親の生命保険の調べ方は?対象となる人や手続き、教えてもらえない場合を解説

親の生命保険 調べ方 マネー情報

親の生命保険についてのご質問です。

最近、私の母親の様子が以前と違い、どうも物忘れが多くなってきています。
私の兄弟とも話しているのですが、もしかすると認知症かもしれません。
父はすでに他界しておりますので、母のお世話は近くに住む私が担当していますが、そろそろ色々な心構えというか準備も必要なのかなと考えるようになってきました。
そこでふと思ったのですが、母がもし生命保険に加入していれば、万が一の時にも少し助かりますし、あと保険の請求漏れなんていうことは絶対に防ぎたいと思います。
母に直接聞いても良いのですが、正確な回答を貰えるか怪しいですし、もし他にも調べる方法があれば教えてください。
宜しくお願い致します。

針田
針田

私、針田がお答えします!

※CBCラジオ「北野誠のズバリ」で2021年7月26日放送されたテーマを記事にしております。
※ラジオ出演時のFPと本記事で解説するFPが異なる場合があります。ご了承ください。
※ラジオ放送時の法律・税制に基づいておりますので、記事閲覧時と異なる場合があります。ご了承ください。

まず何から手を付ける?

まずはお母様が生命保険に加入しているかどうか、次にどこの保険会社でどんな内容なのか、を調べる必要があると思います。

一番理想的なのは保険証券を見つけることですが、お母様のご状況によっては保管場所を覚えていないことも考えられます。

次の方法としては、毎年9~10月頃になると、保険会社から「契約内容のお知らせ」という案内が契約者向けに一斉送付されますので、これを探すことです。

同じ時期に「生命保険料控除証明書」も送られますので、こちらでも良いです。

ただいずれも契約者宛てに送られますから、もしお母様とご相談者様が別居されているなら、毎日郵便物をチェックするわけにもいきませんので難しいかもしれません。

針田
針田

この方法もNGな場合、有料ですが生命保険協会に問い合わせる、という方法があります。

具体的にはどんな方法?

これは調査対象者(お母様)が、どこの保険会社で生命保険を契約しているかを、生命保険協会に調べてもらう方法です。

針田
針田

生命保険協会とは、明治41年に発足された組織で、国内の42社の生命保険会社が加入している団体です。

この協会が、東日本大震災の発生以降に災害時の保険金請求の対策として「災害地域生保契約照会制度」という制度を開始しました。

あの当時、残されたご遺族は生命保険契約に関する手がかりを失い、保険金請求が困難となったことから、災害救助法が適用された地域において運用されるようになりました。

調査請求を受けた生命保険協会は、保険会社各社に一括して調査依頼を行い、その結果を請求者に報告するという仕組みです。

ただあくまでも災害救助法が適用された地域の被災者でしか利用できない制度だったため今回のご相談のケースでは利用出来ませんでしたが、今月7月1日以降に「生命保険契約照会制度」が新設されましたので、認知症のケースでも利用できるようになりました。

生命保険契約照会制度について

もともとあった災害地域生保契約紹介制度を廃止して、生命保険協会契約照会制度を新設したのですが、これにより災害救助法の有無は関係なく、平時においても利用できるようになりました。

具体的には、調査対象者(お母様)が、「死亡」もしくは「認知判断能力の低下」をしている場合に利用出来ます。

ちなみに災害時においては、「行方不明」も調査対象の理由として認められます。

なお「認知判断能力の低下」については医師の診断書が必要で、協会所定の診断書を提出することになります。

ただ誰でも請求者になれるわけではありません。

調査対象者が死亡している場合には、法定相続人・代理人と遺言執行人(主に弁護士等)が請求できます。

針田
針田

認知症の場合には、調査対象者の法定代理人・任意代理人・3親等内の親族およびその代理人(弁護士等)です。

利用方法は?

生命保険協会のホームページにアクセスしてネット手続きをするか、もしくは申請書をダウンロードして郵送で送るかで、料金は税込3,000円です。

ちなみに災害時については、電話による対応もしてくれますし、料金は無料です。

この調査で得られる情報というのは、原則、生命保険各社における契約の有無です。

もし調査対象者が死亡している場合には、その照会をした方が、保険金を請求できる契約となっている(死亡保険金の受取人になっている等)かも教えてくれます。

針田
針田

ただ保障の内容など詳しい情報については教えてもらえないので、あとは保険会社に直接問い合わせることになります。

契約者が親の場合、どこまで情報を教えてくれる?

針田
針田

契約内容および保険会社によって、対応が変わります。

今回のご相談者が、お母様の生命保険の死亡保険金受取人になっている、もしくは指定代理請求人になっていれば、基本的に保険会社は全てを教えてくれます。

指定代理請求人とは、被保険者(お母様)に特別な事情がある場合に、契約者があらかじめ決めておいた代理人が、被保険者に代わって保険金請求が出来るという制度です。

いっぽうで、もしそのどちらにも該当しない場合においては、個人情報保護の観点から、いくら身内とはいえ詳しい内容は教えて貰えない可能性が高いです。

教えてもらえない場合どうする?

指定代理請求人に事後登録できるどうか、保険会社に確認してください。

ただし恐らく契約者(お母様)の署名が必要ですので、実際に手続きができるかどうかは、お母様の体調次第かもしれません。

そのあたりは保険会社が柔軟な対応をしてくれるとよいのですが。

あとは成年後見人を利用するのも良いと思います。

成年後見人については別の機会に詳しく解説させて頂きますが、成年後見人になることで保険会社の対応は変わることが期待できます。

後見人に認められる請求内容については、できれば事前に保険会社へ確認することをお奨めします。

針田
針田

そこで高齢のご両親を持つお子様方は、ご両親の生命保険契約について、受取人・指定代理請求人が誰になっているか、事前にご確認頂くことをお奨めします。

相続や保険についてのご相談は小宇佐・針田FP事務所にお任せください。

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