入学まで3年間無償となります。
知っていればお得に活用できる
当然、関係のあるものないものは人それぞれですが、関係あるものについては少しでもお得に活用できると良いですね。
今後、経済状況などに応じて新たな制度が出てくることも予想されます。
もしご自身にとって関係のあるものが出てきた時は是非、有効に活用して頂きたいですね。
お金の運用の仕方や節税について、詳しく知りたい方は小宇佐・針田FP事務所にご相談ください。